乾癬の生活の工夫:症状とうまく付き合うヒント
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
乾癬(かんせん)は、皮膚が赤くなり、白いふけのようなかさぶたができて、かゆみやヒリヒリした感じをともなう慢性の皮膚の病気です。免疫の働きが皮膚の生まれ変わりを速くしすぎてしまうことで起こります。人にうつることはありません。
重要な事実
- 人にうつらない
- 完全に消えなくても、症状をコントロールできる
- 保湿や生活リズムなどの自己管理がとても大切
- 爪や関節に影響が出ることもある
日本では約0.1〜0.5%の人にみられる、決してめずらしくない皮膚の病気です。
10〜20代で発症する人が多いですが、子どもから高齢者まで、どの年齢でも起こります。男性や、家族に乾癬の人がいるとやや多いといわれています。
症状
- 全身の広い範囲が急に真っ赤になり、発熱や寒気がする
- 皮膚に、ウミをもった小さな水ぶくれ(膿疱)が広範囲にあらわれる
- 息苦しさ、めまい、意識がもうろうとするなど、全身の状態が悪い
- ⚠関節の強い腫れや激しい痛みが続く
- ⚠皮膚が割れて深い傷になり、黄色いかさぶたや悪臭が出た(感染の可能性)
- ⚠突然、症状が広がり、痛みやかゆみで日常生活ができない
一般的な症状
- 赤く盛り上がった発疹に、白い細かいかさぶたがのる
- かゆみやヒリヒリする感じ、軽い痛み
- 肘、ひざ、頭皮、腰など、こすれやすい場所に出やすい
- 爪に小さなへこみ、厚み、変色がでる
- 関節のこわばりや痛み(かんせん性関節炎の可能性)
子供の症状
- 小さい赤い斑点が細かく出て、かさぶたが薄いことが多い
- 頭皮やオムツのまわりに出やすい
- かゆみで機嫌が悪くなったり、眠れなくなったりすることがある
高齢者の症状
- 肌の乾燥と重なって、かゆみが強くなりやすい
- 関節の痛みやこわばりが出やすい
- ほかの病気の薬を飲んでいる場合は、治療薬の組み合わせに注意が必要
原因
主な原因
- 免疫の働きに異常が起こり、皮膚の細胞を攻撃して生まれ変わりが速くなる
- 遺伝的な体質が関与することがある
- 人からうつる感染症ではない
リスク要因
- ストレスや睡眠不足
- かぜ、のどの痛みなどの感染症
- 皮膚の傷、こすれ、日焼け
- 喫煙、飲酒
- 一部の内服薬(処方されている薬について、医師に相談してみましょう)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 関節の腫れや激しい痛みがある
- 皮膚に感染を疑う赤みや痛み、膿がでた
- 急に広い範囲に症状が広がった
定期受診を予約すべき場合:
- 市販の保湿剤などで2週間ほど試してもよくならない
- かゆみや見た目が気になって仕事や睡眠に影響している
- 乾癬と診断されたが、治療方針について改めて説明を受けたい
診断
皮膚の見た目と、いつからどんな経過で出たのかという問診を中心に診断されます。必要に応じて、皮膚の一部を採取して顕微鏡で調べる検査(皮膚生検)を行うこともあります。
行われる可能性のある検査
- 視診(赤みやかさぶたの形を確認)
- 問診(家族歴、きっかけ、生活習慣、症状の経過)
- 皮膚生検(局所麻酔をして米粒大の皮膚を採取し調べる)
- 関節症状がある場合は、レントゲンや超音波検査
診察で予想されること
診察では、いくつかの皮膚を見せたり、かなり具体的な質問をされたりします。症状に気づいた時期、きっかけ、家族に同じ病気の人がいるかなどを整理してから受診すると、診察がスムーズです。
治療
乾癬は、一度かかったら症状がまったく出なくなるという意味の“完治”は難しい病気ですが、症状をしっかり抑える方法が進歩しています。湿疹の部位や程度に合わせて、塗り薬、光線療法、飲み薬などを組み合わせて治療します。皮膚科医と相談しながら、長く付き合っていくことが大切です。
自宅でのセルフケア
- 入浴後、3分以内に保湿剤を塗る
- 刺激の少ない石けんやシャンプーを使う
- かゆくてもこすらず、爪を短くして軽く押さえる
- 乾燥、寒さ、過度の日焼けから肌を守る
- 症状が悪くなるときのきっかけをメモして、自分なりの予防法を見つける
医療治療
医療による治療には、外用薬(塗り薬)、紫外線を患部に当てる光線療法、飲み薬、注射や点滴で行う生物学的製剤などがあります。どの治療を選ぶかは、皮膚の状態や生活の状況、副作用のリスクを考えて皮膚科医が判断します。薬を自己判断でやめたり、ほかの人と使いまわしたりせず、疑問があればかかりつけの医師に相談してください。
手術が検討される場合
乾癬そのものに対して手術を行うことは原則ありません。関節の変形などで整形外科の手術が必要になるまれなケースはありますが、まずは皮膚科で治療し、医師が専門的な判断をします。
この病気と共に生きる
生活のなかで『症状を消すこと』だけを目標にしすぎず、『皮膚と上手に付き合う』という気持ちで続けることが長続きのコツです。毎日のスキンケア、適度な運動、睡眠を、無理のない範囲で日常のリズムに取り入れましょう。
生活習慣のアドバイス
- 毎日、決まった時間に保湿をする
- シャワーや入浴は熱すぎず、短めに
- 刺激の少ない綿素材の衣類をえらぶ
- 禁煙を心がけ、飲酒は控えめにする
- 趣味や散歩など、自分なりのストレス解消法を持つ
- 睡眠時間を十分にとり、生活リズムを整える
食事と運動
特定の食べ物で必ずよくなるという証明はまだありません。魚や野菜を中心としたバランスのよい食事と、ウォーキングなどの軽い運動は、体重の管理とストレスの軽減に役立ちます。急なダイエットやサプリメントに頼らず、続けやすいことからはじめてください。
精神的健康と心の健康
肌の見た目やかゆみのために、人と会うのがおっくうになったり、気分が落ち込んだりすることがあります。つらい気持ちはひとりで抱えず、家族や友人、医師に話すことが大切です。もし、自分を傷つけたくなるような気持ちがわいたら、ひとりで悩まず、信頼できる人に知らせてください。命の危険を感じるときはためらわずに119番へ連絡してください。
予防
乾癬そのものを予防することはできませんが、悪化のきっかけ(かぜ、ストレス、皮膚の傷、喫煙、飲酒など)をへらすことで、再発や症状の悪化をやわらげられます。これからは、自分に合った予防法を身につけていくことが最善の対策です。
ワクチン
乾癬に特別な予防接種はありません。ただし、治療に使う薬によっては、かぜや肺炎などのワクチン接種のタイミングを検討する必要があります。予防接種を受ける前には、主治医に相談してください。
検診プログラム
乾癬には特別な検診はありませんが、かんせん性関節炎や血管の病気、糖尿病などの合併症が増える可能性が指摘されています。かかりつけ医で血圧や血糖値、関節の症状などを定期的に確認してもらうことがすすめられます。
合併症
治療しない場合
- 皮膚のひび割れから細菌感染が起こる
- 関節の炎症が進み、動きが悪くなる
- かゆみや見た目の悩みで睡眠不足や生活の質の低下が続く
- 心臓や血管の病気、糖尿病などの合併症のリスクが高まる可能性がある
長期的な見通し
乾癬は長く付き合う病気ですが、決して希望がないわけではありません。今どきの治療と毎日のセルフケアで、症状をほとんど気にならない状態に保つことも可能です。多くの患者さんが仕事、家事、趣味を十分楽しみながら生活しています。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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