リウマチ熱
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
リウマチ熱は、のどの炎症(溶連菌感染症)が十分に治療されなかったとき、その数週間後に体の免疫反応が誤って自分の組織を攻撃してしまうことで起こる病気です。主に心臓、関節、皮膚、脳に炎症を引き起こします。
重要な事実
- リウマチ熱は感染症そのものではなく、感染後に起こる免疫の反応です。
- のどの痛みを早く治療すれば、リウマチ熱を予防できます。
- 心臓の弁に長く残る傷を残すことがあるため、経過観察が大切です。
日本ではまれな病気ですが、現在でも子どもや若い人を中心に報告があります。
最も多いのは5〜15歳の子どもですが、大人でもかかることがあります。
症状
- 突然の強い胸の痛み
- 呼吸が苦しくなった
- 意識がもうろうとする
- 脈が速くなり、めまいや失神がある
- ⚠高熱が続く
- ⚠関節の腫れや激しい痛みがある
- ⚠皮膚の発疹が出た
- ⚠異常な動きやふるえが見られる
一般的な症状
- 関節の痛みや腫れ(特にひざやひじなどの大きな関節)
- 胸の痛み
- 皮膚の輪のような赤い発疹
- 皮膚の下の小さなしこり
- 手足のふるえや不随意運動(舞踏病)
子供の症状
- 発熱や関節の痛みに加えて、おなかの痛みや鼻血が見られることがあります。
- 関節の痛みが移動することがあります(ある関節がよくなると別の関節が痛む)。
高齢者の症状
- 大人の場合、関節の症状が強く出ることがあります。
- 心臓に炎症(心炎)が起こることも多く、胸痛や動悸に注意が必要です。
原因
主な原因
- のどの細菌感染(A群溶血性レンサ球菌)が原因です。
- この細菌によるのどの感染症が完全に治療されずにいると、体の免疫反応が心臓や関節などを攻撃することがあります。
リスク要因
- 年齢が5〜15歳であること
- 集団生活をしている(学校や寮など)
- のどの感染症にかかったが抗生物質などで十分に治療しなかった
- 過去にリウマチ熱にかかったことがある(再発しやすい)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- のどの痛みとともに高熱や関節の痛みがある
- 胸の痛みや息切れがある
- 皮膚に赤い発疹が出た
定期受診を予約すべき場合:
- のどが痛んだ後、関節や心臓の症状が気になる場合は、早めに受診しましょう。
- 過去にリウマチ熱を経験した人は、再発予防のための定期受診が必要です。
診断
医師は症状、最近ののどの感染の有無、診察の結果から診断を検討します。血液検査や心臓の検査を行って確定します。
行われる可能性のある検査
- 喉の細菌を調べる培養検査
- 血液検査(炎症反応や抗体の検査)
- 心臓の超音波検査(心エコー)
診察で予想されること
診察では、最近のどが痛んだか、関節や胸の症状について詳しく聞かれます。数日かけて検査を行うこともあります。心臓の検査は痛みを伴いません。
治療
治療の目的は、残っている細菌を退治し、炎症を抑え、心臓を守り、再発を予防することです。入院が必要になることもあります。
自宅でのセルフケア
- 安静にする(特に心臓に炎症がある場合)
- 十分な水分をとる
- 医師が処方した薬は指示どおりに飲む
- 定期的に受診して経過を観察する
医療治療
治療では、まずのどの細菌を完全に除くための抗生物質が処方されます。また、炎症を抑えるための抗炎症薬や、症状に応じた心臓の治療薬が使われます。どの薬を使うかは医師が症状や検査結果に基づいて決めます。治療は数週間から数か月続くことがあります。
手術が検討される場合
ごくまれに、心臓の弁に重度の障害が残り、修復手術や弁置換術が必要な場合があります。
この病気と共に生きる
リウマチ熱を経験した人は、再発を防ぐために長期間にわたって予防的な抗生物質を服用する必要があることがあります。医師の指示に従って、定期的なフォローアップを欠かさないことが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 手洗いやうがいをこまめに行う
- のどが痛いときは早めに受診する
- 規則正しい生活で体力を維持する
- 心臓に負担のかかる激しい運動は医師と相談する
食事と運動
心臓に炎症があった場合は、塩分のとりすぎに注意し、心臓にやさしい食事を心がけましょう。運動は医師の許可があるまでは控えめにし、徐々に活動量を増やしてください。
精神的健康と心の健康
長い治療や再発の心配はストレスになることがあります。気持ちがつらいときは、ひとりで抱え込まずに家族や医師に相談してください。
予防
はい、予防できます。のどの感染症にかかったら早めに医療機関を受診し、処方された抗生物質を最後まで飲み切ることが何より重要です。手洗いを徹底し、感染を広げないことも予防につながります。
ワクチン
現在、リウマチ熱を直接予防するワクチンはありません。ただし、インフルエンザなどの予防接種を日頃から受けておくことは、感染症全体にかかるリスクを下げ、のどや全身への影響を抑える助けになります。
検診プログラム
特別な検診はありませんが、のど痛の後に気になる症状があれば早めに受診してください。リウマチ熱の既往がある人は定期受診で心臓をチェックします。
合併症
治療しない場合
- 心臓の弁が傷つく(慢性リウマチ性心臓病)
- 心不全(心臓のポンプ機能が弱ること)
- 感染性心内膜炎(心臓の中の内膜に細菌が感染する重い病気)
- 脳の症状(舞踏病)が続くことがある
長期的な見通し
適切な治療を受ければ、多くの人は症状が改善します。心臓に炎症があった場合も、長期的な経過観察と再発予防をしっかり行えば、普通に近い生活を送ることができます。担当医と一緒に無理のない計画を立てていきましょう。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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