職場で血行トラブルを防ぐには
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
血行とは、心臓から送り出された血液が血管の中を流れ、再び心臓にもどる流れのことです。職場での血行トラブル予防は、長時間のデスクワークや立ち仕事などによって血流が滞らないようにするための工夫や習慣です。座りっぱなしの時間を減らし、足を動かすことで、むくみや血栓(血のかたまり)ができるリスクを下げられます。
重要な事実
- 長時間座ったままは、ふくらはぎの筋肉が動かず、血液が足にたまりやすくなります。
- 1時間ごとに立ち上がる・歩くだけで、血行は大きく改善します。
- こまめな水分補給と足首の運動は、血栓予防に役立ちます。
はい、よくある悩みです。日本ではオフィスワークや運転の仕事など、1日の半分以上を座って過ごす人が約3割いるとも言われています。血行不良による足のむくみやだるさを感じている人も少なくありません。
デスクワークや長距離運転など座りっぱなしの仕事をしている人、立ち仕事で足に負担がかかる人、妊娠中の人、肥満傾向の方、喫煙者、高齢者に影響が出やすいです。若くて健康な人でも、仕事の環境によっては注意が必要です。
症状
- 突然の息切れ、呼吸困難
- 胸の強い痛みや圧迫感
- 血の混じった痰(たん)が出る
- 意識がもうろうとする、または突然の失神
- 片足が急に腫れ上がり、激しい痛みがある
- ⚠足の腫れ、痛み、赤み、熱感が片方だけにある
- ⚠上記の症状に、胸の痛みや息苦しさをともなう場合は、すぐに119番へ通報してください。
一般的な症状
- 足がむくむ(特に夕方)
- 足がだるい・重い
- ふくらはぎが痛む・つる
- 足が温かい・赤い、または皮膚が黒ずむ
- 立ち上がったときに足がしびれる
- 静脈が浮き出て見える(静脈瘤)
子供の症状
- 子どもでは、長時間の映画鑑賞やゲームの後に、足のしびれ・痛み・むくみが出ることがあります。
- 成長に伴う痛みと似ていますが、片方の足だけが腫れる、痛みが続くといったときは、医療機関に相談しましょう。
高齢者の症状
- 高齢者では、足のむくみに加えて、皮膚の色が変わる、傷が治りにくい、歩くと足が痛む(間欠性跛行)などの症状が見られることがあります。
- 転倒や血栓症の予防のためにも、早めの受診がすすめられます。
原因
主な原因
- 長時間同じ姿勢で座り続ける(デスクワーク・車の運転など)
- 立ちっぱなしで足に負担がかかる
- 水分不足で血液が濃くなる
- 足を組む・きつい下着や衣服で血管を圧迫する
- 椅子や机の高さが合わず、姿勢が悪い
- 通勤や出張での長距離移動
リスク要因
- 運動不足と肥満
- 高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病
- 妊娠や産後
- 経口避妊薬などのホルモン剤を服用している
- 過去に血栓症になったことがある
- 40歳以上の年齢
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 急な足の痛み・腫れ・赤みがあり、息苦しさや胸の痛みもともなう場合は、すぐに救急車(119番)を呼んでください。
定期受診を予約すべき場合:
- 足のむくみやだるさが何日も続く
- 痛みで仕事や生活に支障がある
- 静脈瘤(あおすじ)が目立つ
- 皮膚の色が変わった
診断
医師は、仕事内容や生活習慣の聞き取り、見た目や触診で血行の状態を確認します。必要に応じて、超音波検査や血液検査で血流が滞っていないか、血栓ができていないかを調べます。
行われる可能性のある検査
- 超音波(エコー)検査:足の血管の流れをリアルタイムで確認します
- 血液検査:血のかたまり(血栓)の有無や血液の状態を調べます
- CT検査:肺や深い部分の血管に血栓がないかを確認する場合があります
- 心電図:心臓の状態を確認し、全身の血行を評価するのに役立ちます
診察で予想されること
検査は外来で受けられるものが多く、痛みをともなう検査はほとんどありません。結果によって、職場での休憩方法やストレッチの仕方、弾性ストッキングの使い方などを指導してもらえます。
治療
血行トラブルの治療は、症状や原因によって異なります。むくみやだるさには、弾性ストッキング(段階的に圧迫する靴下)と日常生活の工夫が基本です。血栓ができている場合は、血液を固まりにくくする薬(抗凝固薬)で重症化を防ぎます。治療は医師の指示に従いながら進めましょう。
自宅でのセルフケア
- 1時間に1回は立ち上がり、2〜3分歩く
- 座っている間も、足首を回す・かかとを上げ下げする
- こまめに水分を取る
- ゆったりした靴や衣服を選ぶ
- 足を組まない
- 休憩時間にストレッチをする
医療治療
医療機関では、弾性ストッキングの処方や、血液を固まりにくくする薬(抗凝固薬)による治療が行われます。静脈瘤には、レーザーや高周波を使って静脈をふさぐ治療や、血管に薬を直接注射する硬化療法など、体に負担の少ない選択肢があります。どの治療法が合うかは、医師が症状に合わせて提案します。
手術が検討される場合
大きな血栓が肺に飛びそうな場合や、重度の静脈瘤で痛みや皮膚のトラブルがある場合には、手術が検討されることがあります。手術後は、医師の指示にそって職場復帰の時期を決めましょう。
この病気と共に生きる
仕事中は、タイマーやアプリを使って1時間に1回は立ち上がりましょう。足元で足首を回したり、ふくらはぎを伸ばすことも効果的です。昼休みに散歩をする、エレベーターの代わりに階段を使うなど、楽しみながら続けることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい生活と十分な睡眠を心がける
- 禁煙・適正体重の維持に努める
- 高血圧や糖尿病がある方は、治療を続けながら医師の監督のもとで身体活動を増やす
食事と運動
塩分を控えめにしたバランスのよい食事(野菜・果物・魚を中心に)と、週に2〜3回のウォーキング・水泳・サイクリングなどの有酸素運動を組み合わせましょう。運動は血流を促して、むくみや血栓の予防に役立ちます。
精神的健康と心の健康
「血栓ができたらどうしよう」「仕事に穴をあけたら」という不安は、ストレスや睡眠不足をまねき、さらに血行を悪くする原因になります。不安なときは、信頼できる人に話を聞いてもらったり、職場の相談窓口を利用したりして、心の負担を減らしましょう。
予防
はい、多くの血行トラブルは予防できます。こまめに立ち上がる・足を動かす・水分を取る・生活習慣を整えるという基本的なことを続けることで、血栓や静脈瘤のリスクは大きく下げられます。職場の環境改善(立ちやすい動線、足元のスペース確保)も効果的です。
ワクチン
血行トラブルの予防において、予防接種は直接的な関係がありません。
検診プログラム
職場の定期健康診断や特定健診を活用しましょう。また、下肢のむくみや痛みが気になる場合は、検診の際に医師に相談すると、必要な検査を受けられます。
合併症
治療しない場合
- 静脈瘤が悪化して、痛みや皮膚のかゆみ・湿疹がでる
- 深部静脈血栓症(DVT)が進行し、血液の流れを妨げる
- 血栓が肺に飛び、肺塞栓症を起こすと命に関わることがある
- 長引くむくみから、皮膚が固くなったり潰瘍(かいよう)になったりする
長期的な見通し
血行トラブルは、早い段階で気づいて対策すれば、多くの場合改善できます。正しい知識と習慣を身につけて、仕事を続けながら健康な血流を保つことは十分に可能です。気になる症状があるときは、遠慮せず医療機関に相談してください。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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