職場でできる痔(いぼ痔)の予防と対策
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
痔(じ)は、肛門(こうもん)の周りにある血管や組織がうっ血したり、腫れたりする状態です。いぼ痔(痔核)とも呼ばれ、肛門の内側や外側にふくらみができます。多くは、便通のときの出血や痛みとして気づきます。
重要な事実
- 痔は多くの人が一度は経験する身近な病気です。
- 長時間の座位や排便時のいきみが症状に関わることがあります。
- 早めに相談し、生活習慣を整えると症状は和らぎやすいです。
はい。痔はとてもありふれた病気で、特に30~50代の働く世代に多く見られます。症状があっても恥ずかしいと感じて、受診をためらう人が少なくありません。
長時間座って仕事をする人、便秘になりやすい人、妊娠・出産を経験した女性、重いものを持ち上げる仕事をしている人などに多く見られます。
症状
- 便器が真っ赤になるほどの大量の出血があり、めまいや立ちくらみを伴う場合は、すぐに119番に電話してください。
- 肛門周辺に激しい痛みや腫れがあり、立っていられないほどつらい場合は、すぐに119番に電話してください。
- ⚠黒い便や暗赤色の出血が続く(痔以外の可能性もあります)
- ⚠肛門の激しい痛みや腫れが急に出た
- ⚠出血が何度も繰り返す
- ⚠痔の症状に加えて発熱がある
一般的な症状
- 肛門の周りのかゆみや違和感
- 排便時の痛みや出血
- 肛門のふくらみや、いぼのようなできもの
- トイレットペーパーに血がつく
- 排便後にすっきりしない感じ
子供の症状
- 子どもにも見られることがありますが、多くは便秘が関係しています。排便を我慢しない習慣を身につけ、気になる場合は小児科に相談しましょう。
高齢者の症状
- 高齢者では、加齢や筋力低下で症状が出やすくなります。出血を痔だと思い込まず、大腸の病気が隠れている可能性もあるため、早めに受診することが大切です。
原因
主な原因
- 長時間の座位で肛門周辺の血管が圧迫される
- 便秘や下痢のときに排便を強くいきむ
- 重いものを持つなど、おなかに力が入る動作
- 妊娠・出産でおなかの中の圧力が高まる
- 慢性的な咳などで腹圧がかかる
リスク要因
- デスクワークなど座り仕事が多い
- 運動不足
- 食物繊維が不足しがちで水分をあまりとらない
- 年齢を重ねる
- 職場でトイレに行きにくく、排便を我慢しがち
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 出血が何度も続く、または量が多い
- 肛門の痛みが強く、座っていられない
- 腫れやしこりが大きくなった
- 痔の症状に加えて発熱がある
定期受診を予約すべき場合:
- 排便時の出血や違和感が1週間以上続く
- 肛門のかゆみやふくらみが気になる
- 妊娠中や産後に症状がある
- 健康診断で便潜血(べんせんけつ)を指摘された
診断
医師による診察が基本です。問診のあと、肛門の視診(ししん)や触診(しょくしん)を行います。内側の状態を見るために肛門鏡(こうもんきょう)という器具を使うこともありますが、数分で終わります。
行われる可能性のある検査
- 問診(いつから、どんな症状か)
- 肛門の視診・触診
- 肛門鏡で肛門の内側を確認
- 出血が続く場合などは大腸カメラ(内視鏡)をすすめられることもあります
診察で予想されること
診察は横向きまたはうつ伏せの姿勢で行うことが多いです。不安や痛みが強い場合は、医師にそのまま伝えましょう。診察後は、通常どおり生活できます。
治療
多くの痔は、生活習慣の見直しと薬物療法で症状を抑えることができます。治療の目的は、痛みや出血をやわらげ、肛門の血流をよくして再発を防ぐことです。症状に合わせて医師が治療方法を選びます。
自宅でのセルフケア
- 排便時に強くいきみすぎない
- トイレには長く座らない(5分以内を目安に)
- ぬるま湯で肛門を温めて血行をよくする(座浴)
- 蒸れを防ぐため、通気性のよい下着を選ぶ
- 排便後はやさしく拭き、清潔に保つ
医療治療
医療機関では、炎症やかゆみを抑える外用薬(塗り薬や座薬)、血行を改善する内服薬などが使われることがあります。市販薬を使う場合も、まずは薬剤師に相談してください。症状によっては、外来でできる処置を検討することもあります。
手術が検討される場合
手術が必要になるのは、症状が重く、日常生活に支障がある場合や、ほかの治療でよくならない場合です。仕事や生活スタイルに合わせて、医師と治療時期を相談できます。
この病気と共に生きる
症状があるときは、無理をせず、仕事中もときどき立ち上がって体を動かしましょう。痛みが強いときは、座布団やドーナツ型のクッションを利用すると楽になることがあります。
生活習慣のアドバイス
- こまめに立ち上がる、トイレを我慢しない
- 便秘や下痢をしないように生活リズムを整える
- お風呂で温まり、血流をよくする
- ストレスをため込まない
食事と運動
1日3食規則正しく食べ、野菜、海藻、きのこなど食物繊維を意識してとりましょう。水分もこまめにとるようにします。ウォーキングやストレッチなど、軽い運動で下半身の血流を保つことも大切です。
精神的健康と心の健康
出血や痛みが続くと「ほかの病気では」と不安になる方もいます。また、恥ずかしさから人に話せず、ひとりで悩むこともあります。痔は治療でよくなる病気です。不安やつらい気持ちが強く続くときは、ひとりで抱え込まず、医療機関や相談窓口に助けを求めましょう。
予防
はい。完全に防ぐことは難しくても、発症や再発のリスクを減らすことはできます。職場では、同じ姿勢を続けないことが大切です。1時間に1回は立ち上がって歩く、トイレを我慢しない、座り方を工夫するなどの対策を取り入れましょう。厚生労働省も働く世代の健康づくりとして運動習慣をすすめています。
ワクチン
痔を予防するためのワクチンはありません。
検診プログラム
痔そのものの特別な検診はありませんが、便潜血検査を含む健康診断を定期的に受けることが大切です。職場の健康診断を活用し、気になる症状があれば放置しないようにしましょう。
合併症
治療しない場合
- 痛みや出血が続いて、座る・歩く・仕事をするなど日常生活に影響する
- 痔の内側に血の塊(血栓)ができ、強い痛みを伴うことがある
- 出血が長く続くと、貧血になる可能性がある
- まれに、痔以外の病気が隠れている場合がある
長期的な見通し
痔はとても身近で、治療できる病気です。適切な対処と生活習慣の改善で、多くの場合症状はよくなります。恥ずかしさや不安を我慢せず、早めに相談することで、安心して仕事や毎日の生活を続けられます。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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