Wolff Parkinson White awareness
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
WPW症候群(ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群)は、心臓の中に通常とは別の電気の通り道(副伝導路)があり、それが原因で時々心臓が速く打つ発作が起こる病気です。心臓の電気信号が通常のルートとは違う近道を通るため、突然脈が速くなることがあります。多くの場合、治療で症状を抑えられます。
重要な事実
- 心臓に余分な電気の通り道(副伝導路)がある生まれつきの状態です。
- 発作がなければ健康な人と変わりません。
- 治療法があり、多くの人が通常の生活を送れます。
まれな病気で、人口の約0.1~0.3%に見られます。
どの年齢でも見られますが、特に若い人や赤ちゃんに診断されることが多いです。家族に同じ病気の人がいる場合もありますが、必ずしも遺伝するわけではありません。
症状
- 意識を失った
- 激しい胸の痛みがある
- 呼吸が苦しくて動けない
- 脈が非常に速く、止まらない(数分以上)
- ⚠動悸が頻繁に起こるようになった
- ⚠めまいで日常生活に支障がある
- ⚠過去に失神したことがある
一般的な症状
- 突然のドキドキする感じ(動悸)
- 胸の不快感や軽い痛み
- 息苦しさ
- めまいやふらつき
- 失神しそうになること
子供の症状
- 赤ちゃんの場合:機嫌が悪い、顔色が青白い、哺乳中に疲れやすい
- 幼児や学童:胸の痛みを訴える、運動中に急に疲れる、ドキドキすると言う
高齢者の症状
- 動悸の発作が長く続くことがある
- ふらつきや転倒のリスクが高まる
- もともと他の心臓病があれば症状が重くなりやすい
原因
主な原因
- 心臓の電気信号が通常のルート(洞結節から心房、房室結節、心室へ)を通らず、胎児のときにできるはずのない余分な電気の通り道(副伝導路)が残っているためです。
- 正確な原因はわかっていませんが、生まれつきの心臓の電気系統の特徴と考えられています。
リスク要因
- 家族にWPW症候群や似た症状の人がいる
- 他の心臓の病気(特にエプスタイン異常など三尖弁の異常)がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 初めて動悸の発作が起こり、治まらない
- 激しい症状(胸痛、失神)がある場合
定期受診を予約すべき場合:
- 動悸が時々あるが気になる
- 健康診断の心電図で異常を指摘された
- スポーツをする前に心臓のチェックをしたい
診断
主に心電図(心臓の電気活動を記録する検査)で診断されます。特徴的な波形(デルタ波)が見られることが手がかりです。
行われる可能性のある検査
- 12誘導心電図(安静時の心臓の電気信号を詳しく調べる)
- ホルター心電図(24時間心電図を記録し、発作を逃さない)
- 運動負荷心電図(運動中に症状が出るか調べる)
- 心臓電気生理学的検査(カテーテルを使って心臓の電気の通り道を詳しく調べる)
診察で予想されること
まずはかかりつけ医または循環器科を受診します。心電図検査を受け、必要に応じて専門の病院を紹介されることもあります。検査は痛みを伴わず、リラックスして受けてください。
治療
治療は発作の頻度や症状の重さ、副伝導路の位置によって決まります。症状がほとんどない場合は経過観察だけで済むこともあります。
自宅でのセルフケア
- 発作が起きたら落ち着いて、深呼吸をしてみる
- 冷たい水を飲んだり顔を冷水で洗う(迷走神経刺激法の一種)
- 医師から指示された発作を止める方法(例:いきむ、軽く咳をするなど)を行う
- 発作の記録をつけ、いつ・どんな時に起きたかを医師に伝える
医療治療
発作が頻繁にある場合や症状が重い場合は、薬で心臓の電気の通り道を調整する治療が検討されます(具体的な薬の名前や用量は医師が決定します)。また、心臓カテーテルアブレーションという方法で、余分な電気の通り道を高周波または冷凍凝固で焼いたり凍らせたりして根本的に治療することもあります。
手術が検討される場合
心臓カテーテルアブレーションは、薬が効かない場合や発作が生活に大きな影響を与える場合、あるいは重い不整脈のリスクが高い場合に検討されます。開胸手術になることはほとんどありません。
この病気と共に生きる
多くの人は通常の生活を送れます。ただし、動悸の発作が起きる可能性があることを理解し、無理のない範囲で活動しましょう。発作時の対処法を身につけておくと安心です。
生活習慣のアドバイス
- 発作のきっかけ(カフェインの取りすぎ、睡眠不足、ストレス)を避ける
- 激しい運動は医師に相談してから行う
- 定期的に循環器科でフォローアップを受ける
- 周囲の人に自分の状態を伝えておく
食事と運動
バランスの良い食事を心がけ、特にカフェインやアルコールの過剰摂取は避けましょう。運動は医師の許可があれば問題なく行えます。ただし、競技スポーツや高強度のトレーニングは事前に評価が必要です。ウォーキングやヨガなど無理のない運動はむしろ良い影響があります。
精神的健康と心の健康
突然の動悸は不安や恐怖を感じやすいものです。「また発作が起きたらどうしよう」という心配がストレスになることもあります。そうした気持ちは自然なことです。必要ならカウンセリングや心療内科のサポートも検討してください。緊急時は迷わず119番に電話しましょう。
予防
WPW症候群は生まれつきの状態であるため、根本的に予防することはできません。しかし、適切な管理と治療により、症状の発生や合併症を予防することができます。
検診プログラム
心臓の病気の家族歴がある場合や、学校や職場の健康診断で心電図検査を受ける機会があれば、早期発見につながります。特にスポーツを始める前の心臓検診は有効です。
合併症
治療しない場合
- 心房細動という不整脈が副伝導路を通って心室に伝わり、心室細動(命に関わる不整脈)に進行するリスク
- 頻繁な動悸による生活の質の低下
- まれに失神や心停止
長期的な見通し
WPW症候群の予後は非常に良好です。適切な診断と治療により、ほとんどの人は症状がコントロールでき、普通の生活を送ることができます。カテーテルアブレーションの成功率も高く、治癒が期待できる病気です。安心して医療機関と相談しながら、無理なく過ごしてください。
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- 日本心臓財団 · 日本
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月9日
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