塞栓術の概要
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
塞栓術(そくせんじゅつ)とは、血管の中に細い管(カテーテル)を入れて、治療したい部分の血流をわざと止めてしまう治療法です。たとえば、出血している血管をふさいだり、腫瘍(しゅよう)に栄養を送る血管をふさいで小さくするために使われます。体の負担が少ない低侵襲(ていしんしゅう)な方法です。
重要な事実
- 塞栓術はかんたんに言うと、血管の中から「ふた」をして血流を止める治療です。
- この治療は主に放射線科の医師(インターベンショナルラジオロジスト)が行います。
- 体に大きな傷をつけずに行えるため、入院期間が短く済むことが多いです。
日本では年間約10万件以上の塞栓術が行われていると言われ、がんや出血性疾患の治療として広く使われています。
塞栓術が必要になるのは、主に肝臓がんや子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)のある方、けがや病気で出血が止まらない方、脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)などの血管の異常がある方などです。
症状
- 突然の激しい頭痛や意識を失った
- 大量の吐血や下血(真っ黒な便)がある
- 事故やけがで出血が止まらず、血圧が下がってきた
- ⚠持続する痛みや違和感がある
- ⚠治療後の頻回の出血や腫れがひどい
- ⚠発熱や寒気が続く
一般的な症状
- 塞栓術そのものは治療法であって症状ではありません。この治療が行われる主な症状としては、出血(吐血や下血、皮下出血など)、腫瘍による痛みや圧迫感、血管の異常による頭痛やけいれんなどがあります。
子供の症状
- 子どもでは、血管の異常(血管腫や血管奇形)による皮膚の色や形の変化、成長の遅れ、けいれんなどがみられることがあります。
高齢者の症状
- 高齢者では、脳出血や胃潰瘍(いかいよう)などの出血、がんによる痛みや食欲不振などがきっかけで塞栓術が行われることがあります。
原因
主な原因
- 塞栓術が必要になる主な原因(病気)には、肝臓がんなどの悪性腫瘍、子宮筋腫などの良性腫瘍、動脈瘤や動静脈奇形などの血管の先天的な異常、外傷や手術後の出血などがあります。
リスク要因
- 塞栓術のリスク因子としては、がんの治療歴、血液を固まりにくくする薬の服用、出血しやすい体質、血管の病気の家族歴などがあります。
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 塞栓術後に、激しい痛みや出血、息苦しさがある場合
- 意識がもうろうとする、片側の手足が動かないなどの脳出血の兆候がある場合
定期受診を予約すべき場合:
- 塞栓術が適応となる病気(肝臓がん、子宮筋腫、出血性疾患など)が疑われる場合
- 治療後の定期的な画像検査(CTやMRI)の予約がある場合
診断
塞栓術が必要かどうかを診断するには、まず問診や身体診察を行い、画像検査(超音波、CT、MRI、血管造影など)で異常な血管や腫瘍の有無を詳しく調べます。
行われる可能性のある検査
- 超音波検査(エコー)
- CT(コンピューター断層撮影)
- MRI(磁気共鳴画像)
- 血管造影(血の流れを直接見る検査)
診察で予想されること
診断がついたら、医師から治療の必要性や方法について説明があります。塞栓術は通常、局所麻酔で行い、治療中は意識がありますが、痛みはほとんどありません。治療後は数時間から数日の入院が必要となることがあります。
治療
塞栓術は、太もものつけ根の血管などから細い管(カテーテル)を入れ、目的の場所まで進めて、特殊な物質(塞栓物質)を注入して血管をふさぐ治療です。がんの治療や出血の止血に用いられます。
自宅でのセルフケア
- 治療後は安静を保ち、医師の指示に従って水分を十分にとりましょう。
- 止血を確実にするため、穿刺(注射)した部位を圧迫し、動かさないようにします。
- 痛みや熱が出ることがありますが、無理せず担当医に相談してください。
医療治療
塞栓術のほかに、薬物療法(抗がん剤や止血剤など)や放射線治療、外科手術などがあります。病状に応じてこれらの治療を組み合わせることもあります。
手術が検討される場合
塞栓術で効果が不十分な場合や、病変が大きくて完全に取り除く必要がある場合には、外科手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
塞栓術を受けた後は、通常の生活に戻るまでに数日から1〜2週間かかります。抜糸や通院の予定に従い、無理はしないようにしましょう。
生活習慣のアドバイス
- 治療後しばらくは激しい運動や重いものを持つことを避けましょう。
- 飲酒や喫煙は血流に影響するため、控えたほうがよいです。
- 処方された薬は指示通りに服用し、自己判断で中止しないようにしましょう。
食事と運動
バランスの良い食事を心がけ、水分を十分に摂りましょう。医師の許可が出たら、軽いウォーキングから徐々に運動を再開するとよいです。
精神的健康と心の健康
治療後の不安や疲れは自然なことです。気分が落ち込んだり眠れない日が続く場合は、医師や看護師に相談してください。日本では、がん患者向けの精神的なサポートも利用できます。
予防
塞栓術が必要となる病気(がんや血管の異常など)を完全に予防することは難しいですが、健康的な生活習慣(禁煙、適度な運動、バランスの良い食事)を心がけることで、一部のリスクを減らせる可能性があります。
ワクチン
省略
検診プログラム
肝臓がんや子宮筋腫など、塞栓術の適応となる病気の早期発見には、定期的な健康診断や画像検査が役立ちます。特に肝炎ウイルスに感染している方などは、定期的な超音波検査が推奨されています(厚生労働省のガイドライン参照)。
合併症
治療しない場合
- 出血が続くと貧血や血圧低下、意識障害を起こすことがあります。
- 腫瘍が大きくなると痛みや圧迫症状が強くなり、臓器の機能が低下する可能性があります。
- 血管の異常が破裂すると、命に関わることがあります。
長期的な見通し
塞栓術は多くの場合、安全かつ効果的な治療法です。治療後の経過は良好で、多くの方が日常生活に戻ることができます。ただし、根治が難しい病気もありますが、症状を抑えたり寿命を延ばしたりするのに役立つことが多く、医療の進歩とともにより良い治療が期待できます。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。
Guidance may differ by country or region. Confirm local recommendations with a qualified healthcare provider.