精巣(睾丸)の健康を保つための生活のヒント
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
精巣(睾丸)は、男性の体にある生殖器官のひとつで、精子と男性ホルモン(テストステロン)を作る大切なはたらきをしています。陰嚢(いんのう)の中に左右ひとつずつあり、健康を保つためには、日ごろからの観察と生活習慣が重要です。この記事では、精巣の健康を守るための生活のヒントと、気をつけるべき症状について、わかりやすく説明します。
重要な事実
- 毎月1回、入浴中などに精巣のセルフチェック(自己検診)を行うと、異変に早く気づけます。
- 精巣は左右で大きさが少し違うことが普通ですが、急な変化や痛みがある場合は注意が必要です。
- 精巣のしこりは痛みがないこともあり、痛くなくても医療機関を受診することが大切です。
- 精巣の異常は、若い世代に多いですが、どの年代でも起こり得ます。
精巣にまつわる症状(しこり、腫れ、痛みなど)は、男性なら誰でも経験する可能性があります。精巣がんは比較的まれながんですが、15歳から35歳の若い男性に最も多く見られます。
すべての男性に影響する可能性がありますが、特に生まれたとき精巣が陰嚢に下りていなかった(停留精巣)人はリスクが高くなります。また、精巣の痛みや腫れは、子どもの頃から高齢者までどの年代でも起こり得ます。
症状
- 突然の激しい精巣の痛み
- 陰嚢への強い外傷(けが)
- 痛みとともに吐き気や嘔吐がある
- 精巣がねじれるような感覚(精巣捻転の可能性)
- ⚠精巣にしこりを感じる(痛みがなくても)
- ⚠陰嚢が急に腫れた
- ⚠精巣の痛みが数時間以上続く
- ⚠発熱をともなう精巣の腫れや痛み
一般的な症状
- 精巣(睾丸)のしこりやでこぼこ
- 精巣の腫れや重だるさ
- 精巣の痛み、または痛みを伴わない違和感
- 陰嚢の左右で大きさが急に変わる
- 下腹部や鼠径部(足の付け根)の不快感
子供の症状
- 陰嚢が赤く腫れる、触ると痛がる
- 精巣の位置が左右で違う、または片方だけ触れない
- 突然の強い痛みで泣いたり、歩きたがらない
- 吐き気や嘔吐をともなうことがある
高齢者の症状
- 陰嚢の腫れや重い感じ
- 精巣の萎縮(小さくなる)
- 排尿時の違和感や痛みが続く
- 精巣周辺の皮膚のかゆみや発赤
原因
主な原因
- 精巣捻転(精巣を支える索がねじれて血流が止まる)
- 精巣上体炎(精巣の後ろにある管の炎症、多くは細菌感染)
- 精巣がん(精巣の細胞が異常に増える)
- 陰嚢水腫(陰嚢の中に水がたまる)
- 精索静脈瘤(精巣の静脈がこぶのように膨らむ)
- 外傷(打撲などによるけが)
リスク要因
- 停留精巣(生まれたときに精巣が陰嚢に下りていない)の既往
- 精巣がんの家族歴
- 思春期や若年成人(15〜35歳)
- 感染症(性感染症を含む)
- 激しい運動による陰嚢への繰り返しの刺激
- 長時間の座位や締め付けの強い下着の着用(血流や温度に影響する可能性)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然の激しい痛みがある場合(救急外来へ)
- 陰嚢に強いけがをした場合(すぐ救急外来へ)
- 高熱とともにおこる腫れ、痛みの場合(当日中に医療機関へ)
定期受診を予約すべき場合:
- しこりや硬い部分を触れた場合(1週間以内に)
- 左右の大きさの変化が気になる場合
- 痛みがないけれど違和感や重だるさが続く場合
- 排尿の症状にともなう違和感がある場合
診断
医師が問診と、視診・触診(見て触って確かめる)を行います。必要に応じて、画像検査や血液検査をして、原因を調べます。
行われる可能性のある検査
- 陰嚢の超音波検査(痛みのない検査で、しこりや血流を確認します)
- 血液検査(腫瘍マーカーや炎症の有無を調べます)
- 尿検査(感染症の有無を調べます)
- 場合により、CT検査などで他の臓器を確認することがあります
診察で予想されること
検査は外来で行われることが多く、特別な準備はほとんどいりません。診察の際は、下着を脱いで陰嚢を見せていただくことがありますが、医師やスタッフはプライバシーに配慮します。不安なことは遠慮せず質問してください。
治療
治療法は原因によって異なります。感染症には抗生物質などの薬(医師が処方するもの)、精巣捻転には緊急手術、精巣がんには手術を中心とした治療が行われます。良性の病気の場合は経過観察でよいこともあります。
自宅でのセルフケア
- 痛みや腫れがあるときは安静にし、陰嚢を冷やす(タオルで包んだ保冷剤など)
- サポーターやトランクスタイプの下着で陰嚢を支える
- 清潔を保ち、蒸れやかゆみを防ぐ
- 激しい運動や自転車の長時間の乗車を避ける
- 痛みがある間は入浴を避け、シャワーで済ませる
医療治療
感染症による炎症には、医師が処方する抗生物質(抗菌薬)を使います。症状に合わせて痛み止めが使われることもありますが、薬は必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。精巣捻転は早急な手術が必要です。精巣がんと診断された場合は、病期に応じて手術、抗がん剤治療、放射線治療などが検討されます。
手術が検討される場合
精巣捻転は、発症から早いほど精巣を温存できる可能性が高いため、緊急手術が必要です。精巣がんでは、精巣を摘出する手術が標準的な治療になります。陰嚢水腫や精索静脈瘤でも、症状によって手術が行われることがあります。
この病気と共に生きる
毎月1回、入浴中にセルフチェックを行いましょう。親指と人差し指で精巣を軽く転がすようにして、しこりや痛み、硬さの変化がないか確認します。左右の大きさの違いは普通ですが、変化に気づいたらメモを取って医師に相談しましょう。
生活習慣のアドバイス
- バランスの良い食事を心がける(野菜、果物、魚を意識して)
- 適度な運動を習慣にする(ウォーキングや軽いジョギングなど)
- 喫煙や過度の飲酒を控える
- 締め付けの強い下着は避け、通気性の良いものを選ぶ
- ストレスをためず、十分な睡眠をとる
- 性感染症を予防するため、安全な性行動を心がける
食事と運動
精巣の健康に特別な食品はありませんが、バランスの良い食事と適度な運動が全身の血流を良くし、ホルモンバランスを整えるのに役立ちます。太りすぎや痩せすぎは男性ホルモンに影響する可能性があるため、健康的な体重を維持しましょう。
精神的健康と心の健康
精巣に症状があると、「がんだったらどうしよう」と不安になる方も多いです。しかし、多くの精巣の病気は早期なら治療しやすいものです。気持ちが落ち込んだり、眠れない日が続く場合は、ひとりで抱え込まずに医師やカウンセラーに相談しましょう。
予防
精巣がんや精巣捻転など、すべての病気を予防することはできません。しかし、毎月のセルフチェックと、異常を感じたときにすぐ受診することで、早期発見・早期治療につながります。健康的な生活習慣は感染症や生活習慣病の予防に役立ちます。
検診プログラム
定期的ながん検診として、精巣がんのスクリーニング(検診)は一般的には行われていませんが、男性自身が毎月セルフチェックを行うことが推奨されます。停留精巣の手術を受けた人は、医師の指示に従って定期的な経過観察を行いましょう。
合併症
治療しない場合
- 精巣捻転を放置すると、血流が止まった精巣が壊死(組織が死ぬ)し、摘出が必要になることがあります
- 感染症を放置すると、精巣周辺に膿がたまったり、炎症が広がることがあります
- 精巣がんを放置すると、ほかの臓器に転移する可能性があります
- 精索静脈瘤のうち一部は、精巣の機能低下や不妊に関係することがあります
長期的な見通し
精巣の病気は、早期に治療を始めれば多くの場合、治癒が期待できます。特に精巣がんは、現代の治療で治りやすいがんのひとつとされています。精巣捻転も、早く手術すれば精巣を温存できる可能性が高くなります。たとえ片方の精巣を取り除いても、もう片方で十分な精子やホルモンを作ることができる場合がほとんどです。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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