コレステロール検診(脂質検査)について知っておきたいこと
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
コレステロール検診は、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)の値を調べる検査です。これによって、心臓や血管の病気のリスクを早い段階で見つけることができます。
重要な事実
- コレステロールは体に必要な栄養素ですが、多すぎると血管に脂がたまり、心筋梗塞や脳卒中などの原因になります。
- コレステロール値の異常は、ほとんどの場合、自覚症状がないため、検査で確認することが大切です。
- 日本では、健康診断や特定健診(メタボ健診)に脂質検査が含まれています。
はい。日本人の成人の多くが、何らかの脂質異常を指摘されたことがあります。特に中高年で多く見られますが、決して珍しいものではありません。
家族に高コレステロールの人がいる、肥満がある、喫煙する、運動不足、高血圧、糖尿病などの人は、より注意が必要です。また、年齢とともに上がりやすいため、40歳以上の方は定期的な受診が勧められます。
症状
- 突然の強い胸の痛みや圧迫感がある
- 胸の痛みに加えて冷や汗、吐き気、体のだるさを伴う
- ろれつが回らない、片側の手足が動かない、顔のゆがみがある
- ⚠胸の痛みが短時間でおさまる症状をくり返す(狭心症の可能性)
- ⚠ふらつきやめまいが続く
- ⚠健診で「要精密検査」と言われ、まだ医療機関を受診していない場合
一般的な症状
- 通常、コレステロールが高いだけでは自覚症状はありません。
- 非常に高い場合は、まれに皮膚や腱に黄色いしこり(黄色腫)が見られることがありますが、多くは検診で見つかります。
原因
主な原因
- 遺伝的要因(家族性高コレステロール血症など)
- 飽和脂肪酸を多く含む食事(動物の脂身、バター、加工肉など)
- 運動不足、肥満、喫煙、過剰な飲酒
- 加齢や女性の閉経後のホルモンバランスの変化
リスク要因
- 家族に早い時期の心筋梗塞や脳卒中、高コレステロールの人がいる
- 高血圧、糖尿病、慢性腎臓病を抱えている
- 非アルコール性脂肪肝がある
- 特定の薬(ステロイド薬など)の使用によって続発することがある(かかりつけ医に相談しましょう)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状が現れた場合は、迷わず119番に電話してください。
- すでに心臓や血管の病気で治療中の人は、かかりつけ医の指示に従い、症状の変化があればすぐに連絡しましょう。
定期受診を予約すべき場合:
- 健康診断や特定健診で脂質異常を指摘されたら、一度医療機関を受診して再検査を受けましょう。
- 家族に心筋梗塞や脳卒中が多い人は、40歳より前でも一度相談すると安心です。
- 生活習慣の改善を続けているのに、数値が改善しない場合は受診しましょう。
診断
コレステロール値は、腕の静脈から血液を数ミリリットル採血して調べます。多くの場合、空腹時(食事を10時間以上とらずに)に測定します。医療機関や健康診断の会場で行われます。
行われる可能性のある検査
- 総コレステロール
- LDLコレステロール(悪玉コレステロール)
- HDLコレステロール(善玉コレステロール)
- 中性脂肪(トリグリセライド)
- 非HDLコレステロール(総コレステロールからHDLを差し引いた値)
診察で予想されること
検査は数分間の採血で終わり、痛みはほとんどありません。結果は通常1〜2週間以内にわかります。健診の場合は、後日結果が届くことが一般的です。異常があれば、医師から詳しい説明があります。
治療
コレステロール値が高い場合、最初は生活習慣の改善が中心になります。それでも改善しない場合や、心臓や血管の病気のリスクが高い場合は、医師の判断で薬物治療を検討することがあります。薬を始めるかどうかは、年齢、血圧、血糖値、喫煙歴などを総合的に評価して決まります。
自宅でのセルフケア
- 野菜・魚・大豆製品を中心に、バランスのよい食事を心がける
- 動物性の脂質やバターなどの飽和脂肪酸を控え、青魚やナッツなどの不飽和脂肪酸を適度にとる
- ウォーキングなど、やや息がはずむ有酸素運動を週に150分ほど目安に行う
- 禁煙し、お酒は適量(日本酒なら1合程度)にとどめる
- 適正体重を維持する(BMIの目安は25未満)
医療治療
治療薬には、コレステロールの合成を抑える薬や、腸での吸収を抑える薬など、いくつかの種類があります。医師が患者さんの状態やほかの持病に合わせて処方を検討します。薬は医師の指示に従って飲み続けることが大切です。自己判断で中止せず、気になる副作用があればすぐに相談してください。
手術が検討される場合
一般的に、コレステロール値が高いだけでは手術は必要ありません。ただし、動脈硬化が進行して心臓の血管が狭くなった場合には、冠動脈の治療(カテーテル治療やバイパス手術など)が検討されることがあります。重症の家族性高コレステロール血症では、特別な治療が行われることもあります。
この病気と共に生きる
コレステロール値の管理は、長く付き合うものです。日々の食事や運動の積み重ねが何より大切です。また、定期的に検査を受けて自分の数値を知ることは、生活改善の励みになります。一人で頑張りすぎず、医療者と一緒に取り組むことをおすすめします。
生活習慣のアドバイス
- 朝食を抜かず、規則正しい食事を心がける
- 間食は果物や無塩のナッツを選ぶ
- エレベーターではなく階段を使うなど、日常生活の活動量を増やす
- ストレスをためない工夫(趣味、睡眠、人との交流)をする
- 喫煙している方は禁煙外来を利用する
食事と運動
食事では、緑黄色野菜、果物、豆類を積極的にとり、肉の脂身、バター、加工食品を控えるのが基本です。青魚に多く含まれるDHAやEPAは、血液を健康に保つ働きがあるといわれています。運動は、息がはずみ汗ばむ程度の有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、水泳など)を週に150分ほど目標にするのが目安です。ただし、持病がある方は、事前に医師に相談してから始めましょう。
精神的健康と心の健康
健康診断で異常を指摘されると、動揺したり不安を感じるのは自然なことです。しかし、コレステロール値は生活改善や治療によって改善することが多く、過度に心配しすぎる必要はありません。不安なときは、医療者に何度でも質問し、納得いくまで説明を求めてもよいのです。
予防
コレステロール値は、生活習慣の改善によって多くの場合、予防や改善が可能です。特に、健康的な食事、運動、禁煙、適正体重を維持することで、高い状態を防ぎやすくなります。ただし、遺伝的な要因がある場合は、生活習慣だけで完全に防げないこともあります。その場合も、早期に発見し管理することで、合併症のリスクを減らせます。
ワクチン
コレステロール値を直接予防するワクチンはありません。ただし、インフルエンザなどの感染症は心臓や血管の病気を悪化させることがあるため、かかりつけ医と相談して予防接種を受けておくことは、全体の健康維持に役立ちます。
検診プログラム
日本では、40歳以上の方を対象にした特定健診(メタボ健診)に脂質検査が含まれています。職場の健康診断でも行われています。自覚症状がないからといって受けずにいると、動脈硬化が知らない間に進んでしまうことがあります。お近くの医療機関や健診機関で、定期的に血液検査を受けることをおすすめします。
合併症
治療しない場合
- 動脈硬化が進み、狭心症や心筋梗塞を起こしやすくなる
- 脳卒中(脳梗塞や脳出血)のリスクが高まる
- 足の血管が細くなり、歩行時に痛みが出る閉塞性動脈硬化症につながることがある
- 大動脈解離や腹部大動脈瘤など、命にかかわる病気のリスクも上がる
長期的な見通し
コレステロール異常は、きちんと管理すれば、寿命や生活の質に大きく影響しません。生活習慣の改善や治療薬はどれも効果が確かめられています。定期的に検査を受け、医療者と一緒に取り組めば、将来に過度な不安を感じる必要はありません。一歩ずつ、無理なく続けることが希望につながります。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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