心臓の検査(心臓スクリーニング)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
心臓のスクリーニングとは、自覚症状がない段階で心臓の働きや血管の状態を調べる検査です。心臓病を早い段階で見つけて、きちんと治療すれば重症化を防げるため、健康診断などで行われます。
重要な事実
- 心臓のスクリーニングは、症状がなくても心臓病のリスクを評価できます。
- 心電図や心臓エコーなど、痛みの少ない検査が中心です。
- 異常があっても、すぐに重い病気というわけではなく、追加の検査や生活習慣の改善で対応できることが多いです。
心臓病は日本人の死亡原因の上位を占める身近な病気です。そのため、会社や地域の健康診断で心電図などの心臓スクリーニングが広く行われています。
年齢を重ねるほどリスクは上がりますが、高血圧・糖尿病・脂質異常症がある人、喫煙者、肥満傾向の人、運動不足の人、家族に心臓病の人がいる場合などは、特に受けることがすすめられます。
症状
- 胸の強い痛みが5分以上続く、または締め付けられるような圧迫感がある
- 冷や汗や吐き気を伴う胸の痛みがある
- 突然呼吸ができなくなるほど苦しい
- 突然、激しいめまいや意識を失うような状態になった
- ⚠胸の痛みが出たり消えたりするが、軽くても繰り返す
- ⚠突然の激しい動悸が治まらない
- ⚠片足のふくらはぎが大きく腫れて痛む
- ⚠普段はない強い疲労感や息苦しさがある
一般的な症状
- 胸の痛み・圧迫感・締め付けられる感じ
- 動悸(脈が速くなったり、飛ぶような感じ)
- 息切れや呼吸がしにくい
- めまいやふらつき
- 足やまぶたのむくみ
- 疲れやすい
子供の症状
- 運動中に息切れを起こしやすい
- 唇や爪の色が青っぽくなる
- 学校の健康診断で心雑音を指摘された
- 急に意識を失う(失神)
高齢者の症状
- 胸の違和感が安静時だけでなく食事や階段の後にも現れる
- 日常の動作で息切れがする
- 足のむくみが続く
- 急にだるくなったり、寝込んだりする
原因
主な原因
- 動脈硬化(血管が硬くなったり狭くなったりすること)
- 脂質異常症(コレステロールや中性脂肪の異常)
- 心筋や弁の病気
- 心不全(心臓のポンプの働きが弱ること)
リスク要因
- 家族に心臓病や脳卒中を起こした人がいる
- 運動不足
- 過度の飲酒
- 慢性的なストレス
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 胸の痛みや息苦しさが続く
- 意識が飛びそうになる・失神した
- 足や顔の急なむくみがある
定期受診を予約すべき場合:
- 健康診断で心電図や心臓の異常を指摘された
- 胸の違和感が何度かあるが、すぐ治まる
- 心臓病の家族歴があり、一度検査を受けたい
- 生活習慣病(高血圧・糖尿病など)を指摘されている
診断
問診で症状や生活習慣・家族歴を聞いたあと、聴診器での診察を行い、必要な検査を組み合わせて心臓の働きを調べます。
行われる可能性のある検査
- 心電図(心臓の電気的な働きを調べる)
- 心臓エコー(超音波で心臓の形や動きを確認する)
- 運動負荷試験(運動中の心臓の状態を調べる)
- ホルター心電図(24時間、日常生活中の心電図を記録する)
- 心臓CT・MRI(心臓や血管の詳しい画像を撮る)
- 心臓カテーテル検査(必要に応じて、血管の中まで調べる)
診察で予想されること
多くの検査は体に負担が少なく、心電図は数分、心臓エコーは15分程度で終わります。結果はその場でわかるものもあれば、後日医師から説明を受けるものもあります。検査前に食事制限が必要な場合もあるので、指示に従いましょう。
治療
治療は心臓の状態や原因によって異なります。生活習慣の改善を基本に、必要に応じて薬や手術などの治療を組み合わせます。医師の説明を受けながら、自分に合った治療を続けることが大切です。
自宅でのセルフケア
- 禁煙する
- 減塩する(1日6g未満を目安とする)
- 野菜や魚を中心としたバランスのよい食事
- ウォーキングなどの有酸素運動を医師に相談しながら行う
- 体重を適正に保つ
- 睡眠を十分にとり、ストレスをためない
医療治療
薬を用いる場合は、血圧を下げる薬、脂質を調整する薬、血液が固まりにくくなる薬などがあります。どの薬をどのくらい飲むかは、医師が心臓の状態や体質を見て決めます。市販の薬やサプリメントとの飲み合わせもあるため、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。
手術が検討される場合
冠動脈(心臓の血管)が強く狭くなっている場合や、心臓の弁に重い異常がある場合、薬だけでは十分な効果が期待できないときに、カテーテルによる治療や手術を行うことがあります。
この病気と共に生きる
心臓病と診断されても、日々の生活を工夫しながら治療を続ければ、元気に暮らせる方が多くいます。通院を続け、気になる症状があればすぐに医師に伝えましょう。
生活習慣のアドバイス
- 無理をせず、疲れたら休む
- 喫煙は心臓に大きな負担をかけるため禁煙する
- 飲酒は医師に相談し、制限する
- ストレスをため込まないように、趣味や気分転換の時間を持つ
- 睡眠不足を避け、規則正しい生活を心がける
食事と運動
塩分を控えて、野菜・果物・魚を意識して取り入れましょう。運動はウォーキングなど軽い有酸素運動がすすめられますが、負荷の強さは医師と相談して決めるのが安心です。いきなり激しい運動をするのは避けましょう。
精神的健康と心の健康
心臓病と診断されると、不安や落ち込みを感じることがあります。気持ちに蓋をせず、家族や友人、医療スタッフに話すことで気持ちが楽になります。ひとりで抱え込まないことが大切です。
予防
心臓病の多くは生活習慣の改善でリスクを大きく下げられます。特に禁煙・減塩・適度な運動・定期的な健康診断が重要です。
ワクチン
インフルエンザや肺炎球菌の予防接種は、心臓病の悪化を防ぐために役立つ場合があります。予防接種を受ける際は、心臓の持病があることを伝えて医師に相談してください。
検診プログラム
健康診断を毎年受け、血圧・脂質・血糖・心電図を定期的に確認しましょう。自覚症状がなくても、検査で心臓病のリスクが見つかることがあります。
合併症
治療しない場合
- 心筋梗塞(心臓の血管が詰まる病気)
- 心不全(心臓のポンプ機能が低下する)
- 不整脈(脈が乱れる)
- 脳梗塞(脳の血管が詰まる)
長期的な見通し
心臓病は早期に見つけて適切な治療を続ければ、多くの方は症状を抑えて、以前と変わらない生活を送ることができます。前向きに治療に取り組んでいきましょう。
サポートを探す
国際機関
地域の団体
- 公益財団法人 日本心臓財団 ↗ · 日本
- 一般社団法人 日本循環器学会 ↗ · 日本
- 厚生労働省 ↗ · 日本
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。