狭心症とともに生きる:毎日の生活で役立つヒント
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
狭心症は、心臓の筋肉に十分な血液が届かなくなることで、胸の痛みや圧迫感が起こる病気です。一時的なサインであって、心臓が止まるわけではありませんが、注意深く付き合っていく必要があります。
重要な事実
- 狭心症は、心臓に血液を送る血管が狭くなったり、けいれんしたりすることで起こります。
- 発作は、からだを動かしたときや、ストレスを感じたときにおこりやすいです。
- きちんと治療し、生活習慣を見直すことで、多くの人が安心した生活をおくることができます。
- 突然の激しい痛みや長く続く痛みは、救急受信が必要なサインです。
狭心症は、心臓の病気の中ではよくある病気のひとつで、特に中高年の方に多く見られます。
男性では40代以降、女性では閉経後(更年期を過ぎた頃)に増える傾向があります。また、高血圧や糖尿病、脂質異常症のある方、喫煙される方にも起こりやすいです。
症状
- 胸の痛みが5分以上続く、または治まってもまた繰り返す
- 胸の痛みに加えて冷や汗、吐き気、ふらつき、意識が遠くなる感じがある
- 顔色が真っ青になり、呼吸が苦しそうである
- 痛みがどんどん強くなり、じっとしていられない
- ⚠今までにない新しい胸の痛みが出た
- ⚠ふだんより痛みの程度や回数が増えた
- ⚠安静にしていても症状が出る
- ⚠痛みに伴って息切れや動悸が強くなった
一般的な症状
- 胸の真ん中が押しつぶされるような痛みや圧迫感がある
- 痛みが左の腕・首・あご・背中に広がることがある
- 階段を上る、重いものを持つなどの労作で症状が出る
- 冷たい空気の中や、強いストレスを感じたときに症状が悪化する
- しばらく休むと症状が和らぐことが多い
子供の症状
- 子どもではまれですが、先天性の心臓病などが原因で起こることがあります。
- 泣いたり、走ったりしたときに顔色が悪くなり、ぐったりするなどのサインが見られることがあります。
- 子どもの胸の痛みは、通常は心臓以外の原因であることが多いですが、注意が必要です。
高齢者の症状
- 高齢者では、胸の痛みがはっきりしないことがあります。
- だるさ、息切れ、疲れやすさ、頭がぼんやりするなどの症状が目立つことがあります。
- ふだんと様子が違うと感じたら、早めに医療機関に相談しましょう。
原因
主な原因
- 動脈硬化(血管が硬くなり、その中にコレステロールのかたまりなどがたまって血管が細くなること)
- 冠動脈のけいれん(心臓の血管が一時的に縮んで血流が減ること)
- 心臓の血管にできる血栓や炎症など
リスク要因
- 脂質異常症(コレステロールや中性脂肪が多い状態)
- 肥満・運動不足
- ストレス
- 家族に心臓病の人がいること
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 初めて胸の痛みや圧迫感を感じたとき
- 症状がだんだん強くなったり、頻繁になったりしている
- 生活に支障が出るほど痛みが強い
- 安静にしていても症状が出るようになった
定期受診を予約すべき場合:
- 定期受診を欠かさずに行う
- 薬や治療の効果について不安があるときは相談する
- 生活習慣の改善について具体的なアドバイスをもらう
- 仕事や運動など、活動量をどう増やしたらよいか医師に相談する
診断
医師が、症状の話を聞き(問診)、聴診器で心臓の音を聴いたり、血圧を測ったりして確認します。必要に応じて検査を行い、心臓の状態を詳しく調べます。
行われる可能性のある検査
- 心電図(心臓の電気的な働きを調べる検査)
- 血液検査(心臓の筋肉が傷ついていないかや、コレステロールなどの値を調べる)
- 運動負荷試験(運動をしながら心電図をとる検査)
- 心エコー(心臓の動きを超音波で映す検査)
- 冠動脈CTや心臓カテーテル検査(血管の狭さや詰まりを詳しく調べる検査)
診察で予想されること
診察の際には、どんなときに症状が出たか、どのくらい続くか、何をすると治まるかを医師に伝えるとスムーズです。検査には、日帰りで行えるものもあれば、入院が必要なものもあります。医師や看護師が丁寧に説明してくれるので、安心して受けてください。
治療
狭心症の治療は、症状をやわらげること、心筋梗塞などの重大なトラブルを防ぐこと、そして動脈硬化の進行をゆっくりにすることを目指します。生活習慣の見直しと、医師の処方する薬や必要に応じて手術などの治療を組み合わせて進めます。
自宅でのセルフケア
- 禁煙する(電子タバコや加熱式タバコも同様)
- 医師の許可を得て、無理のない範囲で運動を続ける
- 塩分をひかえ、野菜や果物、魚を意識して食べる
- 体重が増えすぎないようにする
- ストレスをためない工夫をする(深呼吸、趣味、人と話すなど)
- 飲酒はほどほどにする(できれば休肝日を作る)
- 症状を日記やメモに残し、自分の体調の変化に気をつける
医療治療
医師は、血小板が集まりにくくする薬、血管をひろげる薬、心拍数を調整する薬など、あなたの症状や検査結果に合わせて薬を処方します。必ず医師の指示どおりに使い、自己判断でやめたり量を変えたりしないでください。くすりの名前や飲み方については、医師または薬剤師に確認しましょう。
手術が検討される場合
血管の狭さや詰まりがひどい場合、または薬の効果が十分でない場合には、風船のようなもので血管を広げるカテーテル治療や、血管のバイパス手術などが検討されることがあります。どの治療がより適しているかは、医師が検査結果や全身の状態をみて説明してくれます。
この病気と共に生きる
日常生活では、急に激しい運動をしたり、冷たい水をいきなり浴びたりしないように心がけましょう。また、医師から処方された薬を持ち歩き、使う場面についてもきちんと説明を聞いておきましょう。痛みが出やすい時間帯や場面を把握すると、前に心構えができます。
生活習慣のアドバイス
- 毎日続けられる範囲での運動(ウォーキングなど)を医師と相談して決める
- お風呂は心臓に負担をかけにくいぬるめ(40度くらい)にして、長湯をしない
- トイレでのいきみを避けるため、便秘を予防する(食物繊維や水分をしっかりとる)
- 寒い日の早朝の外出は控える、または防寒対策をしっかりする
- 十分な睡眠を心がけ、疲れをためない
食事と運動
食事は、塩分1日6g未満(日本人の目標値)を目安に、野菜や果物、魚、全粒穀物をバランスよく食べましょう。油っこい加工食品やお菓子、砂糖入り飲料は控えめにするのがおすすめです。運動は、医師の許可を得て、1日30分ほどの有酸素運動(ウォーキングなど)を無理なく続けることが基本です。運動中に胸が痛くなったらすぐに中止して休みましょう。
精神的健康と心の健康
狭心症と診断されると「心臓病になった」という不安や、発作が起こる恐怖を感じることは自然なことです。その気持ちは無理に抑えず、家族や友人に話したり、医師や看護師に相談したりしてください。必要に応じて、心のケアの専門家の支援も役立ちます。
予防
狭心症自体は、生活習慣を改善することで、進行を遅らせたり、初めての発作を予防したりすることができます。高血圧や糖尿病などがある方は、それらのコントロールがとても大切です。
ワクチン
インフルエンザや肺炎球菌の予防接種は、心臓病の合併症を減らすのに役立つとされています。接種についての案内は、かかりつけ医に相談しましょう。
検診プログラム
日本の健康診断(特定健診)や職場の健診では、血圧・血糖値・コレステロールなどのチェックが行われます。40歳を超えたら、定期的に受けるようにしましょう。
合併症
治療しない場合
- 心筋梗塞(完全に血管が詰まり、心筋が壊死すること)
- 不整脈(心臓のリズムが乱れること)
- 心不全(心臓のポンプの働きが落ちて、息切れやむくみがおこること)
長期的な見通し
狭心症は、正しく治療し生活を見直せば決して怖いものではありません。実際に多くの患者さんが、仕事や趣味を楽しみながら長く暮らしています。焦らず、医師と一緒に治していく気持ちが大切です。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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