風疹(ふうしん)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
風疹は、風疹ウイルスがのどや鼻から体に入って起こる、うつりやすい感染症です。全身に赤い発疹(ぶつぶつ)が出て、熱が少し出ます。「三日はしか」とも呼ばれ、発疹は3日ほどで消えていくことが多いです。
重要な事実
- 風疹はせきやくしゃみでうつる、感染力の強いウイルス感染症です。
- ほとんどの人は数週間で自然に回復しますが、妊婦がかかると、赤ちゃんに障害が残る危険があります。
- 日本では定期の予防接種があり、風疹ワクチンで防げる病気です。
日本では予防接種が広がったため、かかる人は少なくなりましたが、免疫のない人を中心に感染が広がることがあります。
子どもから大人まで誰でもかかりますが、特に一度も予防接種を受けていない人、子どもの頃に風疹にかかっていない人に多いです。妊婦が初めてかかると赤ちゃんに影響する可能性が高いため、注意が必要です。
症状
- 息苦しさや呼吸が苦しい。
- けいれんが止まらない。
- 強い頭痛、意識がもうろうとする、首が硬くて動かしにくい。
- 体の中から血がにじむような紫色の点や広いあざが出てきた。
- ⚠妊娠中に発疹や熱が出た、または風疹の人と接触した。
- ⚠発疹が全身に広がり、痛みをともなう。
- ⚠4日以上熱が続く。
- ⚠関節の痛みが強く、動かすのがつらい。
一般的な症状
- 最初にうしろの首や耳の後ろのリンパ節がはれることがあります。
- 顔から始まる淡い赤色の発疹が全身に広がります。
- 軽い熱(37~38度くらい)が出ます。
- 大人では関節の痛みやはれを感じることがあります。
子供の症状
- 子どもでは症状がとても軽いことが多く、発疹と微熱だけで元気なこともあります。
- まれに発疹がはっきりしないまま治ることもあります。
高齢者の症状
- 関節の痛みやはれが強く出ることがあります。
- 頭痛、はなみず、せきなどの症状が出ることもあります。
原因
主な原因
- 風疹ウイルスに感染することで発病します。感染した人のせきやくしゃみのしぶき(飛沫)を吸い込むことでうつります。
- 免疫のない人が集団の中で接触すると簡単に広がります。発疹が出る前からうつすことがあります。
リスク要因
- 風疹の予防接種を一度も受けたことがない、または風疹にかかった記憶がない。
- 風疹が流行している地域に旅行する。
- 学校、保育園、職場など人が多く集まる場所にいる。
- 妊娠を計画しているが風疹への免疫が確認できていない。
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 妊娠中に発疹や熱が出た、または風疹の人と接した(できるだけ早く病院に電話して指示を受けてください)。
- 発疹がひどく広がり、痛みや強いかゆみがある。
- 4日以上熱が続く。
- 風疹の人と濃厚接触したが、予防接種を受けたかどうかわからない。
定期受診を予約すべき場合:
- 風疹かもしれない発疹や熱があるが、妊娠しておらず症状が軽い場合も、念のため医療機関に相談しましょう。
- 予防接種の履歴がわからないので、抗体検査(免疫があるかどうかを調べる血液検査)を希望する。
診断
医師が発疹や熱の様子、予防接種の記録、周りでの風疹の流行などを確認して診断します。見た目だけでは他の発疹の病気と似ているため、正確には血液検査が使われます。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(風疹に対する抗体の有無やウイルスを調べます)
- のどの粘液を採取してウイルスを調べる検査(研究目的で実施されることがあります)
診察で予想されること
発疹がある間は、ほかの人にうつさないように個室の診察になります。診察後は、出勤や登校を再開できる時期について医師から指示があります。
治療
風疹に特効薬はありません。せきや熱、関節の痛みなどの症状をやわらげながら、体がつくる免疫で自然に治るのを待ちます。
自宅でのセルフケア
- 安静にして、十分に休む。
- 水分をこまめにとる(飲み物は水、お茶、スープなど)。
- 熱でつらいときは医師に相談し、解熱剤を使うこともあります。
- ほかの人にうつさないよう、保育園・学校・職場は医師が許可するまで休む。
- 妊婦や免疫の弱い人とは距離をとる。
医療治療
抗ウイルス薬は一般的には使いません。関節の痛みや炎症が強い場合は、医師が抗炎症薬を処方することがあります。症状に合わせた治療を行うのは医療機関です。痛みや熱に対して自分で市販薬を選ぶときは、必ず薬剤師に相談してください。
この病気と共に生きる
家では、せきやくしゃみの飛沫で感染するため、マスクをし、こまめに手を洗いましょう。部屋の換気も大切です。通常は発疹が出てから1週間程度(医師の判断によります)で感染力がなくなり、日常生活に戻れます。
生活習慣のアドバイス
- 感染を広げないために、熱が下がり、発疹が消えるまでは外出を控えましょう。
- タオルや食器は家族と分けて使うと安心です。
- 不要不急の通院を避けたい場合は、電話で相談してから受診しましょう。
食事と運動
食欲があれば普通の食事でかまいません。水分を多めにとって、消化のよいものを食べましょう。熱が下がって元気になったら、無理のない範囲で体を動かしても大丈夫です。
精神的健康と心の健康
家で長く過ごすことや、人にうつしてしまう心配から気分が落ち込むこともあります。特に妊婦さんは不安が大きくなるので、ひとりで抱え込まずに、かかりつけ医や保健所の専門家に相談してください。
予防
はい、はしか(麻疹)との混合ワクチンを含む風疹ワクチンの接種で、ほぼ予防できます。日本の定期予防接種では、1歳と小学校入学前の1年間に2回接種します。
ワクチン
成人で抗体が不十分な場合も、医療機関でワクチンを接種できます。特に妊娠を考えている女性とその家族は、妊娠前に抗体検査と予防接種を検討することが大切です。厚生労働省も、妊娠を希望する女性への風疹予防を推奨しています。
検診プログラム
妊婦健診の際に風疹の抗体検査が行われます。妊娠前に「風疹ウイルス抗体検査」を希望する場合は、自治体や医療機関で受けることができます。
合併症
治療しない場合
- 妊婦が妊娠20週頃までに感染すると、赤ちゃんに先天性風疹症候群(心臓病、難聴、白内障など)が起こる危険が高まります。
- ごくまれに、脳炎や血小板減少症などの重い合併症を起こすことがあります。
- 大人、特に若い女性で関節炎が長引くことがあります。
長期的な見通し
風疹自体は1~2週間で回復する病気です。予防接種を受けることで、かかること自体と、妊婦への感染を防ぐことができます。万一かかっても、医師の指示に従い安静にすれば、ほとんどの人は後遺症なく良くなります。
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最終更新: 2026年7月31日
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