心臓病のリスクを減らすためにできること
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
心臓病のリスクを減らすとは、心筋梗塞(心臓の血管が詰まる病気)や脳卒中(脳の血管が詰まる・破れる病気)などの将来の発症につながる可能性のある要因を、生活習慣の改善や治療によって少なくしていくことです。心臓病は「動脈硬化(血管が硬く狭くなること)」が主な原因で、高血圧や喫煙、糖尿病などが大きく影響します。
重要な事実
- 多くの心臓病は、生活習慣の改善で予防できます。
- 高血圧や脂質異常症(血液の中の脂肪のバランスが乱れること)は、自覚症状がなくても治療が必要です。
- 禁煙は、心臓病のリスクを下げる最も効果的な方法の一つです。
心臓病は日本人の主要な死亡原因の一つで、決して特別な病気ではありません。年齢を重ねるほどリスクは高まりますが、正しい知識と対策で防げる点が多いこともわかっています。
高血圧や糖尿病、脂質異常症のある人、喫煙習慣のある人、運動不足の人、家族に心臓病の人がいる人などは、心臓病のリスクが高くなります。年齢・性別に関わらず注意が必要ですが、特に中高年でリスクは増えます。
症状
- 突然の強い胸の痛みや圧迫感が10分以上続く
- 胸の痛みとともに冷や汗、吐き気、めまいがある
- 突然の息切れで横になれない
- 意識を失う、または意識がもうろうとする
- ⚠胸の違和感が数分で消えたり繰り返したりする
- ⚠動悸が長く続く
- ⚠足のむくみが急にひどくなった
- ⚠めまいや立ちくらみが繰り返す
一般的な症状
- 胸の痛み・圧迫感(特に運動中や階段を上るとき)
- 息切れや息苦しさ
- 動悸(脈が飛ぶ・速くなる感じ)
- 足のむくみ
- 疲れやすさ
子供の症状
- 子どもでも心臓の病気はあるため、生まれつきの心臓病が原因で、疲れやすい、息切れ、唇や爪が青くなるなどの症状がみられることがあります。
高齢者の症状
- 高齢者では、典型的な胸の痛みを感じにくいこともあります。その代わりに、体がだるい、食欲がない、めまいがするなどの症状で現れることもあるので注意が必要です。
原因
主な原因
- 動脈硬化(血管が硬く狭くなること)が最も多い原因です。
- 血管の中にコレステロールなどがたまり、血流が悪くなります。
- 心臓の筋肉や弁に問題がある場合もあります。
リスク要因
- 高血圧(血圧が高いこと)
- 糖尿病(血糖値が高いこと)
- 脂質異常症(悪玉コレステロールが多いこと)
- 運動不足
- ストレス
- 家族に心臓病の人がいる
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 胸痛や息切れなど気になる症状がある場合は、ためらわずに医療機関へ
- 家庭で測った血圧が何度も高い場合
定期受診を予約すべき場合:
- 年に一度は健康診断を受け、血圧・血糖・コレステロールを確認する
- 心臓病の家族歴がある人は、医療機関で相談する
診断
心臓病のリスクが高いかどうかは、健康診断などの結果と生活習慣の聞き取りを組み合わせて評価します。医師が血圧や血液検査の値などを総合的に判断します。
行われる可能性のある検査
- 血圧測定
- 血液検査(コレステロール、血糖値など)
- 心電図(心臓の電気的な動きを調べる検査)
- 胸部レントゲン
- 必要に応じて心臓エコー(超音波で心臓の動きをみる検査)
診察で予想されること
検査は痛みを伴うものはほとんどありません。心電図やエコーは服の上から簡単に行えるものもあります。結果について医師と話し合い、今後の対策を決めていきます。
治療
リスクを減らす治療の基本は、生活習慣の見直しと、必要な場合に行う薬物治療です。医師の指示に従いながら、自分の生活に合った方法を続けることが大切です。
自宅でのセルフケア
- 禁煙する
- 塩分や脂肪のとりすぎに注意する
- 適度な運動を習慣にする(医師に相談してから始める)
- ストレスをためない工夫をする
- 適正体重を目指す
医療治療
生活習慣だけではリスクが十分に下がらないときは、医師の判断で薬が処方されることがあります。例えば、高血圧には血圧を下げる薬、コレステロールが高い場合には脂質を調整する薬、糖尿病には血糖値を下げる薬などがあります。薬の種類や飲む量は必ず医師が決めますので、自己判断でやめたり増やしたりしないでください。
手術が検討される場合
動脈硬化が非常に進み、血管が狭くなった場合や血栓ができた場合には、血管を広げる治療やバイパス手術が検討されることもありますが、これは医師の詳しい検査の上で決定されます。
この病気と共に生きる
心臓病のリスクを減らすには、毎日の小さな積み重ねが大切です。血圧や体重を定期的に測り、変化に気づいたら記録しておきましょう。医師や看護師、薬剤師に何でも相談できる関係を作っておくと安心です。
生活習慣のアドバイス
- 毎日30分程度の早歩きなど、軽い運動を続ける
- 食事は野菜や魚を中心にし、塩分と油分を控える
- 禁煙・節酒を心がける
- 十分な睡眠と休養をとる
- 体重を定期的に測る
食事と運動
食事は、野菜・果物・魚・全粒穀物をバランスよくとり、塩分はできるだけ控えることがすすめられます。運動は医師と相談しながら、無理のない範囲で行いましょう。いきなり強い運動をするのではなく、まずはウォーキングなどの有酸素運動から始めるのがおすすめです。
精神的健康と心の健康
心臓病のリスクについて気にしすぎると、不安やストレスを感じることがあるかもしれません。ストレス自体が心臓に負担をかけるため、リラックスする時間を持ったり、家族や友人に話したりすることも大切です。
予防
心臓病は、生活習慣の改善でかなりの部分を予防できます。特に禁煙、適度な運動、バランスのよい食事、血圧や血糖の管理が重要です。すべてを一度に変える必要はありません。できるところから始めましょう。
ワクチン
インフルエンザや肺炎球菌のワクチンは、心臓病のリスクを直接減らすものではありませんが、感染症を防ぐことで心臓への負担を軽くすることにつながります。予防接種については医師に相談してください。
検診プログラム
年に一度の健康診断で、血圧、血糖、コレステロールをチェックしましょう。健康診断結果で高血圧や血糖異常を指摘された場合は、早めに医療機関を受診してください。
合併症
治療しない場合
- 心筋梗塞(心臓の血管が詰まる病気)
- 脳卒中(脳の血管が詰まる・破れる病気)
- 心不全(心臓のポンプ機能が低下する状態)
- 狭心症(心臓の血管が細くなり胸が痛む病気)
長期的な見通し
心臓病は怖い病気ですが、現在は予防のための方法も治療も大きく進歩しています。早期にリスクに気づいて対策を始めれば、心臓病の発症や悪化を防げる可能性は十分にあります。安心して医療者と一緒に取り組みましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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