皮膚の真菌(カビ)感染症:症状・検査・ケア
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
皮膚に真菌(カビ)が感染して、かゆみや赤み、カサカサした発疹などを起こす病気です。一般的には「水虫」「たむし」「しらくも」などと呼ばれることもあります。
重要な事実
- 感染力はありますが、ほとんどの場合は皮膚だけの感染で、深刻な病気ではありません。
- 治療には抗真菌薬が使われます。市販薬もありますが、診断を受けてから使うのが安心です。
- きちんと治療すれば、数週間でよくなることがほとんどです。
とてもよくある感染症です。特に、高温多湿の日本では、夏場に患者さんが増えます。
年齢や性別を問わず誰にでも起こりますが、汗をかきやすい人、水仕事が多い人、足や皮膚が湿った状態が続く人はリスクが高くなります。
症状
- 感染した部分が急に腫れて、熱を持ち、赤みが急速に広がる
- 高熱(38度以上)や悪寒が続く
- 全身に発疹が広がり、水ぶくれや皮膚がはがれる
- ⚠顔や頭皮に感染が広がった
- ⚠糖尿病や免疫を抑える治療を受けている場合で、感染が広がりそう
- ⚠かゆみが強く、眠れないほど
- ⚠自己処置で悪化した
一般的な症状
- 強いかゆみ
- 赤みや炎症
- 輪のような、または円形の発疹
- 皮膚のカサつき・フケのようにはがれ
- 足の指の間のびらん(ただれ)や白っぽいふやけ
- 爪の変色や厚み(爪水虫の場合)
子供の症状
- 子どもの場合、頭皮や顔にも症状が出やすいです。
- かゆみでかきむしり、感染が広がることがあります。
- 頭部の場合は、フケのような白いかけらがつくこともあります。
高齢者の症状
- 高齢者は皮膚が薄く、治りが遅いことがあります。
- 水虫を放置すると、足の爪に広がって爪水虫になりやすいです。
- 糖尿病や免疫力が弱っている場合は、重症化する可能性があります。
原因
主な原因
- 白癬菌(はくせんきん)と呼ばれる真菌(カビ)
- マラセチアなど皮膚に常在する真菌の過剰増殖
- 原因となる真菌への接触(感染した人・動物・床などから)
リスク要因
- 高温多湿の環境(夏場、梅雨)
- 足の指の間が蒸れる(靴を長時間履く、通気性の悪い靴)
- タオルや床の共用
- 汗をかきやすい体質
- 糖尿病や免疫力の低下
- すでに皮膚に傷や湿疹がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 症状が急速に広がっている
- 痛みや膿、腫れがある
- 顔や頭など目立つ部分にできた
- セルフケアで1週間以上よくならない
定期受診を予約すべき場合:
- 気になる発疹が2週間以上続く
- 家族やペットにも似た症状が出た
- 妊娠中・授乳中で市販薬を使うか迷う
- 一度治ってもすぐに繰り返す
診断
皮膚科で、患部の見た目や問診を確認し、必要に応じて皮膚を軽くこすって取ったものを顕微鏡で調べます。
行われる可能性のある検査
- 皮膚の顕微鏡検査(KOH直接検鏡)
- 真菌培養(原因の菌を特定する検査)
- ウッド灯検査(一部の真菌で蛍光を観察)
診察で予想されること
診察は数分から十数分程度。検査は痛みを伴いません。皮膚をスライドガラスで軽くこすります。
治療
真菌をやっつける抗真菌薬を使います。市販薬もありますが、まず医師の診断を受けて適切な薬を選ぶことが大切です。自己判断で塗り続けるとかえって悪化することがあります。
自宅でのセルフケア
- 患部を清潔に保ち、よく乾燥させる
- タオルや靴下は毎日交換し、他の人と共用しない
- 足は入浴時に指の間までしっかり洗って、水分を拭き取る
- 通気性の良い靴や衣類を選び、汗をかいたら早めに着替える
- かきむしらない(引っかき傷から二次感染の恐れ)
医療治療
治療薬は抗真菌薬という種類で、クリーム・軟膏・液体などの塗り薬と、重症や爪などに使う飲み薬があります。症状や部位に応じて、医師が適切な種類・期間を処方します。治ったように見えても、原因の菌が残っていることがあるため、医師の指示に従い、最後まで使い切ることが大切です。薬の種類や使い方について、薬剤師にも相談できます。
手術が検討される場合
真菌感染症の治療に手術は必要ありません。爪水虫などで重症の場合でも、外用薬や飲み薬での治療が基本です。
この病気と共に生きる
毎日のスキンケアと生活習慣で、感染の拡大を防げます。洗った後の体をよく拭き、とくに足の指の間を乾燥させましょう。治療中も、普段通りの生活を送って問題ありませんが、感染部位のケアを続けることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 入浴後は清潔なタオルで体を拭き、患部を最後に拭く
- 風呂の足ふきマットは共用せず、こまめに洗う
- 靴は複数用意して交互に履き、乾燥させる
- 手の感染がある場合は、手袋をして家事をする
- ペットの脱毛・皮膚症状に気づいたら動物病院に相談する
食事と運動
特別な食事制限はありません。バランスの良い食事と適度な運動で、免疫力を保つことが助けになります。血糖値が高い人は、糖尿病のコントロールも感染予防に役立ちます。
精神的健康と心の健康
皮膚の症状は見た目に現れるため、恥ずかしさや不安を感じる人もいます。しかし、真菌感染症は治療が確立された病気です。周囲に移すのではと心配する気持ちを、医師や薬剤師に話して相談しても大丈夫です。治療を続けることが早くよくなる近道です。
予防
真菌(カビ)は湿気を好むため、皮膚を乾燥させ、清潔に保つことで予防できます。共有物を介した感染も防ぎやすい病気です。
ワクチン
現在、真菌感染症に対する予防接種はありません。
検診プログラム
特別な検診はありませんが、気になる症状や繰り返し感染する場合は、皮膚科で受診するとよいでしょう。仕事や生活習慣で感染しやすい人(アスリート、水商売、介護職など)は、定期的に皮膚の状態をチェックしてもらうこともあります。
合併症
治療しない場合
- 体の他の部分(爪、頭部、全身)に広がる
- 細菌の二次感染を起こして、腫れや膿が生じる
- 周囲の人やペットにうつす可能性が高まる
- 特に免疫力が低下している場合は、重症化して治療期間が長くなる
長期的な見通し
正しい診断と治療によって、多くの真菌感染症は数週間でよくなります。爪に感染した場合も、治療に数か月かかることがありますが、根気よく続ければ改善します。自己判断で中断せず、医師の指示を守ることが、再発や慢性化を防ぐカギです。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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