HbA1cの結果について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
HbA1c(ヘモグロビンA1c)は、過去2~3か月の平均的な血糖値(血液中の糖の量)を表す検査値です。体の中の赤血球に含まれるヘモグロビンというたんぱく質が、血液中の糖と結びついた割合を示します。この数値が高いほど、長期間にわたって血糖が高い状態だったことがわかります。糖尿病の診断や治療の効果を見るために使われます。
重要な事実
- HbA1cは数パーセント(%)またはmmol/molという単位で表されます。
- 正常な値はおおむね5.7%未満ですが、検査機関によって基準が異なる場合があります。
- この検査は食事の影響を受けにくいため、いつでも採血できます。
はい、日本では糖尿病が増えており、HbA1c検査は糖尿病の診断や管理のために広く行われています。厚生労働省の調査でも、糖尿病が強く疑われる人は約1000万人いるとされています。
HbA1cの値が高くなる人は、主に糖尿病(特に2型糖尿病)の方やそのリスクのある方です。家族に糖尿病の人がいる、肥満気味、運動不足、高血圧や脂質異常症がある方などに多く見られます。年齢が上がるにつれてリスクは高まりますが、子どもや若年層にも起こりえます。
症状
- 血糖値が非常に高く(意識がもうろうとするなど)、吐き気や嘔吐、腹痛がある場合は、糖尿病性ケトアシドーシスの可能性があります。すぐに119番に電話してください。
- 意識を失った、呼びかけに反応しない
- 呼吸が速く、苦しそう (果物のような甘いにおいがする息)
- ⚠高血糖が続き、吐き気や嘔吐がある
- ⚠発熱や感染症の兆候(せき、のどの痛み、排尿時の痛みなど)がある
- ⚠いつもより水分を取っているのに脱水症状が治まらない
一般的な症状
- のどが渇きやすくなる
- トイレ(排尿)の回数が増える、夜中に何度も起きる
- 疲れやすく、体がだるい
- 体重が減る(特に1型糖尿病)
- 視界がぼやける
- きずや感染症が治りにくい
子供の症状
- 夜尿(おねしょ)が続く
- 急に体重が減る
- 食欲が増すのにやせる
- かぜや感染症を繰り返す
高齢者の症状
- いつもより元気がない、混乱する
- 脱水症状(口が乾く、皮膚が乾く)
- 転びやすくなる
- 足の感覚がにぶくなる
原因
主な原因
- HbA1cが高くなる主な原因は、血糖値が長期間にわたって高い状態が続くことです。これは、インスリン(血糖を下げるホルモン)の働きが不十分になることで起こります。
- 1型糖尿病:体の免疫がインスリンを作る細胞を攻撃してしまい、インスリンがほとんど作られなくなります。
- 2型糖尿病:インスリンの効きが悪くなる(インスリン抵抗性)か、インスリンの分泌が減ることで起こります。
リスク要因
- 家族に糖尿病の人がいる
- 肥満(特に内臓脂肪が多い)
- 運動不足
- 不健康な食事(高カロリー、高脂肪、低食物繊維)
- 高血圧や脂質異常症がある
- 妊娠糖尿病の既往がある
- 加齢(40歳以上でリスクが高まります)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状(意識障害、激しい吐き気など)がある場合
- 血糖値が極端に高い(300 mg/dL以上など)と感じる症状がある場合
定期受診を予約すべき場合:
- 年に1回の健康診断でHbA1cが高め(6.0%以上など)と指摘された場合
- 糖尿病と診断されている方は、医師の指示に従い定期的に検査を受けてください
- 糖尿病のリスクが高い(家族歴、肥満など)場合は、かかりつけ医に相談し、検査の間隔を決めましょう
診断
HbA1cの測定は、簡単な採血で行われます。食事の時間に関係なくいつでも検査できるのが特徴です。
行われる可能性のある検査
- HbA1c(血液検査)
- 空腹時血糖(8時間以上食事をとらずに測定する血糖値)
- ブドウ糖負荷試験(75gのブドウ糖を飲んで、その前後の血糖値を調べる)
診察で予想されること
検査は腕から少量の血液を採取するだけです。特に痛みや不快感はほとんどなく、結果は数日から1週間程度でわかります。医師は結果を見て、あなたの血糖コントロールの状態を評価し、必要に応じて治療のアドバイスをします。
治療
HbA1cの値に応じて、糖尿病の治療が行われます。目標値は個人差があるため、医師と相談して決めます。治療の中心は、食事・運動・薬の3つです。
自宅でのセルフケア
- バランスのよい食事をとる(野菜を多く、糖質や脂質を控えめに)
- 定期的な運動(ウォーキングなど)を習慣にする
- 決められた時間に血糖を測定し、記録する
- 医師から指示された薬をきちんと服用する
- アルコールは適量に、たばこは控える
医療治療
医師は、あなたの状態に合わせて、インスリンの働きを助ける薬や、インスリンの分泌を促す薬、糖の吸収を抑える薬などを処方することがあります。これらの薬は、食事や運動だけでは血糖が十分に下がらない場合に使います。必ず医師の指示に従い、自己判断で薬を変えたりやめたりしないでください。
手術が検討される場合
糖尿病の治療として、外科手術(例えば肥満に対する胃縮小手術など)が検討される場合もありますが、これはごく一部の方に限られます。医師と十分に相談してください。
この病気と共に生きる
糖尿病とともに暮らすには、血糖の自己管理が基本です。毎日の食事、運動、薬の服用を規則正しく続けることで、HbA1cを目標範囲に保つことができます。最初は慣れないことも多いですが、徐々に自分の体の変化がわかるようになります。
生活習慣のアドバイス
- 食事は1日3食、決まった時間に食べる
- 炭水化物(ごはん、パン、麺類)の量を調整する
- 間食や甘い飲み物は控えめにする
- 週に150分以上の有酸素運動(ウォーキングなど)を目指す
- 睡眠を十分にとり、ストレスをためないようにする
食事と運動
食事は、野菜、たんぱく質、炭水化物のバランスが大切です。特に食物繊維の多い食品(野菜、豆類、全粒穀物)を積極的にとりましょう。運動は食後30分~1時間程度の軽いウォーキングから始めると、血糖を下げる効果が期待できます。
精神的健康と心の健康
糖尿病は長い経過をたどる病気で、治療が大変に感じられることもあります。血糖値がうまくコントロールできないと、イライラしたり、落ち込んだりすることもあるでしょう。そんなときは、一人で抱え込まずに、医師や看護師、家族に相談してください。日本糖尿病療養指導士などの専門家もサポートしてくれます。
予防
2型糖尿病は、健康的な生活習慣によって予防できる可能性があります。適正体重を維持し、バランスのよい食事と適度な運動を続けることが大切です。1型糖尿病は予防が難しいですが、早期発見と治療で合併症を防げます。
ワクチン
糖尿病の方は感染症にかかりやすく、重症化しやすいため、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの接種が推奨されています。かかりつけ医に相談してください。
検診プログラム
健康診断や人間ドックで定期的に血糖値やHbA1cを調べることで、糖尿病の早期発見につながります。特に40歳以上の方やリスクの高い方は、年に1回は検査を受けましょう。
合併症
治療しない場合
- HbA1cが高い状態が長く続くと、血管が傷つき、さまざまな合併症を引き起こす可能性があります。
- 目の網膜の血管障害(糖尿病網膜症)による視力低下や失明
- 腎臓の機能低下(糖尿病腎症)による透析治療の必要性
- 神経の障害(糖尿病神経障害)による手足のしびれ・痛み・感覚低下
- 心臓病や脳卒中(動脈硬化の進行)
- 足の血行不良や感染による足の潰瘍・壊疽(えそ)
長期的な見通し
HbA1cの値が高くても、適切な治療と生活習慣の改善で、合併症のリスクを大幅に減らすことができます。多くの人が血糖コントロールを良好に保ち、日常生活を楽しみながら、健康な人生を送っています。糖尿病は怖い病気ではありません。正しい知識と医療者のサポートがあれば、一緒に向き合っていけます。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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