IBS(過敏性腸症候群)の検査と診断
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
IBS(過敏性腸症候群)は、おなかの下痢や便秘、痛みなどを繰り返す機能性の病気です。検査では大きな異常が見つからないのに、つらい症状が続くことが特徴で、命に関わるものではありません。
重要な事実
- IBSは10人に1人が経験する身近な症状です
- IBSの診断は、症状と他の病気の除外が中心です
- IBSは食事やストレスによって症状が変わります
はい、とても一般的です。日本人の約10人に1人が経験すると言われ、特別な病気ではありません。
10代から20代の若い人に多く、女性は男性よりやや多い傾向があります。子どもから高齢者まで、どの年齢でも起こり得ます。
症状
- 突然の激しい腹痛
- 大量の下血(鮮やかな赤い血便)
- 高熱を伴う強い腹痛
- 立ちくらみや意識もうろう、冷や汗
- ⚠便に血が少量でも混ざる
- ⚠原因不明の体重減少
- ⚠夜間にも痛みや下痢で目が覚める
- ⚠1週間以上続く下痢や便秘
- ⚠おなかが急に膨れて激しく痛む
一般的な症状
- おなかの痛みや不快感が続く(排便で楽になることがある)
- 下痢と便秘を繰り返す
- おなかが張る、ガスがよく出る
- 便に粘液が混じることがある
- 便が残っている感じがする
子供の症状
- おなかの痛みを訴える
- 下痢や便秘を繰り返す
- 食欲が落ちる、学校を休みがちになる
高齢者の症状
- 便秘が続きやすくなる
- おなかの張りを感じる
- 体重減少や食欲低下は他の病気の可能性もあるため注意が必要
原因
主な原因
- ストレスや精神的な緊張が腸の動きに影響する
- 食事の内容(脂っこいもの、辛いもの、乳製品など)が誘因になる
- 腸の知覚過敏で、少しの刺激でも強く感じる
- 腸内細菌のバランスの変化が関わる
リスク要因
- ストレスが多い環境(職場・学校など)
- 不安や心配事を抱えている
- 不規則な生活や睡眠不足
- 過食や飲酒、喫煙などの生活習慣
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 激しい腹痛がある
- 血便が出た
- 高熱を伴う
- 食事や水分がとれず、脱水が心配される
定期受診を予約すべき場合:
- 下痢や便秘が数週間以上続く
- おなかの張りや痛みで仕事や家事に支障がある
- 便通が気になって不安が強い
- 体重が減ってきた
診断
IBSの診断は、あなたの症状の話を詳しく聞くことから始まります。『最近の便通は?』『痛みはどこにありますか?』などを質問されます。これに加えて、他の病気を除外するための検査を行い、IBSの診断基準に合うかどうかを判断します。
行われる可能性のある検査
- 問診(症状の内容・きっかけ・生活習慣・ストレスについての質問)
- 血液検査(貧血や炎症を調べる)
- 便潜血検査(目に見えない血が混じっていないか調べる)
- 腹部エコー(肝臓や胆のう、膵臓などの臓器の状態を確認)
- 大腸内視鏡検査(必要時のみ。直接大腸を観察し、炎症やがんの有無を確認)
診察で予想されること
まずは問診が中心です。必要に応じて血液検査や便検査、腹部エコーなどを行います。これらの検査は痛みの少ないものばかりです。大腸内視鏡が必要な場合には、検査の前に説明があります。結果は1~2週間でわかることが多いです。
治療
IBSの治療は、お薬に頼りすぎず、生活習慣の改善やストレス対処を組み合わせて行います。症状のタイプ(下痢型・便秘型・混合型など)に合わせて、医師と一緒に治療方針を決めます。
自宅でのセルフケア
- 毎日同じ時間に食事をとる
- 野菜や果物で食物繊維を意識する(ただし、摂りすぎに注意)
- 脂っこい料理や辛いもの、アルコールを控える
- 十分な睡眠を確保する
- 軽いストレッチや深呼吸でリラックスする
- 日記をつけて症状が出やすい場面をチェックする
医療治療
医療機関では、腸の動きを調節するお薬や、下痢や便秘をやわらげるお薬が処方されることがあります。また、痛みや不安が強い場合には、腸の神経に働きかけるお薬や抗不安薬が使われることもあります。どのお薬も、必ず医師の指示に従って服用してください。市販薬を自己判断で使うのは避けましょう。
手術が検討される場合
IBSそのものに手術が必要になることはありません。ただし、検査の結果、手術が必要な他の病気(例えば大腸がんや憩室炎など)が見つかった場合は、その病気に対して手術が検討されます。
この病気と共に生きる
IBSは再発を繰り返しながらも、うまく付き合っていける病気です。自分の症状の傾向を知り、早めに対処することで、安心して日常を過ごせます。トイレの場所を確認するなど、安心できる工夫も役立ちます。
生活習慣のアドバイス
- 朝起きて軽い運動をする
- 朝食はしっかり食べる
- 外出時にはトイレの場所を確認する
- ストレスを感じたら、その場で深呼吸する
- 眠れない日は入浴してリラックスする
食事と運動
食事は急いで食べず、よく噛んでゆっくり食べましょう。食物繊維の多い食品(野菜、海藻、果物など)と水分を十分にとることが便秘に良い一方、下痢が強いときは食物繊維を控えめにするなど、症状に合わせて調整しましょう。ウォーキングなどの有酸素運動は、腸の働きを整えるのに役立ちます。
精神的健康と心の健康
IBSの症状は、「またおなかが痛くなるのでは」という不安を生み、それが症状を悪化させることもあります。気分の落ち込みや強い不安がある場合は、一人で抱え込まずに医療者に相談してください。心の健康のサポートも含めた治療が提供されることがあります。
予防
IBSを完全に予防する方法はありませんが、規則正しい生活、バランスの取れた食事、適度な運動、ストレスをためないことは、症状の出現や悪化を抑える可能性があります。
ワクチン
IBSを予防するためのワクチンはありません。
検診プログラム
IBS特有のスクリーニング検査はありません。ただし、40歳以上で大腸がん検診(便潜血検査など)を受けることは、IBSに似た症状を起こす他の病気の早期発見につながります。検診の時期や内容については、自治体やかかりつけ医の案内に従いましょう。
合併症
治療しない場合
- 症状が長引くことで生活の質が低下する
- 学校や仕事を休みがちになる
- 不安症やうつ病などの精神的な問題を合併しやすくなる
- 便秘が続くことで痔(いぼ痔)が悪化することがある
長期的な見通し
IBSは完治よりも、症状と上手に付き合うことが大切です。多くの人が、適切な治療や生活習慣の見直しにより、症状の悩みを減らしています。あなたに合った方法を見つけるために、焦らず医療者と連携していきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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