下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)の予防:仕事中にできること
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)は、脚の静脈の中にある「弁(べん)」という血液の逆流を防ぐ部分がうまく働かなくなり、血液がたまって血管が太く膨らむ病気です。血管が浮き出たり、脚がむくんだり、重だるくなったりします。
重要な事実
- 仕事中に長時間立っている、または座っていることは、脚の血流を悪くする大きな原因になります。
- 初期のうちは、見た目の変化だけでなく、夕方に脚が重だるく感じることが多いです。
- 弾性ストッキングやこまめな休憩、運動などの日常生活の工夫で、症状はやわらげられます。
とても多く見られる病気です。特に立ち仕事や座り仕事が多い人では、注意が必要です。
立ち仕事やデスクワークが多い人、妊娠したことのある女性、加齢によって血管が弱くなった人、家族に同じ症状の人がいる場合に多く見られます。
症状
- 脚が急に腫れて強い痛みや熱感がある(血液のかたまり=血栓の可能性)——すぐに119番へ連絡してください
- 脚の皮膚が赤紫色になり、冷たくなっている——すぐに119番へ連絡してください
- 息切れや胸の痛み、突然の意識が遠くなる感覚があらわれた——すぐに119番へ連絡してください
- 静脈瘤から出血が止まらない——すぐに119番へ連絡してください
- ⚠脚の腫れやだるさが急に悪化した
- ⚠皮膚に色の変化や湿疹、ただれがあらわれた
- ⚠静脈瘤からの出血が続くが止血できる
- ⚠痛みで仕事や生活に支障がある
一般的な症状
- 脚の血管がボコボコと浮き出る
- 脚のむくみ(特に夕方にひどくなる)
- 脚のだるさ・重さ・痛み
- 脚のつり(こむら返り)
- 脚のかゆみやほてり
- 皮膚の色が黒ずむ(進行した場合)
原因
主な原因
- 静脈の中の弁(血液の逆流を防ぐふた)が傷んだり壊れたりすることで、血液が逆流して脚にたまります。
- 長時間の立ち仕事や座り仕事で、ふくらはぎの筋肉がポンプの役割をしにくくなり、血液が上に戻りにくくなります。
- 加齢によって血管の壁や弁がもろくなります。
- 妊娠中は大きくなった子宮が脚からの血液の流れを圧迫します。
リスク要因
- 立ち仕事・座り仕事(長時間同じ姿勢)
- 太りすぎ・肥満
- 妊娠・出産の経験
- 加齢(年をとること)
- 家族に下肢静脈瘤の人がいる
- 運動不足
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 脚が急に腫れて痛みがある
- 皮膚が赤黒くなったり、硬くなったりしている
- 胸の痛み・息切れがある
- 脚の静脈瘤から出血した
定期受診を予約すべき場合:
- 脚のだるさ・むくみが続く
- 血管のふくらみが気になる
- 脚の皮膚にかゆみや湿疹ができた
- 仕事に支障がある
診断
診察では、脚の血管を目で見て触り、血液の流れや逆流の状態を超音波(エコー)検査で調べます。
行われる可能性のある検査
- 問診(症状や仕事、生活習慣の聞き取り)
- 視診・触診(脚の見た目と触り心地の確認)
- 超音波(エコー)検査
診察で予想されること
超音波検査は痛みがなく、検査着のままベッドに横になって行います。検査時間は30分前後で、結果をもとに医師から説明があります。
治療
症状の程度によって、生活習慣の改善や弾性ストッキング(脚を圧迫するストッキング)による圧迫療法などの保存的な治療から、血管内治療や手術といった根本的な治療まで選択肢があります。医師とよく相談して決めましょう。
自宅でのセルフケア
- 長時間同じ姿勢を避け、1時間に1回は立ち上がって歩く
- 座るときは足を組まず、足の下に台を置く
- 休憩時に足を心臓より高く上げる
- 弾性ストッキングを医師や看護師の指導のもとで正しく使う
- 適度な水分をとる
医療治療
弾性ストッキングによる圧迫療法、血管内治療(カテーテルを使い、レーザーや高周波で静脈をふさぐ方法)、外科手術(静脈を取り除く方法)などがあります。薬は症状をやわらげるためのもので、根本的な治療ではありません。具体的な治療法は、血管の状態や患者さんの希望を考えて医師が提案します。
手術が検討される場合
脚の腫れや痛みが強い、皮膚潰瘍ができた、日常生活に大きな支障がある、または見た目を強く気にされている場合は、手術(血管内治療を含む)が検討されます。
この病気と共に生きる
仕事中は、こまめに休憩し、脚の筋肉を動かすことで血流を助けましょう。デスクワークの人は、椅子に座ったままかかとの上げ下げをするだけでも効果があります。終業後は、足を高くして休むとむくみがラクになります。
生活習慣のアドバイス
- 適度な運動(ウォーキング、水泳など)を習慣にする
- 体重を適正に保つ
- 長時間の立ちっぱなし・座りっぱなしを避ける
- 弾性ストッキングを日常的に使用する
- 禁煙する(喫煙は血行を悪くします)
食事と運動
塩分を控えめにし、バランスのよい食事を心がけましょう。便秘は脚の血流を悪くするため、食物繊維や水分をしっかりとることも大切です。無理のない範囲で週に数回、ウォーキングなどの有酸素運動を行いましょう。
精神的健康と心の健康
脚の見た目が気になったり、痛みやだるさが続いたりすると、気分が落ち込むこともあります。つらい気持ちを一人で抱え込まず、医師や看護師に相談してください。自分や周りの人の心の健康が心配なときは、地域の保健センターや心の健康相談窓口に連絡しましょう。
予防
完全に防ぐことは難しいかもしれませんが、職場でのちょっとした工夫や生活習慣の見直しによって、発症リスクや症状の進行を減らすことができます。
検診プログラム
職場の健康診断で下肢静脈瘤の検査が行われることは一般的ではありませんが、気になる症状があれば、ためらわずに医師に相談しましょう。
合併症
治療しない場合
- 血栓性静脈炎(静脈の中に血の塊ができて炎症を起こす)
- 皮膚炎・湿疹
- 色素沈着(皮膚が黒ずむ)
- 皮膚潰瘍(治りにくい深い傷)
- 静脈瘤からの出血
長期的な見通し
命にかかわることはまれですが、放置すると合併症が起こることがあります。早めに治療や生活管理を始めれば、多くの場合、症状は改善し、仕事を続けながら上手につきあっていくことができます。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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