Pneumococcal vaccine adults
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌という細菌が原因で起こる病気(肺炎、髄膜炎、敗血症など)を予防するためのワクチンです。大人用には主に2種類あり、それぞれ異なる種類の肺炎球菌を予防します。
重要な事実
- 肺炎球菌は、肺炎や髄膜炎などの重い感染症を引き起こすことがあります。
- 大人用の肺炎球菌ワクチンは、特に65歳以上の方や基礎疾患がある方に推奨されています。
- ワクチンを接種することで、感染症にかかるリスクを大きく減らせます。
肺炎球菌による感染症は、特に高齢者や免疫力が低下している方でよく見られます。日本では年間約1万人が肺炎球菌による肺炎で入院すると推定されています。
肺炎球菌ワクチンは、主に65歳以上の方、または心臓病・肺疾患・糖尿病・腎臓病などの慢性的な病気をお持ちの方、脾臓を摘出した方や免疫力が低下している方に推奨されています。
症状
- 呼吸が止まりそうになる、または息ができない
- 意識を失った、または呼びかけに反応しない
- けいれんが止まらない
- ⚠高熱(40度以上)が続く
- ⚠激しい頭痛や首のこわばりがある
- ⚠胸の痛みが強く、呼吸が苦しい
- ⚠尿の量が極端に減る(敗血症の可能性)
一般的な症状
- 発熱と悪寒(さむけ)
- 咳や痰(たん)が出る
- 胸の痛みや息苦しさ
- 倦怠感(強いだるさ)
子供の症状
- 高熱と呼吸が速くなる
- ぐったりして元気がない
- 飲み物が飲めない、または吐いてしまう
- ひきつけ(けいれん)を起こすこともある
高齢者の症状
- 発熱があっても熱が高くならないこともある
- 意識がぼんやりする、混乱する
- 食欲がなくなり、動けなくなる
- 呼吸が苦しそう、または早くなる
原因
主な原因
- 肺炎球菌という細菌が原因です。この細菌はのどや鼻にいることがあり、免疫力が低下したり、加齢によって感染症を起こすことがあります。
リスク要因
- 65歳以上の高齢者
- 心臓病、肺疾患(COPDなど)、糖尿病、腎臓病などの慢性疾患がある
- 脾臓を摘出した、または脾臓の機能が弱っている
- 喫煙や過度の飲酒
- 免疫力を下げる治療(抗がん剤治療やステロイドの長期使用など)を受けている
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 肺炎が疑われる症状(高熱、息苦しさ、激しい咳)がある場合
- 意識がもうろうとする、またはけいれんを起こした場合
- 呼吸が速くなったり、唇や爪が青紫色になった場合
定期受診を予約すべき場合:
- ワクチン接種について医師に相談したい場合(65歳以上、または基礎疾患がある方)
- 過去に肺炎球菌感染症にかかったことがある場合
- 持病があり、感染症のリスクが高まっていると感じる場合
診断
肺炎球菌感染症の診断は、症状の確認とともに、細菌を特定するための検査が行われます。医師は、血液や痰(たん)、髄液(脊髄の周りの液体)などを採取し、検査に出します。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(白血球の増加や炎症反応を確認)
- 痰の培養検査(原因となる細菌を調べる)
- 胸部X線検査(肺炎の有無を確認)
- 髄液検査(髄膜炎が疑われる場合)
診察で予想されること
診断のために、採血や痰の採取などが行われます。これらの処置は通常、痛みを伴いますが、短時間で終わります。結果が出るまでに数日かかることもありますが、医師が症状や検査結果を総合的に判断します。
治療
肺炎球菌感染症の治療は、主に抗生物質(細菌をやっつける薬)を使います。重症の場合は入院が必要になることもあります。予防が最も大切で、ワクチン接種によって感染を防ぐことができます。
自宅でのセルフケア
- 安静と十分な水分補給を心がける
- 発熱や痛みがある場合は、医師に相談して適切な対処法を聞く
- タバコやアルコールを控える
- 手洗いやうがいをしっかり行い、他の人にうつさないようにする
医療治療
医師は感染の種類や重症度に応じて、抗生物質を処方します。軽症の場合は経口薬(飲み薬)、重症の場合は点滴での治療が行われます。治療中は症状の経過を観察し、必要に応じて入院治療に切り替えることもあります。ワクチン接種は治療ではなく予防です。
手術が検討される場合
肺炎球菌感染症で手術が必要になることはほとんどありませんが、まれに肺に膿(うみ)がたまった場合(膿胸)などに、ドレナージ(排膿)や手術が必要になることがあります。
この病気と共に生きる
肺炎球菌感染症を一度経験した後は、免疫力が低下している可能性があります。医師の指示に従い、適切な時期にワクチン接種(再接種を含む)を受けることが大切です。普段から十分な栄養と睡眠をとり、体調を整えましょう。
生活習慣のアドバイス
- バランスの良い食事と規則正しい生活を心がける
- 適度な運動で体力を維持する
- 喫煙を避ける(肺の防御機能を低下させるため)
- インフルエンザワクチンなど他の予防接種も受けることを検討する
食事と運動
特別な食事制限はありませんが、免疫力を高めるために、野菜や果物、良質なタンパク質をバランスよく摂りましょう。軽いウォーキングなどの運動は、全身の血流を良くし、健康維持に役立ちます。ただし、感染症の後は無理せず、体調を見ながら行ってください。
精神的健康と心の健康
肺炎のような重い感染症にかかると、不安やストレスを感じることがあります。回復後も「またかかるのでは」という心配が続くかもしれません。そうした気持ちは自然なものです。必要なら医師やカウンセラーに相談しましょう。家族や友人と話すことも助けになります。
予防
はい、肺炎球菌ワクチンを接種することで、肺炎球菌による感染症の多くを予防できます。特に高齢者や基礎疾患のある方には、厚生労働省もワクチン接種を推奨しています。また、手洗いやうがい、健康的な生活習慣も予防に役立ちます。
ワクチン
大人用の肺炎球菌ワクチンには、主に2種類があります。1つは13価ワクチン(小児用と同じタイプ)、もう1つは23価ワクチンです。接種時期や回数は年齢や健康状態によって異なりますので、医師と相談して決めてください。
検診プログラム
肺炎球菌感染症のための特別なスクリーニング検査はありません。ただし、肺炎球菌感染症のリスクが高い方(脾臓摘出後など)は、定期的な健康診断や医師の診察を受けることが勧められます。
合併症
治療しない場合
- 肺炎が重症化して呼吸不全になる
- 髄膜炎(脳や脊髄を覆う膜の炎症)を起こす
- 敗血症(血液中に細菌が入り全身に感染が広がる)
- 聴力の低下や脳の後遺症が残ることもある
長期的な見通し
肺炎球菌感染症は適切な治療を行えば、多くの方は回復します。ただし、高齢者や免疫力の弱い方は重症化しやすいため、予防が何よりも重要です。ワクチン接種でリスクを大きく減らせるので、医師と相談して予防策をとりましょう。感染症にかかっても、早期発見・早期治療で良い結果が期待できます。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月20日
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