皮膚の真菌感染症(水虫・たむしなど)と上手に付き合う生活のヒント
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
皮膚の真菌感染症とは、カビの一種である真菌が皮膚に増えて起こる病気です。代表的なものに水虫(足の裏や指の間にできる)、たむし(体や腕、脚にできる輪状の赤み)、いんきんたむし(太ももの内側にできる)などがあります。感染力はありますが、適切にケアすれば治せる病気です。
重要な事実
- 真菌は高温多湿を好むため、汗や湿気の多い場所で増えやすいです。
- うつる原因の多くは、皮ふに落ちた角質(フケやあか)からの接触感染です。
- 毎日の清潔と乾燥を心がけることで、再発を大きく減らせます。
とてもよくある病気です。日本人のおよそ10人に1人が一度は経験するともいわれ、特に水虫は成人に多い感染症です。
年齢や性別を問わず、誰でもかかる可能性があります。汗をかきやすい人、革靴や長靴をよく履く人、スポーツをする人、高齢者、免疫力が低下している人は特に注意が必要です。
症状
- 皮膚が急に熱を持ち、激しい痛みや腫れがある
- 発熱とともに赤みが急速に広がる
- 意識がもうろうとする、呼びかけに反応しない
- ⚠市販薬やセルフケアを続けても、2週間以上よくならない
- ⚠赤みや発疹が全身に広がっている
- ⚠強いかゆみで眠れない、日常生活に支障がある
- ⚠糖尿病や免疫力が低下する病気がある人が、皮膚の異常に気づいた
一般的な症状
- 皮膚に赤い輪のような発疹(かゆみを伴うこともある)
- 指の間の皮がむける、ふやける、白っぽくなる
- 足の裏やかかとに厚い角質がたまる、ひび割れる
- 小さな水ぶくれやポツポツとした発疹
- 強いかゆみ(かゆくない場合もあります)
子供の症状
- 顔や頭皮に、かさつきやフケのような白いかすがつくことがあります。
- ペット(特に子犬や子猫)からうつることもあるため、家族でかゆみがある場合は一緒に診察を受けると安心です。
- かゆくて掻き壊すと、細菌に感染して膿が出ることもあります。
高齢者の症状
- 皮膚が乾燥して厚くなり、かゆみを感じにくいことがあります。
- 足の爪に感染すると、爪が白く濁ったり分厚くなったりします。
- 糖尿病など持病がある人は、治りが遅くなったり、重症化したりすることがあります。
原因
主な原因
- 真菌(カビ)が皮膚の表面に付着し、そこから感染する
- 感染している人や動物の皮膚、フケ、落ちた角質に直接触れる
- タオル、床マット、スリッパ、靴下、靴などを共有する
- 高温多湿の環境で、汗をかいたままにしておく
リスク要因
- 汗をかきやすい体質
- 通気性の悪い靴やぴったりした服を長く着用している
- 公共のプール、ジム、銭湯などの共用スペースを裸足で歩く
- 家族やペットに真菌感染症の人がいる
- 糖尿病、ステロイド薬の長期使用、加齢による免疫力の低下
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 発疹が急速に広がる、痛みがある、黄色い膿が出る
- 38度以上の発熱や、全身のだるさがある
- 糖尿病など持病があり、感染が悪化している
- 目の周りや頭皮など、重篤化しやすい場所に症状がある
定期受診を予約すべき場合:
- 赤みやかゆみが1週間以上続く
- 水虫が疑われるのに、前回の治療から再発を繰り返す
- 爪に厚みや変色が出てきた
- ペットを含め、家族に同じような症状の人がいる
診断
皮膚科の医師が、症状の場所や見た目を確認し、必要に応じて顕微鏡検査や培養検査を行います。多くの場合、診察のその日に診断がつきます。
行われる可能性のある検査
- 顕微鏡検査(皮ふのカサカサした部分を軽くこすり取って、真菌がいるかを見る)
- ウッド灯検査(特殊な光を当てて、真菌の種類によっては光り方で確認する)
- 培養検査(時間はかかりますが、どの真菌かを特定するために行うこともあります)
診察で予想されること
診察は短い時間で終わります。皮ふを少しこすり取るくらいなので、痛みはほとんどありません。結果や治療の進め方は、その場でやさしく説明してもらえます。
治療
真菌感染症の治療は、抗真菌薬(カビの増殖を抑える薬)を使うのが一般的です。塗り薬や飲み薬のいずれも、医師の指示を守って正しい期間使い続けることが重要です。自己判断でやめると再発しやすくなります。
自宅でのセルフケア
- 1日1〜2回、患部をぬるま湯でよく洗い、清潔なタオルでふき取る(強くこすらない)
- 通気性の良い靴下や下着を選び、吸湿性の高い素材を身につける
- 靴は2足以上をローテーションして、毎日乾かす
- タオルやスリッパ、靴下は家族と別のものを使用する
- 爪は短く切り、患部を掻き壊さないよう気をつける
- かゆみが強いときは冷たいタオルで冷やすなどの工夫をする
医療治療
医師は症状に合わせて、塗り薬や飲み薬を処方します。どの薬を使うかは、感染の場所や広がり、患者さんの体調によって決まります。塗り薬の場合は、処方された回数と量を守り、症状が消えたように見えても医師が指示した期間は続けることが大切です。
この病気と共に生きる
毎日続けるケアが何より大切です。患部を清潔で乾燥した状態に保ちましょう。仕事や家事の合間にも、こまめに汗を拭いたり、靴の中を乾かしたりすると効果的です。治っても再発しやすい病気なので、生活の中で「清潔・乾燥・通気」を意識します。
生活習慣のアドバイス
- 入浴時は真菌を含む古い角質を落とすため、石けんでていねいに洗う
- お風呂上がりは、足の指の間までしっかり水分をふき取る
- 爪の間やしわのある部分も忘れずに乾かす
- 目に見える症状がなくても、かゆみが続く間は皮膚科の指示に従う
- 家庭内の床マットやバスマットは定期的に洗濯・日光干しする
食事と運動
栄養バランスのよい食事で免疫力を保つことが大切です。特に、たんぱく質やビタミン類を十分に取るよう心がけましょう。運動は汗をかいてもよいですが、運動後はすぐに着替え、シャワーを浴びて皮膚を清潔にします。
精神的健康と心の健康
見た目が気になって人前で不安になったり、かゆみで寝つかれなかったりすると、気分が落ち込むこともあります。この病気は誰でもかかるもので、きちんと治療すれば改善します。1人で悩まず、医師や薬剤師、家族に相談してください。
予防
真菌感染症は、生活習慣によってかなり予防できます。足を清潔に保ち、乾燥させることが第一です。また、家族内でタオルや靴を共有しない、公共の場所では素足で歩かないなどの工夫が効果的です。
合併症
治療しない場合
- 感染が広がって、全身に複数の病変ができる
- 細菌が二次感染して、化膿や腫れ、痛みを伴う
- 爪に広がると爪が変形し、治りにくくなる
- 高齢者や免疫力が低下している人は、重症化して皮膚のただれが治りにくくなる
長期的な見通し
真菌感染症は原因がはっきりしている病気なので、正しく治療すればほぼ確実に改善します。ただし、真菌は皮ふの奥に残りやすいため、症状が消えても医師の指示した期間は治療を続けることが大切です。完治後も清潔と乾燥を心がければ、再発を十分に防げます。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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