動脈を健康に保つための生活習慣
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
動脈は、心臓から全身に栄養や酸素を運ぶ血管です。動脈硬化は、この血管の壁が硬くなったり、内側にコレステロールなどのかたまりができて血液の通り道が狭くなったりする状態です。多くの場合、自覚症状がないまま進行しますが、生活習慣を整えることで進行を防ぐことができます。
重要な事実
- 動脈硬化は初期にはほとんど症状がありません。
- 高血圧・脂質異常症・糖尿病・喫煙などが進行を大きく後押しします。
- 禁煙・運動・食事の見直しが最も効果的な対策です。
- 血圧やコレステロールの値を知るため、定期的な健診が大切です。
はい。動脈硬化は加齢とともに誰にでも起こりうる変化で、日本では心筋梗塞や脳卒中など循環器病の背景に多い状態です。厚生労働省も生活習慣病対策として健診や保健指導をすすめています。
中高年に多く見られますが、若い世代でも喫煙、肥満、運動不足、不規則な生活などがあると動脈が硬くなり始めることがあります。家族に心臓病や脳卒中を起こした人がいる場合は、より注意が必要です。
症状
- すぐに119番に電話してください。以下のような症状がある場合は、ためらわずに救急車を呼んでください。
- 突然の強い胸の痛みが続く
- 急な息苦しさ、呼吸困難
- 冷や汗を伴う胸の圧迫感
- 意識を失う、または反応がおかしい
- 顔の半分が下がる、片方の手足に力が入らない
- 言葉が話しにくい、ろれつが回らない
- ⚠胸の痛みが数分間続き、休んでもよくならない場合は、当日中に医療機関へ連絡してください。
- ⚠安静にしても息切れが続く。
- ⚠足が急に痛む、腫れる、色が青白くなる・黒ずむ。
一般的な症状
- 初期には自覚症状がほとんどないことが多いです。
- 動脈が狭くなると、胸の痛みや圧迫感、息切れが現れることがあります。
- 歩いたときにふくらはぎが痛み、休むとよくなる症状が出ることがあります。
- めまいや一時的な意識の消失が見られる場合は、脳の血管の病気が疑われることがあります。
子供の症状
- 子どもでは動脈硬化自体の症状はほとんど見られません。
- 家族に遺伝性の脂質異常症がある場合は、子どもでもコレステロール値が非常に高くなることがあるため、小児科で相談ができます。
高齢者の症状
- 体を動かしたときの胸の痛みや息切れ。
- めまい、ふらつき、転倒しやすさ。
- 足の冷え、しびれ、歩行時の痛み。
原因
主な原因
- 血管の内側にコレステロールなどがたまり、プラーク(かたまり)ができること。
- 血管の壁が硬く、もろくなること。
- 血圧の高い状態が続き、血管に負担がかかること。
リスク要因
- 脂質異常症(悪いコレステロールが多い状態)
- 肥満・メタボリックシンドローム
- 運動不足
- ストレス
- 遺伝(家族に心臓病や脳卒中を起こした人がいる)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 胸の痛みや圧迫感が短時間でも繰り返す。
- 歩いているときの足の痛みがだんだん強くなる。
- 急にめまいやふらつきが増えた。
- 家族に心筋梗塞や脳卒中を起こした人がいて、自分の血管の状態が心配になった。
定期受診を予約すべき場合:
- 健康診断で血圧・血糖・コレステロールの値を指摘された。
- 動脈硬化のリスクについて一度きちんと調べたい。
- 生活習慣の改善方法について、医師や管理栄養士に相談したい。
診断
病院では、まず問診と診察を行い、その後に血圧測定、血液検査、心電図、超音波(エコー)などの検査で血管の状態や危険因子を確認します。
行われる可能性のある検査
- 血圧測定
- 血液検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪、血糖値など)
- 頸動脈エコー(首の血管の超音波検査)
- 腹部エコー
- CT(コンピューター断層撮影)
- MRI(磁気共鳴画像)
- 血管造影(造影剤を使って血管の様子を詳しく調べる検査)
診察で予想されること
多くの検査は体への負担が少なく、入院せずに受けられます。検査によっては食事制限や造影剤を使うことがありますが、その場合は事前に医師や看護師から説明があります。結果は通常数日から1週間程度でわかり、医師から今後の治療や生活の目標について説明があります。
治療
動脈硬化の治療は、血圧・コレステロール・血糖を管理して動脈に負担をかけないことが中心です。まずは生活習慣を見直し、必要に応じて医師の指導のもとで薬を使いながら治療を進めます。
自宅でのセルフケア
- 禁煙する。
- 塩分を控える(具体的な目標は医師や管理栄養士に相談しましょう)。
- 運動を習慣にする(いきなり激しい運動をする必要はありません)。
- 脂っこい食事や甘い飲み物を控える。
- ストレスをためすぎない。
- 睡眠を十分にとる。
医療治療
医師は動脈硬化の進行を防ぐために、血圧を下げる薬、コレステロールを調整する薬、血糖を整える薬などを処方することがあります。薬の種類や量はその人に合わせて決まるため、自己判断でやめたり量を変えたりしないことが大切です。
手術が検討される場合
血管がかなり狭くなり、薬だけでは危険な場合には、カテーテル治療(細い管を使って狭くなった血管を広げる治療)やバイパス手術(狭い部分を迂回する新しい血流の道を作る手術)などが検討されることがあります。最終的な方針は循環器の専門医が慎重に判断します。
この病気と共に生きる
動脈硬化は自覚症状がないまま進むこともあるため、調子がよくても治療や生活習慣を続けることが大切です。血圧やコレステロール、血糖の値を定期的に確認し、薬を飲んでいる人は指示どおりに続けましょう。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙を続ける。
- ウォーキングなど軽い有酸素運動を無理のない範囲で週に数回続ける。
- 減塩し、野菜や魚、大豆製品、食物繊維を意識してとる。
- 加工食品や脂っこい食事を控える。
- 睡眠時間を確保し、ストレス解消の方法を持つ。
- 飲酒は控えめにする。
食事と運動
食事は、ごはんなどの主食、魚や肉・大豆製品などの主菜、野菜のおかずである副菜を組み合わせると栄養のバランスがとりやすくなります。塩分と脂肪を控えめにし、毎日20〜30分程度、話ができるくらいの速さでのウォーキングがよい運動とされています。持病がある方は、医師に運動量の目安を確認しましょう。
精神的健康と心の健康
心臓や血管の病気のリスクを指摘されると、不安や気分の落ち込みを感じることがあります。不安が強いと、過食や飲酒、喫煙などの行動につながりやすくなります。「つらい」という気持ちは我慢せず、家族や医師、看護師に話してみてください。
予防
動脈硬化は年齢とともに誰にでも起こりうる変化ですが、その進行は予防したり遅らせたりすることができます。特に禁煙、適度な運動、バランスのよい食事、血圧や血糖、コレステロールの管理が効果的です。
検診プログラム
職場や自治体で行われる健康診断や特定健診(メタボ健診)を、年に1回は受けましょう。血圧、コレステロール、血糖、体格などの項目を定期的にチェックすることが、動脈硬化の早期発見と予防につながります。
合併症
治療しない場合
- 心筋梗塞(心臓の血管がつまってしまい、心臓の筋肉が壊死する病気)
- 狭心症(心臓の血管が狭くなり、胸が痛む病気)
- 脳卒中(脳の血管がつまったり、破れたりする病気)
- 閉塞性動脈硬化症(足の血管が細くなり、歩行障害や足の潰瘍を起こす病気)
- 大動脈瘤や大動脈解離(大動脈が膨らんだり裂けたりする、命にかかわる病気)
長期的な見通し
動脈硬化の診断やリスクを指摘されたことは、決して終わりではありません。実際に、治療と生活習慣の改善によって心筋梗塞や脳卒中の発症を大きく減らせるということが多くの研究で示されています。今日からできる小さなことから、医療者と一緒に無理なく続けていけば大丈夫です。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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