Scarlet fever
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
猩紅熱は、のどの痛みや発熱、体に広がる赤い発疹(ほっしん)が特徴の感染症です。原因は「A群溶血性レンサ球菌」という細菌で、主に子どもに多い病気です。治療には抗菌薬(こうきんやく)が使われ、早めに治療すればしっかり治ります。
重要な事実
- 猩紅熱は細菌感染症で、特に4歳から8歳の子どもに多く見られます。
- のどの痛み、発熱(38℃以上)、そして「イチゴ舌」と呼ばれる赤く腫れた舌が典型的な症状です。
- 抗菌薬による治療が効果的で、治療を始めてから24時間ほどで感染力が低下します。
- 適切に治療しないと、リウマチ熱や腎臓の病気などの合併症を起こすことがあります。
日本では、毎年数千人から数万人の患者が報告されています。特に幼稚園や小学校で集団発生することがあります。厚生労働省の感染症サーベイランスで監視されています。
主に子ども、特に4歳から8歳の年齢で多く見られます。大人がかかることもありますが、まれです。
症状
- 呼吸が苦しい
- 意識がもうろうとしている
- 痙攣(けいれん)が止まらない
- 急にぐったりして呼びかけに反応しない
- ⚠39℃以上の高熱が続く
- ⚠のどが非常に痛くて水分が取れない
- ⚠発疹が広がり、痛みやかゆみが強い
- ⚠吐き気や嘔吐で水分が摂れない
一般的な症状
- 突然の高い熱(38~40℃)
- のどの強い痛み(飲み込むときに痛む)
- 赤く細かい発疹(ほっしん)が首、わきの下、股の間に現れ、やがて全身に広がる
- 舌が赤く腫れて「イチゴ舌」になる(最初は白いコーティングがとれて赤くなる)
- 首のリンパ節(りんぱせつ)が腫れる
- 頭痛、吐き気、全身のだるさ
子供の症状
- 上記の症状に加えて、腹痛や嘔吐(おうと)を伴うことがある
- 発疹が特に強く出ることがある
- ぐずったり、食欲が落ちたりする
- まれにけいれんを起こすこともある(高熱による)
高齢者の症状
- 成人では、のどの痛みが強くても発疹が薄いことがある
- 筋肉痛や関節痛を伴うことがある
- 症状が長引くことがある
- 合併症のリスクがやや高いため注意が必要
原因
主な原因
- A群溶血性レンサ球菌(GAS)という細菌の感染が直接の原因です。
- 感染者のせきやくしゃみのしぶき(飛沫感染)でうつります。
- 感染者の触ったもの(コップやタオルなど)を介してうつることもあります。
リスク要因
- 子ども(特に4~8歳)
- 幼稚園や学校など、多くの人が集まる場所に通っている
- 免疫力が低下している(特に病気や治療中)
- 猩紅熱にかかったことのない人(一度かかると免疫ができることが多い)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 高熱(38.5℃以上)とのどの痛みが強い
- 赤い発疹が広がってきた
- イチゴ舌が見られる
- 首のリンパ節が腫れて痛い
定期受診を予約すべき場合:
- 熱や症状が3日以上続く場合
- 症状は軽いものの、子どもの周りで猩紅熱が出ている場合
- 治療後に再び熱や痛みが出た場合
診断
医師が症状(の発熱、発疹、イチゴ舌など)を確認し、のどの粘膜を綿棒でぬぐう検査(迅速検査)を行います。
行われる可能性のある検査
- 迅速抗原検査(のどのぬぐい液で15分くらいで結果が出ます)
- 培養検査(結果がわかるまで1~2日かかります。確定診断に使われます)
- 血液検査(重症度や合併症のチェックに使われることがあります)
診察で予想されること
のどの奥を綿棒で軽くこするだけなので、痛みはほとんどありません。子どもでも簡単に受けられます。検査結果が陽性なら、すぐに治療が始まります。
治療
猩紅熱の治療は抗菌薬が中心です。早めに治療を始めると、症状が軽くなり、合併症も予防できます。ほとんどの場合、自宅で治療が可能です。
自宅でのセルフケア
- 安静にして十分に休む
- 水分をこまめにとる(ぬるま湯、スポーツドリンク、スープなど)
- のどの痛みには、刺激の少ない食事(おかゆ、ゼリー、プリンなど)をとる
- 部屋の湿度を保ち、乾燥を防ぐ
- 発熱や痛みがある場合は、市販の解熱鎮痛薬を一時的に使ってもよいが、必ず医師や薬剤師に相談する
医療治療
医師から処方される抗菌薬(こうきんやく)を指示通りに飲み切ることが最も重要です。通常7~10日間飲み続けます。症状がよくなっても自己判断でやめずに、最後まで飲みきってください。それにより合併症を防げます。発熱や痛みに対しては、解熱鎮痛薬が使われることもあります。
手術が検討される場合
該当なし
この病気と共に生きる
抗菌薬を飲み始めてから24時間経ち、熱が下がれば感染力はほぼなくなりますが、医師の指示があるまでは登園・登校を控えてください。厚生労働省のガイドラインでは、抗菌薬治療開始後24時間経過し、全身状態がよくなるまでは出席停止の目安です。自宅では、タオルやコップを別にし、こまめに手洗いをしましょう。
生活習慣のアドバイス
- 手洗いを徹底する(家族みんなで)
- のどの痛みが続く間は刺激の少ない食事をとる
- 水分補給を忘れずに
- 十分な睡眠と休息をとる
食事と運動
のどの痛みが強い間は、柔らかくて刺激の少ない食べ物(おかゆ、スープ、ヨーグルトなど)を選びましょう。水分は十分にとりましょう。運動は、熱が下がり体力が戻るまで控えてください。完全に回復してから徐々に日常の活動に戻してください。
精神的健康と心の健康
子どもが病気になると、かゆみや痛みで機嫌が悪くなることがあります。また、長期間の安静で退屈したり、学校に行けずに寂しい思いをすることもあります。保護者は安心させてあげて、絵本を読んだり、簡単な遊びを一緒にしたりすると良いでしょう。大人の場合も、仕事を休むことへの不安があるかもしれませんが、無理せず治すことが大切です。
予防
完全に予防することは難しいですが、感染リスクを減らすことはできます。手洗いの徹底、マスクの着用、タオルや食器の共有を避けることが効果的です。猩紅熱にかかった人は、抗菌薬治療開始後24時間経過するまでは人との接触を避けてください。
ワクチン
現在、猩紅熱に対するワクチンは日本では実用化されていません。
検診プログラム
特定のスクリーニング検査はありません。症状が出たら早めに医療機関を受診することが早期発見につながります。
合併症
治療しない場合
- リウマチ熱(関節や心臓に炎症を起こすことがある)
- 急性糸球体腎炎(腎臓の炎症で血尿やむくみが出る)
- 中耳炎や副鼻腔炎(ちゅうじえん、ふくびくうえん)
- 肺炎(はいえん)や髄膜炎(ずいまくえん)などの重症感染症(まれ)
長期的な見通し
適切な抗菌薬治療を受ければ、ほとんどの人は数日で症状が改善します。治療をきちんと行えば、合併症はほとんど防げます。猩紅熱はしっかり治療すれば治る病気ですので、安心して医師の指示に従ってください。
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- 厚生労働省 感染症情報 · 日本
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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最終更新: 2026年7月9日
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