職場で気をつけたい皮膚の真菌感染症
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
皮膚真菌感染症とは、カビの一種である真菌が皮膚に感染して起こる病気です。水虫やたむしが代表的です。職場のシャワー室や更衣室、プールなどを通じてうつることがあり、適切な予防と早めのケアが大切です。
重要な事実
- 感染力があるため、共用のタオルや床に素足で触れないことが重要です。
- 早いうちに適切なケアをすれば、多くの場合は数週間でよくなります。
- 皮膚を清潔にし、乾燥を保つことで感染しにくくなります。
とても一般的な病気で、成人の多くが一生に一度は経験するといわれています。特に高温多湿の環境で働く人に多くみられます。
仕事で長い時間靴を履く方、汗をかきやすい方、プールやジム、保育施設で働く方、医療・介護の現場で患者さんに触れる機会がある方などは、感染しやすい環境にあります。
症状
- 真菌感染そのもので緊急を要することはまれですが、発疹の周りが急に赤く腫れたり、強い痛みや発熱が出たりした場合は、細菌が混入した可能性があるため、すぐに119番に電話してください。
- ⚠発疹が急速に広がる場合
- ⚠痛みが強くなり歩けない、仕事が続けられない場合
- ⚠かゆみや発疹、乾燥が悪化し、市販のクリームなどで改善しない場合
一般的な症状
- 皮膚にかゆみのある赤い輪っか状の発疹
- 足の指の間や足裏のかさつき・ふやけ
- 爪が厚く白く濁る(爪白癬)
- 皮膚のひび割れや水ぶくれ
- 強いかゆみのために睡眠が妨げられることもある
子供の症状
- 子どもは頭部に感染することがあり、フケのようなものや、髪が抜けた部分ができることがあります。
- 顔や体に赤い発疹ができ、かゆがることがあります。
高齢者の症状
- 高齢者では皮膚が薄くなっているため、できものが破れて細菌感染を起こしやすいことがあります。
- かゆみを感じにくく、発見が遅れることがあります。
原因
主な原因
- 白癬菌というカビの一種が皮膚に感染することによって起こります。
- 感染した人や動物の皮膚、落ちた毛やフケ、床やタオルなどの汚染されたものに触れることでうつります。
- 高温多湿な環境、汗をかいたままの肌、傷ついた皮膚は感染しやすくなります。
リスク要因
- 仕事やスポーツで長時間、通気性の悪い靴や手袋を着用する
- 共用のシャワー室、更衣室、プール、体育館の床を素足で歩く
- タオルや衣類、くし、爪切り、バスタオルなどを共用する
- 免疫力が低下している(高齢、糖尿病、治療による免疫抑制など)
- 過度の発汗がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 発疹が急速に広がる
- 強い痛み、腫れ、熱がある
- 膿が出る、異臭がある
- 自分で何か薬を塗った後にかぶれが悪化した
定期受診を予約すべき場合:
- これまでにない長引く発疹やかゆみがある
- 市販のクリームで改善しない
- 爪に変化がある
- 職場で複数の人が同じ症状を出している
診断
医師が皮膚の見た目を確認し、必要に応じて皮膚を少しそぎ落として顕微鏡で調べます。これを「直接鏡検法」といいます。
行われる可能性のある検査
- 視診(見た目を確認)
- 皮膚や爪の一部を採取して顕微鏡で真菌を確認する検査
- 必要に応じて培養検査(原因菌を特定するために時間をかけて育てる検査)
診察で予想されること
受診当日に、多くの場合は検査結果が分かります。治療は1〜4週間ほど続くことが多く、爪に感染した場合は数か月かかることもあります。
治療
治療の基本は抗真菌薬です。真菌の増殖を抑えるための塗り薬や飲み薬が使われますが、薬の名前や使い方は医師の指示にしたがってください。早く治療を始めるほど、治りも早くなります。
自宅でのセルフケア
- 患部を清潔に保ち、完全に乾かす
- 毎日靴下や肌着を替え、通気性のよい素材を選ぶ
- タオル、靴、爪切り、くしなどは家族や同僚と共用しない
- かゆくても掻きこわさない。掻くと細菌感染を起こしやすい
- 仕事着やスポーツ用のタオルは洗って十分に乾燥させる
医療治療
抗真菌薬には、塗り薬(クリーム、軟膏、液剤)と飲み薬があります。症状や感染した場所によって使い分けられます。爪や頭皮、広範囲に感染がある場合は飲み薬が検討されます。医師の指示どおりに使い切ることが大切です。
手術が検討される場合
通常、真菌感染症に手術は必要ありません。まれに爪の感染が非常に重症で薬が効きにくい場合に、爪の除去が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
職場では、自分のタオルや着替えは個別に管理し、共用のスリッパやマットは使わないようにしましょう。更衣室での裸足を避け、ビニール製のサンダルやスリッパを利用すると予防になります。
生活習慣のアドバイス
- 入浴後は足の指の間までしっかり水分を拭き取る
- 汗をかいたらすぐに着替える
- 爪は短く切り、清潔な爪切りを使う
- 普段から睡眠と栄養をしっかりとり、体力を保つ
食事と運動
特別な食事療法はありませんが、バランスのよい食事と適度な運動で健康な皮膚を保つことが予防につながります。汗をかいた後のシャワーや着替えを習慣にしましょう。
精神的健康と心の健康
見た目が気になる症状であり、長引くと仕事や人間関係でストレスを感じることがあります。しかし、適切に治療すれば治る病気です。ひとりで悩まず、医師や薬剤師に相談しましょう。
予防
はい、予防可能です。真菌は乾燥に弱く、湿度の高い環境で増えやすいため、「清潔・乾燥・共用を避ける」ことで大きく防げます。
ワクチン
真菌感染症を予防するワクチンは現在ありません。
検診プログラム
定期的な健康診断や保健室の相談を活用しましょう。職場で集団発生の兆しがある場合は、早めに管理部門へ知らせることが大切です。
合併症
治療しない場合
- 真菌感染症を治療せずに長期間放置すると、体のほかの場所(脚、腕、頭皮、爪など)へ広がることがあります。
- かき壊すと皮膚の細菌感染(とびひなど)を起こすことがあります。
- 免疫力が低下している人は、重症化する可能性があります。
長期的な見通し
適切な治療を行えば、多くの真菌皮膚感染症は1〜4週間で改善します。爪の感染でも継続的な治療で治癒が期待できます。安心して医療機関に相談してください。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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