酒さのリスクを減らすには
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
酒さ(しゅさ)は、顔の中央部分を中心に、赤み・ほてり・ぶつぶつ・毛細血管の目立ちなどが現れる慢性(長く続く)の皮膚の病気です。いわゆる「赤ら顔」として知られています。原因はまだ完全にはわかっていませんが、肌のバリア機能の低下や血管の反応、皮膚の炎症などが関わっていると考えられています。適切なケアで症状をコントロールすることができます。
重要な事実
- 酒さは感染症ではないので、人にうつることはありません。
- 日光・ストレス・熱い飲み物・アルコールなどが症状を悪化させる引き金になることがあります。
- 皮膚科で診断を受け、生活習慣を見直すことで、多くの人は症状をうまく管理できます。
比較的多い皮膚の悩みで、成人、特に30〜50代に多く見られます。有病率は報告によって異なりますが、世界中で数%から10%程度とされています。
色白の女性に多く見られますが、男性や色黒の方でも発症することがあります。年齢的には40歳以上が多く、肌が敏感な方に起こりやすい傾向があります。
症状
- 顔の赤みとともに、激しい痛みや高熱が出る
- 赤みが急速に広がり、顔がはれてくる
- 呼吸が苦しくなる、唇やのどが急にはれる
- ⚠目が赤い・痛い・異物感がある・視力が低下した
- ⚠顔のぶつぶつや膿が増えて、1週間以上改善しない
- ⚠顔全体に赤みと腫れが広がっている
一般的な症状
- 顔の中心(ほほ、鼻、おでこ、あご)が赤くなる
- 赤いぶつぶつや小さな膿(うみ)ができる
- ほほや鼻の毛細血管が目立って見える
- 顔が熱くほてる・かっとする
- 化粧品やスキンケアがしみる、ピリピリする
原因
主な原因
- 原因は完全には解明されていません。
- 肌のバリア機能の低下や、血管が反応しやすい状態が関係しています。
- 皮膚のニキビダニ(毛包虫)への反応や、遺伝的な要素も関与するといわれています。
リスク要因
- 日光・紫外線
- 熱いお風呂・サウナ・寒風などの温度の急な変化
- アルコール(特に赤ワイン)や辛い食べ物
- ストレスや感情の変化
- 熱い飲み物
- 刺激の強い化粧品やスキンケア用品
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 目の症状(痛み・赤み・異物感・視力低下)がある
- 顔の赤みや腫れが急速に広がる
- 激しい痛みや発熱がある
定期受診を予約すべき場合:
- 顔の赤みやぶつぶつが3週間以上続く
- セルフケアでは改善しない
- 見た目が気になって仕事や日常生活に支障がある
診断
酒さの診断は、主に医師による視診(目で確認する)と問診(症状や経過を聞くこと)で行われます。顔の赤みの部位、ぶつぶつの形、毛細血管の状態、症状が現れる頻度などを詳しく確認します。
行われる可能性のある検査
- 通例、特別な検査はありません。
- 似た症状の病気(ニキビ、湿疹、接触皮膚炎など)を区別するために、かぶれのパッチテストや皮膚の状態確認が行われることがあります。
診察で予想されること
診察室では、顔を見せやすい服装で行けばよいでしょう。医師からは、これまでの症状の経過や、使っているスキンケア用品を聞かれます。お薬の処方やスキンケアのアドバイスを受け、継続的に通院しながら状態をみることが多いです。
治療
酒さは「治す」というより、症状をうまくコントロールしていく病気です。治療の基本は、肌をこまめに保護し、悪化させる要因を避けること。皮膚科で処方される治療には、炎症や赤みを抑える外用薬や内服薬、血管が目立つ場合のレーザー・光治療などがあります。1人ひとりの症状に合わせて計画を立てます。
自宅でのセルフケア
- ぬるま湯で洗顔し、清潔なタオルでやさしく拭く(こすらない)
- 刺激の少ない保湿剤を毎日使う
- 外出時は日焼け止めを塗り、日傘や帽子で紫外線を防ぐ
- 熱いお風呂やサウナは避け、ぬるめのお湯で入浴する
- 化粧品は肌に合うものを選び、使用後はやさしく落とす
医療治療
医師による治療では、炎症や赤みを抑えるための外用薬(塗り薬)や内服薬が使われることがあります。血管が太く目立つ場合は、レーザーや光を使った治療が行われることもあります。薬や治療の選択は、症状の程度や状態によって異なります。必ず皮膚科医の指示に従ってください。
手術が検討される場合
一般的には手術をすることはありませんが、鼻の皮膚が厚く盛り上がる鼻瘤では、レーザーや外科的治療が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
酒さは慢性的な症状のため、治療にはある程度の時間がかかります。毎日のスキンケアと生活習慣の見直しが何より大切です。調子の良い日も悪い日もありますが、あわてずに自分のペースで続けましょう。
生活習慣のアドバイス
- 紫外線対策を毎日欠かさない
- 十分な睡眠をとり、疲れをためない
- ストレスを感じたら、深呼吸や好きなことをして気分転換する
- 顔がほてるときは、冷たいタオルでそっと冷やす
- スキンケアやメイク用品は、肌の反応を見ながら少しずつ試す
食事と運動
香辛料の多い食事やアルコールは、血管を拡張させて赤みを悪化させることがあります。できる範囲で控えめにしてみましょう。適度な運動は血行を整えるのに役立ちますが、無理のない強さで。汗をかいたらやさしく洗い流し、しっかり保湿してください。
精神的健康と心の健康
顔の見た目に関する悩みは、人に知られたくないと感じることもあり、ストレスや不安を引き起こすことがあります。そのような感情を持つのは自然なことです。無理に隠そうとせず、必要に応じて医師に相談したり、信頼できる人に話したりすることが、気持ちの負担を減らす助けになります。
予防
酒さそのものを完全に予防する方法はまだありません。しかし、日々の紫外線対策やスキンケア、生活の工夫によって症状の悪化を防ぎ、穏やかな状態を保つことができます。第一歩は、自分の肌に合ったケアを見つけることです。
ワクチン
酒さを予防するためのワクチンはありません。
検診プログラム
日本で特定の年齢で受けるような検診はありませんが、気になる症状がある場合は早めに皮膚科を受診しましょう。
合併症
治療しない場合
- 赤みが固定化し、毛細血管の浮き出しが目立つようになる
- ぶつぶつや膿を繰り返し、皮膚のくぼみや瘢痕(あと)が残ることがある
- 眼の酒さでは、放置すると目の炎症や視力に影響が出る可能性がある
長期的な見通し
酒さは、治療を継続すれば多くの人が症状を十分にコントロールできます。赤みやほてりは続くこともありますが、適切なケアによって目立たなくなり、日常生活を快適に送ることができます。あきらめずに、医療機関と一緒に取り組んでいってください。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。