Supraventricular tachycardia
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
上室性頻拍(じょうしつせいひんぱく)は、心臓の上の部屋(心房)から心拍数が突然速くなる不整脈の一種です。通常の心拍数は1分間に60〜100回ですが、発作時には150〜250回以上になることがあります。命にかかわることは少ないですが、動悸やめまいなどの不快な症状を引き起こします。
重要な事実
- 心臓の電気信号の異常で起こる。
- 多くの場合、突然始まり突然止まる。
- 根本的な心臓病がなくても発症することがある。
比較的一般的な不整脈で、若い人にも見られます。正確な頻度は不明ですが、人口の約2%が経験するとも言われています。
すべての年齢層で起こり得ますが、特に若い女性や、ストレス・カフェイン・アルコールを多く摂る人に多い傾向があります。生まれつきの心臓の電気回路の異常(副伝導路)がある方にも見られます。
症状
- 意識を失った
- 激しい胸痛がある
- 呼吸が苦しくて話せない
- ⚠動悸が30分以上続く
- ⚠めまいがひどくて立てない
- ⚠普段と違う強い不快感
一般的な症状
- 動悸(心臓がドキドキする)
- めまいやふらつき
- 胸の不快感
- 疲れやすさ
子供の症状
- 動悸を訴えることが少なく、不機嫌や食欲低下で現れることがある
- 顔色が青くなる
- 元気がない
高齢者の症状
- 動悸に加えて、ふらつきや転倒しやすくなる
- 意識がもうろうとする
- 胸痛を伴うことがある
原因
主な原因
- 心臓内の電気信号の異常な経路(副伝導路)
- 心臓の興奮やストレス
- カフェインやアルコール、喫煙などの刺激物
- 甲状腺機能亢進症などのホルモン異常
リスク要因
- 若年(特に女性)
- ストレスの多い生活
- 過度のカフェイン摂取
- 睡眠不足
- 発熱や脱水
- 一部の薬剤(風邪薬など)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 動悸とともに胸痛や息切れがある
- 意識が遠のく感じがする
- 発作が長く続く(30分以上)
定期受診を予約すべき場合:
- ときどき動悸が起こるが自然に治まる
- 健康診断で不整脈を指摘された
- 動悸の頻度や強さが気になる
診断
診断には、症状の詳しい問診と心電図検査が基本です。発作中でないと心電図に異常が出にくいため、24時間心電図(ホルター心電図)や発作時に自分で心電図を記録できる機器を使うこともあります。
行われる可能性のある検査
- 心電図(安静時)
- 24時間ホルター心電図
- 心臓エコー検査
- 負荷心電図(運動中に記録)
- 電気生理学的検査(詳しい回路を調べる)
診察で予想されること
診断のために心臓病専門医(循環器内科)を受診します。検査は痛みのないものがほとんどです。必要に応じて、発作を誘発する検査(電気生理学的検査)を行うこともありますが、入院して行われます。
治療
治療は発作を止める方法と、再発を防ぐ方法の2つに分けられます。症状が軽く発作がまれな場合は、経過観察のみの場合もあります。
自宅でのセルフケア
- 発作が起きたら落ち着いて座る
- バルサルバ法(いきんで息を止める)を医師の指導のもと行う
- 顔を冷水で洗うなどの迷走神経刺激法(医師から教わった方法のみ)
医療治療
薬物療法としては、発作を止めるための頓服薬(その場で使う薬)や、発作の再発を防ぐための内服薬があります。これらの薬は心臓の電気信号を安定させる働きがあります。また、カテーテルアブレーションという治療法もあります。これは、異常な電気回路を高周波で焼灼(焼き切る)する治療で、根治を目指せます。
手術が検討される場合
カテーテルアブレーションは手術とは呼ばれませんが、低侵襲な治療です。開胸手術は通常必要ありません。ただし、他の心臓病がある場合は別の手術が必要になることもあります。
この病気と共に生きる
上室性頻拍があっても、ほとんどの人は日常生活に大きな制限はありません。ただし、発作が起きたときの対処法を知っておくと安心です。ストレスをためない生活を心がけましょう。
生活習慣のアドバイス
- カフェインやアルコールを控える
- 十分な睡眠をとる
- 禁煙する
- 激しい運動は医師に相談してから
食事と運動
バランスの良い食事を心がけ、特にカフェインやアルコールは控えめに。適度な運動は問題ありませんが、初めての激しい運動は医師に相談してください。水泳や登山など、発作が起きたときに危険な場所での運動は注意が必要です。
精神的健康と心の健康
動悸の発作は予期せず起こるため、不安や恐怖を感じることがあります。これは正常な反応です。ストレス管理やリラクゼーション法を取り入れると良いでしょう。
予防
完全に予防することは難しいですが、誘因を避けることで発作の頻度を減らせる場合があります。原因となる刺激物(カフェイン、アルコール、ストレスなど)をコントロールすることが重要です。
合併症
治療しない場合
- 心臓のポンプ機能が低下する(頻脈誘発性心筋症)
- まれに、心室細動などのより危険な不整脈に移行する
- 日常生活の質の低下(頻繁な動悸による不安や活動制限)
長期的な見通し
上室性頻拍は治療可能な不整脈です。多くの場合、薬でコントロールできるか、カテーテルアブレーションで根治が期待できます。適切な治療を受ければ、予後は良好であり、通常の生活を送ることができます。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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最終更新: 2026年7月9日
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