痔を予防するには?
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
痔(じ)は、おしりの穴(肛門)の周辺にある血管がうっ血して、腫れたり、ふくらんだりする状態です。いわば、おしりの静脈瘤のようなものです。
重要な事実
- 痔はとても身近な病気で、多くの人が一度は症状を経験するといわれています。
- 食生活や生活習慣の改善で予防できることが多いです。
- 排便のときに強くいきみすぎることが大きな原因になります。
はい。痔はとても身近で、成人の2〜3人に1人程度が経験するといわれています。正確な割合は調査によって異なりますが、決して特別な病気ではありません。
便秘がちな人、妊娠中の女性、長時間座りっぱなしの仕事をしている人、高齢者に多く見られます。しかし、年齢や性別にかかわらず、誰でも発症する可能性があります。
症状
- 排便時に大量の出血があり、立ちくらみやめまいがする
- 痛みや出血が急にひどくなり、我慢できない
- ⚠便に血が混じる
- ⚠肛門の強い痛みが続く
- ⚠しこりが急に大きくなった
一般的な症状
- 出血:排便のときに真っ赤な血がトイレットペーパーにつく
- かゆみ:肛門のまわりがかゆくなる
- 痛み:排便時や座っているときにお尻に痛みを感じる
- しこり:肛門のまわりに腫れたしこりが触れる
子供の症状
- 子どもの痔は便秘によることが多く、排便時にお尻を痛がったり、便に赤い血が混じったりすることがあります。
高齢者の症状
- 高齢者では筋力の低下や便通の乱れから痔になりやすくなります。脱肛(肛門の中の組織が外に出てしまう状態)を伴うこともあります。
原因
主な原因
- 排便時に強くいきむ
- 慢性の便秘や下痢
- 長時間座りっぱなし
- 妊娠や出産でおなかの中の圧力が高まる
リスク要因
- 食物繊維が少ない食事
- 水分不足
- 運動不足
- 重いものを持ち上げる仕事
- 家族に痔の人がいる(遺伝的な傾向)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 血が便に混じる、紙に付くなど出血がある
- お尻に強い痛みや腫れがある
- 排便習慣が変わった
定期受診を予約すべき場合:
- 症状が1週間以上続く
- 気になる症状があるが、様子を見てしまっている
診断
まず医師があなたの症状や生活習慣を詳しく聞きます。その上で、肛門のまわりや中を診察することで確認します。
行われる可能性のある検査
- 目で見て確認する視診
- 指を入れて肛門の内部を調べる直腸診(ちょくちょうしん)
- 肛門鏡(こうもんきょう)という器具で内部を見る検査
- 見逃してはいけない大腸の病気がないかを調べるため、必要に応じて大腸内視鏡検査が行われることもあります
診察で予想されること
診察は数分で終わることが多く、それほど痛みはありません。不安なときは先生にその旨を伝えましょう。
治療
痔の治療は、まず生活習慣の見直しとセルフケアが中心になります。それで改善しないときは、医師・薬剤師に相談し、症状に合わせた治療を受けます。
自宅でのセルフケア
- 食事の見直し:野菜や果物など食物繊維をしっかりとる
- 水分を十分に飲む(1日1.5〜2リットルを目安に)
- 排便のとき、強くいきまない
- ぬるま湯での座浴(お尻を温める)
- 座りっぱなしを避け、休憩のたびに立ち上がる
医療治療
クリームや座薬など肛門の症状を和らげる外用薬、あるいは内服薬が医師から処方されることがあります。最近では、切らない治療法として、ゴム輪で痔を縛る結紮術や、薬で硬化させる注射療法などもあります。ただし、どの治療が適しているかは症状や痔の種類によって異なります。医師と相談して決めましょう。
手術が検討される場合
重症の痔核(いぼ痔)が進行している場合や、ほかの治療法で改善しない場合は、手術が検討されることがあります。手術には日帰りのものと入院が必要なものがあり、それぞれメリットとデメリットを医師としっかり話し合うことが大切です。
この病気と共に生きる
日々の排便習慣を規則正しくし、トイレで長く座らず、必要以上にいきまないようにしましょう。便意を我慢しないことも大切です。
生活習慣のアドバイス
- お尻を清潔に保つ:お風呂でやさしく洗う
- 下着は通気性の良いものを選ぶ
- こまめに立ち歩く:仕事中も1時間に1回、姿勢を変える
- 排便のときはゆっくりと、しかし長く座らない
食事と運動
1日3食を規則正しく食べ、特に朝食を抜かないことで排便のリズムが整いやすくなります。水溶性食物繊維(わかめ、こんにゃく、りんごなど)と不溶性食物繊維(野菜、きのこ、豆類など)をバランスよくとりましょう。適度な運動(歩く、ストレッチ)は腸の動きを活発にします。
精神的健康と心の健康
痔の症状は、お尻がかゆい、痛い、出血するなど、日々の生活の質に影響することがあります。恥ずかしいからといって一人で悩み続けると、不安やストレスがさらに便通に悪影響を与えることもあります。我慢せずに医療者や家族に相談しましょう。
予防
痔は生活習慣の工夫で予防しやすく、一度よくなっても、同じ生活を続けると再発することがあります。食物繊維、水分、運動、排便習慣を整えることが、予防の基本です。
ワクチン
この病気に対する予防のためのワクチンはありません。
検診プログラム
痔自体の検診はありませんが、症状があり心配なときは医療機関で相談できます。便潜血検査(便に混じった血液を調べる検査)は、大腸がんの検診として行われており、痔の出血と似た症状の大病の早期発見にもつながるため、お住まいの自治体の検診を利用することもできます。
合併症
治療しない場合
- 痔の内部で血栓(血のかたまり)ができ、強い痛みを伴う
- 出血が続いて貧血になる
- 痔の組織が外に出たまま戻らなくなる(脱肛)
- かゆみやただれから湿疹や炎症を起こす
長期的な見通し
痔は、適切なケアと生活習慣の改善で、ほとんどの場合、症状をコントロールできます。たとえ再発しても、繰り返し治療や予防に取り組めば、普段の生活を安心して送れます。焦らず、専門医と一緒にあなたに合った方法を見つけていきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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