停留精巣(ていりゅうせいそう)とは?
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
停留精巣とは、生まれた男の子の精巣(睾丸)が、陰のう(おちんちんの下の袋)の中にきちんと下りてきていない状態のことです。本来、精巣はおなかの中にある場所から、生まれる前に陰のうまで移動しますが、その移動が途中で止まってしまうことがあります。片方だけの場合も、両方の場合もあります。
重要な事実
- 精巣が陰のうの中に触れない、または片方だけ触れる状態が続きます。
- 多くの場合、生後6か月頃までに自然に下りてくることがあります。
- 自然に下りてこない場合は、1歳前後を目安に手術が検討されます。
- 早期に治療することで、将来の不妊や精巣がんのリスクを減らせます。
それほど珍しい状態ではありません。特に早産で生まれた赤ちゃんでは、10人に1人から3人に1人程度と多く見られます。正期産の赤ちゃんでは、100人に1人から2人程度です。
主に生まれたばかりの男の子に見られる状態です。早産の赤ちゃんに多く、また家族に同じ状態の人がいる場合はやや起こりやすいと言われています。
症状
- 陰のうや足の付け根に急な激しい痛みがある
- 陰のうが急に腫れて赤くなる
- 吐き気やおう吐をともなう強い痛みがある
- このような症状は精巣のねじれ(精索捻転)の可能性があります。すぐに119番に電話して救急車を呼んでください。
- ⚠陰のうに痛みや腫れ、赤みがある
- ⚠陰のうの中に急にしこりやかたまりを感じる
- ⚠今まで触れていた精巣が突然触れなくなった
一般的な症状
- 陰のうの中に精巣が片方または両方触れない
- 陰のうが片側だけふくらみが少ない、または平らに見える
- 足の付け根(そけい部)に小さなかたまりが触れることがある
子供の症状
- 赤ちゃんの場合は、おむつ交換のときに陰のうの中を確認すると、精巣が触れないことに気づくことが多いです。
- 成長してからも、片側の陰のうが空っぽのままで見た目に違和感があることがあります。
高齢者の症状
- 大人になるまで治療されなかった場合も、陰のうの中に精巣が触れない状態が続きます。
- 場合によっては、足の付け根に痛みを感じることがあります。
原因
主な原因
- 精巣を陰のうまで引っ張る「精索」と呼ばれる組織がうまく発達していないこと
- ホルモンの働きに影響があること
- おなかの中での精巣の移動が途中で止まってしまうこと
リスク要因
- 早産で生まれること
- 低出生体重児であること
- 家族(父親や兄弟)に停留精巣の人がいること
- ダウン症など一部の先天的な病気を持っていること
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 陰のうに急な痛み、腫れ、赤みがある場合
- 精巣が急に触れなくなった場合
- 吐き気やおう吐をともなう場合
定期受診を予約すべき場合:
- 生まれたときに精巣が触れなかった場合、かかりつけの小児科や泌尿器科(ひにょうきか)で相談してください。
- 生後6か月を過ぎても精巣が自然に下りてこない場合は、必ず専門医の診察を受けてください。
- 気になる場合や家庭での確認に自信がない場合も、まずは医師に相談しましょう。
診断
医師が陰のうや足の付け根を直接触って確認します。視診と触診(しょくしん)という方法で、精巣の位置や大きさを調べます。
行われる可能性のある検査
- 身体診察(触診)
- 超音波(ちょうおんぱ)検査 … おなかの中や足の付け根にある精巣を画像で確認します
- 場合によっては、CTやMRIなどの画像検査を行います
診察で予想されること
診察は痛みをともなうものではなく、赤ちゃんや子どもでも行うことができます。医師が精巣の位置を確認し、自然に下りてくる見込みがあるかどうかを判断します。必要に応じて専門医を紹介されます。
治療
停留精巣の治療は、精巣を本来の位置である陰のうの中に移動させて固定することを目的とします。自然に下りてくるのを待つ場合もありますが、生後6か月を過ぎても下りてこない場合は、治療を検討します。治療は大きく分けて手術と、場合によるホルモン療法があります。
自宅でのセルフケア
- 家庭では、おむつ替えのときに陰のうの中に精巣が触れるかどうかを優しく確認しましょう。
- 無理に押し上げたり、引っ張ったりしないでください。
- 気になることがあれば、母子手帳や健診の記録にメモして、次の診察で医師に伝えましょう。
医療治療
標準的な治療は「精巣固定術」という手術です。全身麻酔で行い、精巣を陰のうの中に下ろして、そこに糸で固定します。手術は通常、生後6か月から1歳半のあいだに行うのが推奨されています。ごくまれにホルモン療法が行われることもありますが、効果や安全性については医師とよく相談することが大切です。
手術が検討される場合
自然に下りてこない場合や、生後6か月を過ぎても精巣の位置に問題がある場合は、手術が必要になります。放置すると、将来の不妊や精巣がんのリスク、ヘルニアや精巣のねじれなどの合併症が起きやすくなるためです。
この病気と共に生きる
手術後は、ほとんどの子どもが普通に生活できます。傷は足の付け根と陰のうにできますが、1週間ほどで抜糸や防水シールの処置が行われます。運動や入浴については、医師の指示に従ってください。
生活習慣のアドバイス
- 術後しばらくは、激しい運動や水泳は医師に相談してからにしましょう。
- 手術後も定期的に検査を受け、精巣が正しい位置に残っているかを確認しましょう。
- 年齢が上がるにつれて、自分で陰のうの中を確認する癖をつけると安心です。
食事と運動
特に制限はありません。バランスのよい食事や、無理のない運動で健康を保ちましょう。手術後は、痛みがあれば無理をせず、遊びや運動は先生の許可が出てから再開してください。
精神的健康と心の健康
見た目の違いや手術の経験について、本人が恥ずかしい思いをしたり、不安を感じたりすることがあるかもしれません。子どもに説明するときは、「治療すれば元気に育つよ」と明るく伝えることが大切です。親も安心して話せるように、医師や看護師に質問をしましょう。
予防
停留精巣は生まれつきの状態で、予防することはできません。ただし、早期に発見して適切な治療を受けることで、合併症のリスクを大きく減らすことができます。
ワクチン
停留精巣と直接関係するワクチンはありませんが、通常の予防接種(予防接種スケジュール)はしっかり受けるようにしましょう。かかりつけ医に相談のうえ、お子さんの年齢に合わせて接種してください。
検診プログラム
乳幼児健診で陰のうの状態が確認されます。特に生後1か月と6か月の健診では、医師が精巣の位置をチェックします。自宅でもおむつ替えのときに確認すると、早期発見につながります。
合併症
治療しない場合
- 不妊のリスクが高まる(精巣が体温より高い場所にあると、精子をつくる機能が低下します)
- 精巣がんになるリスクが高まる
- そけいヘルニア(おなかの中の組織が足の付け根に飛び出す病気)を合併しやすくなる
- 精巣のねじれ(精索捻転)を起こしやすくなる
長期的な見通し
早期に治療すれば、多くの場合、将来の妊よう性(子どもを作る力)や健康への影響はほとんどありません。手術の成功率もとても高く、通常は一度の手術で改善します。安心して治療にのぞめるよう、医師とよく話し合いましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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