静脈瘤の血液検査の説明
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)とは、足の静脈の中にある弁(血液の逆流を防ぐためのふた)がうまく働かなくなり、血液が逆流して静脈が膨らんでしまう状態です。血液検査は、静脈瘤そのものの診断には使いませんが、血栓症(けっせんしょう:血管の中で血の塊ができる病気)や炎症など、ほかの病気がないかを調べるために行うことがあります。
重要な事実
- 静脈瘤は非常に一般的な病気で、加齢とともに増えます。
- 診断は主に視診(見た目)や超音波検査(エコー)で行います。
- 血液検査は主に他の病気の可能性を排除するために使われます。
はい、とてもよく見られる病気です。特に40歳以上の女性に多く、日本では約1,000万人以上が罹患しているとも言われています。
長時間立ち仕事をする人(販売員、調理師、看護師など)や、妊娠した女性、肥満の方、また家族に静脈瘤の方がいる場合に影響を受けやすいです。
症状
- 足の急激な腫れや痛み(深部静脈血栓症の疑い)
- 急に息苦しくなった、胸が痛い(肺塞栓症の疑い)
- 静脈瘤から大量の出血が止まらない
- ⚠静脈瘤の上の皮膚にできた潰瘍(かいよう)が痛む、または膿が出る
- ⚠皮膚が急に赤くなり、熱を持って腫れる(蜂窩織炎(ほうかしきえん)の疑い)
- ⚠静脈瘤の部分が硬く、痛みを伴う
一般的な症状
- 足がだるい、重い、疲れやすい
- 足首やふくらはぎのむくみ
- 夜間のこむら返り(足がつる)
- 皮膚の色が茶色っぽく変わる
- 表面に浮き出た青い血管
子供の症状
- 子どもで静脈瘤が見られることはまれですが、先天的な血管の異常(血管奇形)が原因で生じることがあります。そうした場合には、成長に伴い症状が現れることもあります。
高齢者の症状
- 高齢者では、皮膚の萎縮や筋力低下によって症状が悪化しやすくなります。潰瘍(かいよう:皮膚がただれて穴ができること)ができやすくなり、治りにくくなることもあります。
原因
主な原因
- 静脈の弁の機能が弱くなる(加齢や遺伝による)
- 血液が重力で逆流しやすくなる(長時間の立ち仕事など)
- 静脈壁の弾力が低下する
リスク要因
- 加齢(年をとるほどリスクが上がる)
- 妊娠(ホルモンの影響や子宮による圧迫)
- 肥満(体重増加で足の静脈に負担がかかる)
- 立ち仕事や座りっぱなしの仕事
- 家族に静脈瘤の人がいる
- 女性(男性より多い)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 足が急に腫れて痛む
- 潰瘍(かいよう)から出血が止まらない
- 発熱とともに足が赤く腫れる
定期受診を予約すべき場合:
- 足のだるさやむくみが続く
- 見た目の血管の膨らみが気になる
- 夜中に足がつることが増えた
診断
まず医師が足を診て、静脈の状態を確認します。その後、超音波(エコー)検査で血流の逆流の程度や血管の太さを調べます。血液検査は、血栓症や炎症の原因を調べるために行うことがあります。静脈瘤そのものを診断するための血液検査ではなく、あくまで補助的な検査です。
行われる可能性のある検査
- 視診(見た目と触った感じで診る)
- 超音波(エコー)検査(静脈の形と血流を調べる)
- 血液検査(血の固まりやすさや炎症の有無を調べる)
診察で予想されること
診察は痛みを伴いません。血液検査は腕から採血するだけです。超音波検査はゼリーを足に塗って、プローブ(棒状の機器)を当てるだけで、痛みはありません。結果はその場である程度わかることもあります。
治療
治療法は症状の程度や生活への影響によって選びます。軽度なら弾性ストッキングや生活習慣の改善で十分なこともあります。中等度以上なら、注射やレーザーを使った低侵襲治療、あるいは手術も選択肢になります。
自宅でのセルフケア
- 弾性ストッキング(着圧ソックス)を履く(医師に適切な圧力を相談しましょう)
- 足をできるだけ高くして休む(心臓より高い位置に)
- こまめに足を動かす(ふくらはぎの筋肉をポンプのように使う)
- 長時間同じ姿勢を避け、適度に歩く
医療治療
医療機関では、静脈に薬液を注射して血管を閉じる硬化療法や、レーザーや高周波の熱で血管を閉じる治療が行われています。これらの治療は比較的体への負担が少なく、日帰りで行えることもあります。ご自身の症状に合った治療法は医師と相談して決めましょう。
手術が検討される場合
症状が重い場合や、生活に大きな支障がある場合、または他の治療で効果が不十分な場合に、手術(静脈瘤抜去術など)を検討することがあります。手術の方法について詳しくは血管外科の医師にご相談ください。
この病気と共に生きる
日常生活では、弾性ストッキングを毎日着用し、足を組まずに座る、こまめに足を動かすことを心がけましょう。仕事中も適度に休憩を取り、足を少し上げると楽になります。
生活習慣のアドバイス
- 体重を適正に保つ(肥満は静脈への負担を増やします)
- 足に負担のかかるハイヒールは避け、平らな靴を選ぶ
- 長時間の入浴やサウナなどで過度に血管を拡張させない
食事と運動
便秘にならないよう食物繊維をしっかり取りましょう(便秘でいきむと静脈に圧がかかります)。ウォーキングや水泳など、ふくらはぎの筋肉を使う運動がおすすめです。激しい筋トレより、有酸素運動が効果的です。
精神的健康と心の健康
見た目が気になって悩む方も少なくありません。しかし、最近の治療法で見た目はかなり改善できます。気になる症状があれば、医師に相談することで安心につながります。無理に我慢せず、悩みを共有しましょう。
予防
完全に予防することはできませんが、日常生活での注意によってリスクを減らし、症状の進行を遅らせることができます。特に長時間の立ち仕事や座り仕事の合間に足を動かすこと、適正体重を保つことが大切です。
検診プログラム
定期的な検診は特に推奨されていませんが、気になる症状があれば早めに受診することをおすすめします。
合併症
治療しない場合
- 皮膚の色が濃くなり、かゆみや湿疹ができる(うっ滞性皮膚炎)
- 皮膚がただれて潰瘍(かいよう)ができる(じょくそう性潰瘍)
- 静脈瘤の部分に血栓(血の塊)ができ、炎症を起こす(血栓性静脈炎)
- 深部静脈血栓症(足の深い静脈にできる血栓)を合併すると、肺塞栓症(肺の血管が詰まる)の危険がある
長期的な見通し
ほとんどの場合、適切な治療や生活習慣の改善によって症状は良くなります。治療をすれば見た目も改善し、痛みやだるさも軽減します。進行を放置すると合併症のリスクが増えますが、早めに対処すれば重篤な問題は避けられます。あきらめずに、医師と一緒に最善の方法を選びましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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