子どもの胸膜炎
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
胸膜炎(きょうまくえん)は、肺のまわりを包む「胸膜(きょうまく)」という薄い膜に炎症が起こる病気です。炎症が起こると、呼吸をしたり咳をしたりしたときに胸が痛むことがあります。英語では「プレウリシー(pleurisy)」と呼ばれます。
重要な事実
- 胸膜炎は、肺を包む胸膜が炎症を起こす病気です。
- 多くはウイルスや細菌の感染が原因で、かぜや肺炎のあとに起こりやすいです。
- 多くの子どもは、適切な休息と治療で数週間のうちに回復します。
子どもでは、大人に比べると胸膜炎になる頻度はそれほど高くありません。ただし、かぜや肺炎などの呼吸器感染症が流行する時期には、それに続いて胸膜炎を起こす子どもが増えることがあります。
乳幼児から学齢期の子どもまで、幅広い年齢で起こる可能性があります。特に、呼吸器感染症にかかった後や、免疫の働きが弱っているときに起こりやすくなります。
症状
- 息を吸うのも苦しいほどの呼吸困難がある
- 唇や爪の色が青紫色になっている
- 意識がもうろうとしている、呼びかけに反応しない
- これらの症状がある場合は、すぐに119番(救急)に電話してください
- ⚠高熱が続いて水分がとれない
- ⚠胸の痛みが強く、泣いて動けない
- ⚠咳がひどく、食事や睡眠がとれない
- ⚠当日中に医療機関に連絡しましょう
一般的な症状
- 胸の痛み(特に、息を吸ったり、咳をしたりすると悪化する)
- 息苦しさ
- 全身のだるさ
子供の症状
- 胸の痛みをうまく言葉にできず、機嫌が悪くなったり、ぐずったりすることがあります。
- おなかが痛いと言うことがあり、年長の子どもでも症状を正しく伝えられないことがあります。
- 呼吸が速くなったり、肩を動かして呼吸をしているように見えることがあります。
高齢者の症状
- 思春期の子どもでは、胸の鋭い痛みや圧迫感をはっきり感じることがあります。
- 痛みのために深く息が吸えず、浅い呼吸になることがあります。
原因
主な原因
- ウイルス感染(かぜ、インフルエンザなど)
- 細菌性肺炎(肺炎を起こす細菌による感染)
- 胸部のけが(ぶつけるなど)
- まれに、結核やリウマチなどの病気の一部として起こる
リスク要因
- 呼吸器感染症にかかっている、またはかかったばかり
- 免疫力が低下している(例えば、治療や病気による)
- 気管支ぜんそくなど、もともと呼吸器の病気がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 呼吸がいつもより速い、苦しそうな様子がある
- 胸の痛みが強く、泣いたり、動きたがらない
- 熱が高い、または熱が長く続く
- 顔色が悪い、元気がない
定期受診を予約すべき場合:
- かぜの症状が落ち着いた後も、胸の痛みや咳が続くときは、近くの小児科を受診しましょう。
診断
お子さんの診察では、まず症状の経過を聞き、聴診器で胸の音を確認します。炎症の場所や広がりを調べるために、画像検査を行うこともあります。
行われる可能性のある検査
- 胸部X線(レントゲン)検査
- 血液検査
- 必要に応じて、胸部超音波(エコー)検査やCT検査
診察で予想されること
検査は、お子さんにとって負担が少ないものが多いです。レントゲンやエコーは痛みを伴いません。血液検査は腕から採血しますが、短時間で終わります。結果によっては、数時間から数日後にもう一度診察が必要になることもあります。
治療
胸膜炎の治療の基本は、原因となっている感染症を治し、痛みや熱などの症状を和らげることです。お子さんの状態に合わせて、自宅で安静にしながら経過をみることもあれば、医療機関で治療を行うこともあります。
自宅でのセルフケア
- 体を休めて、安静にする
- 水分をこまめにとる
- 部屋の空気を乾燥させない
- 痛みが強いときは、無理に動かさない
医療治療
治療には、痛みや熱を和らげるお薬や、原因となっている感染症に対するお薬が使われることがあります。お薬の種類や使い方は、お子さんの年齢と体重、そして病気の原因によって医師が決めます。医師の指示に従い、自己判断で止めたり増やしたりしないでください。
手術が検討される場合
ごくまれに、胸膜の周りに膿がたまる「膿胸(のうきょう)」という合併症が起こった場合には、医師が胸に細い管を入れて膿を外に出す処置をすることがあります。手術が必要になることはほとんどありません。
この病気と共に生きる
回復のペースはお子さんによって異なります。熱が下がり痛みが落ち着いても、しばらくは自宅でゆっくり過ごしましょう。通園・通学の再開時期は、医師と相談して決めるのが安心です。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい生活時間を心がける
- 手洗い・うがいを習慣にする
- タバコの煙を避ける
食事と運動
食事は、普段どおりでかまいませんが、食欲がないときは、うどんやスープなど食べやすいものを少量ずつ与えましょう。運動は、痛みがなくなり呼吸が楽になるまで控え、医師の許可が出てから再開します。
精神的健康と心の健康
病気や病院での処置について、子どもは怖さや不安を感じることがあります。普段より甘えさせてあげたり、「大丈夫だよ」と安心できる言葉をかけたりして、気持ちに寄り添いましょう。
予防
胸膜炎のすべてを防ぐことはできませんが、呼吸器感染症にかかりにくくすることで、胸膜炎になるリスクを減らせます。
ワクチン
肺炎球菌やインフルエンザなどの予防接種は、呼吸器感染症の予防に役立ちます。お子さんの予防接種のスケジュールについては、かかりつけ医やお住まいの地域の保健センターに確認してください。
検診プログラム
胸膜炎を専門に早期発見する検診はありませんが、かぜや肺炎の症状が長引いたり、回復後も胸の痛みが続いたりする場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
合併症
治療しない場合
- 胸膜のまわりに膿がたまる「膿胸(のうきょう)」を起こすことがある
- 胸膜が癒着し、呼吸の動きが制限されることがある
- まれに、肺炎が重症化し、呼吸不全に至ることがある
長期的な見通し
胸膜炎は、適切な治療と休養によって、多くの子どもが数週間で回復します。ごく一部で合併症が起こることもありますが、早めに医療機関で診てもらえば、治療の効果は高く、後遺症が残ることはまれです。お子さんの様子をよくみながら、安心してケアを続けてください。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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