Seborrhoeic dermatitis
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)は、頭皮や顔など皮脂の多い場所に起こる、慢性的な炎症を伴う皮膚の病気です。かゆみやフケ、赤みが出ることがありますが、人にうつることはありません。
重要な事実
- とてもよく見られる皮膚の病気です
- 長く続くことがありますが、適切なお手入れで症状をコントロールできます
- 人にうつることはありません
はい、とてもよくある病気で、日本人の約3~5%に見られると言われています。
赤ちゃんからお年寄りまで、どの年齢でも起こる可能性があります。特に生後3か月までの赤ちゃん(乳児脂漏性皮膚炎)と、30~60歳の成人に多く見られます。男性にやや多いという報告もあります。
症状
- 皮膚の赤みが急に広がり、熱や痛みを伴う(感染の疑い)→ すぐに119番に電話してください
- 膿(うみ)が出たり、皮膚から異臭がする
- 全身の症状(発熱、寒気、だるさなど)を伴う
- ⚠かゆみがひどくて眠れない、日常生活に支障が出る
- ⚠自分でできるケアを2週間続けても改善しない
- ⚠症状が急に悪化した、または広がった
一般的な症状
- 頭皮や顔(特に眉毛の周り、鼻の脇、耳の後ろ)の赤みやフケ
- 黄色っぽくて脂っぽい鱗(うろこ状の皮)
- かゆみ(軽いものから強いものまで)
- 胸や背中などにもできることがある
子供の症状
- 赤ちゃんの頭に厚い黄色いかさぶたのようなものができる(これを「乳児のこけら(クレードルキャップ)」と呼びます)
- おむつかぶれのように、お尻やわきの下に赤みやかゆみが出ることがある
- 通常はかゆみが少なく、数か月で自然によくなることが多い
高齢者の症状
- 症状が広範囲に出やすく、かゆみが強くなることがある
- 頭皮だけでなく、顔や体幹にも脂っぽい鱗がたくさん見られる
- 皮膚の赤みが強く、炎症が長引くことがある
原因
主な原因
- 皮膚に常在するマラセチアという酵母(一種のカビ)が異常に増えること
- 体の免疫反応が過剰に働くこと
- 皮脂の分泌が多いこと
リスク要因
- ストレスや疲れ
- 寒くて乾燥した環境や、逆に暑くて汗をかきやすい環境
- 脂っぽい食べ物やアルコールの摂りすぎ
- 特定の病気(パーキンソン病、HIV感染症など)や、免疫を抑える薬の使用
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状(広がる赤み、発熱、膿など)がある場合
- かゆみが非常に強く、夜も眠れない場合
定期受診を予約すべき場合:
- 自分で市販のシャンプーやクリームを試しても2~3週間よくなならない
- 症状が繰り返して困っている
- 乳児の頭のかさぶたが厚くなったり、かゆがる様子がある
診断
医師が皮膚の状態を見て診断します。多くの場合、問診と視診だけで診断できます。
行われる可能性のある検査
- 必要に応じて、皮膚を軽くこすって顕微鏡で調べる(真菌検査)
- 他の皮膚病(アトピー性皮膚炎など)との区別のために血液検査を行うこともあります
診察で予想されること
診察では症状の場所や経過、これまで試したケアなどを聞かれます。検査がある場合でも痛みはほとんどありません。結果はその場でわかることが多いです。
治療
治療の目的は症状を抑え、再発を防ぐことです。症状の重さや場所によって、自分でできるケアと医療機関での治療を組み合わせます。
自宅でのセルフケア
- 頭皮の場合は、低刺激のシャンプーで毎日やさしく洗う(刺激の強いものは避ける)
- 顔や体は、ぬるま湯で洗い、保湿剤でしっかり保湿する
- 爪を短く切り、かきむしらないようにする
- ストレスをためない、バランスのよい食事を心がける
医療治療
医療機関では、抗真菌成分を含む外用薬や、炎症を抑えるステロイド外用薬が処方されることがあります。頭皮用のローションやシャンプータイプのものもあります。症状が広範囲な場合や強い場合には、飲み薬が使われることもあります。治療は医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
手術は通常必要ありません。
この病気と共に生きる
脂漏性皮膚炎は完治が難しく、良くなったり悪くなったりを繰り返すことがあります。毎日のスキンケアを習慣にして、症状が出にくい状態を保つことが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 肌を清潔に保ち、適度に保湿する
- 刺激の強い化粧品や整髪料を避ける
- 帽子やマフラーなどで頭皮や顔を過度にこすらない
- 規則正しい生活と十分な睡眠をとる
食事と運動
特定の食品を完全に避ける必要はありませんが、脂っこい食事や甘いもの、アルコールの摂りすぎは症状を悪化させることがあります。バランスのよい食事と適度な運動がおすすめです。
精神的健康と心の健康
見た目の症状やかゆみで悩むことがあるかもしれません。気分が落ち込んだり、人目が気になるようであれば、一人で抱え込まずに医師やカウンセラーに相談してください。
予防
完全に予防することは難しいですが、適切なスキンケアや生活習慣で症状の発生を抑えたり、悪化を防ぐことはできます。
合併症
治療しない場合
- 皮膚のバリアが弱くなり、細菌やカビの二次感染を起こすことがある
- かゆみの強い場合、かき壊して湿疹や色素沈着が残ることがある
- 症状が広がって、治療が難しくなることがある
長期的な見通し
脂漏性皮膚炎は適切な治療と毎日のケアで、ほとんどの場合症状をうまくコントロールできます。赤ちゃんの場合は自然に治ることが多く、大人でも再発を繰り返しながらも、日常生活に大きな支障なく過ごせる方がほとんどです。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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最終更新: 2026年7月9日
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