フェイスリフト(顔のたるみを引き上げる手術)
概要
フェイスリフトは、顔や首の皮膚、そしてその下の組織を引き上げて固定し、頬やあごまわりのたるみ、深いシワを目立たなくする美容目的の手術です。日本語では「顔面リフト術」とも呼ばれます。加齢そのものを止める治療ではなく、今あるたるみを改善して、見た目の印象を整える方法です。効果は数年単位で続くことが多いものの、永久に続くわけではなく、その後も自然な加齢は進みます。日本では保険がきかない自由診療(全額自己負担)になるのが一般的です。
重要な事実
- 顔と首の皮膚を引き上げて固定する手術で、美容目的で行われます
- 効果は数年続くことが多いですが、永久的ではなく、その後も加齢は進みます
- 腫れや内出血など、回復までに数週間かかるのがふつうです
- 手術にはリスクがあり、受けるかどうかは説明をよく聞いたうえで自分で決めるものです
美容外科の手術としては世界中で広く行われている部類に入ります。日本でも関心は高まっていますが、受ける人の数や内容は地域や施設によって差があります。最近は、より傷の小さい方法や、手術以外の方法を選ぶ人も増えています。
主に40〜60代で、頬やあご、首のたるみが気になりはじめた人が検討します。たるみの出方は、生まれつきの骨格や皮膚の性質、紫外線、喫煙、体重の変化、そして加齢によって変わります。性別を問わず関心をもたれるテーマですが、実際に手術を受ける人は女性が多いとされています。
症状
- 手術後に息が苦しい、呼吸がしづらい、声が出しにくい
- 顔や首が急に大きく腫れて、のどが締めつけられる感じがする
- 胸の痛み、急な息切れ、片脚だけの腫れや痛み(血管が詰まる病気のサインの可能性)
- 意識がぼんやりする、会話がかみ合わない
- 傷からの出血が強く、圧迫しても止まらない
- ⚠手術の傷のまわりが赤く腫れて熱をもち、膿のようなものが出る(感染のサイン)
- ⚠急に強くなる痛みや、がまんできない痛み
- ⚠皮膚の色が黒っぽく変わる、冷たくなる(血の流れが悪くなっているサインの可能性)
- ⚠顔の片側だけが急に動かしにくい、しびれる
- ⚠38度以上の発熱が続く
一般的な症状
- 頬の肉が下がって、顔の輪郭が四角く見える
- 鼻から口にかけてのシワ(ほうれい線)が深くなる
- 口元からあごにかけて、下向きのシワやたるみが出る
- あごの下がたるんで、いわゆる「二重あご」のように見える
- 首の皮膚がゆるんで、あごとの境目がわかりにくくなる
- 顔の皮膚をつまむと、元に戻りにくく感じる
子供の症状
- 子どもにこの手術が行われることは基本的にありません。子どもの顔のたるみや左右差が気になる場合は、小児科や皮膚科、形成外科に相談してください。
高齢者の症状
- 皮膚の弾力が低下しているため、効果の出方や持続期間に個人差が大きくなります
- 高血圧や糖尿病などの持病、血液を固まりにくくする薬などを服用している場合は、事前の相談が特に大切です
- 回復に時間がかかることがあり、腫れが引くまでに数週間から数か月かかることもあります
- 「どこまで変化を望むか」を現実的に話し合っておくと、術後の満足度につながります
原因
主な原因
- 加齢による、皮膚のコラーゲンや弾力成分の減少
- 顔の脂肪や組織の位置が下がること(重力の影響)
- 紫外線による皮膚のダメージの積み重ね
- 喫煙による皮膚の血の流れの悪化
- 体重の増減を繰り返すことでの皮膚のゆるみ
- 生まれつきの骨格や皮膚の厚さ、顔の形の特徴
リスク要因
- 喫煙(傷の治りが悪くなり、回復が遅れることがあります)
- 糖尿病や高血圧などの持病
- 血液を固まりにくくする薬を服用している
- 傷あとが盛り上がりやすい体質(ケロイド傾向)
- 紫外線を長く浴びてきた生活
- 急な減量や、体重の増減の繰り返し
- 期待する仕上がりと、実際に可能な変化の差が大きい場合
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 手術後に息苦しさ、のどの締めつけ感、強い出血がある(ためらわず救急へ)
- 傷の感染を疑う症状(赤み、腫れ、熱感、膿、発熱)がある
- 皮膚の色の変化や、急な強い痛みがある
- 顔の動きに急な左右差や麻痺が出た
定期受診を予約すべき場合:
- たるみが気になりはじめ、選択肢を整理したいとき
- 手術以外の方法も含めて、自分に合う方法を知りたいとき
- 施術を受ける前に、リスクや費用、回復期間の説明をしっかり聞きたいとき
- 施術後、腫れや傷あとの経過に不安があるとき(手術を受けた施設の指示に従ってください)
- 「なぜ受けたいのか」「何を変えたいのか」を一人で抱え込まず相談したいとき
診断
フェイスリフトは「診断して治療する病気」ではなく、希望に基づいて行う手術です。まずはカウンセリングと診察で、顔の皮膚のたるみ方、脂肪のつき方、骨格、皮膚の質を確認します。同時に、持病、服用中の薬、アレルギー、過去の手術歴、喫煙や生活習慣をうかがい、手術を受けるうえでの安全面を確認します。そのうえで、実現できる変化と限界、リスク、費用、回復にかかる期間について説明を受けます。
行われる可能性のある検査
- 視診と触診による、皮膚のゆるみ方や輪郭の確認
- 正面・斜め・横からの写真撮影( before/after の記録用)
- 血液検査(貧血や肝臓・腎臓の機能、血液の固まりやすさの確認など)
- 血圧測定や心電図(麻酔を使う場合の安全確認)
- 必要に応じて、持病の主治医からの情報提供
診察で予想されること
カウンセリングでは、希望を具体的に伝えることが大切です。「どこが、どう気になっているのか」を言葉にすると、話が進みやすくなります。説明を受けたら、費用の総額、追加費用が起こる可能性、ダウンタイム(日常生活に戻るまでの期間)、もし結果に満足できなかった場合の選択肢まで確認しておきましょう。納得できないまま契約したり、その場で決めるよう強く勧められたりした場合は、いったん持ち帰って考えるのが安心です。日本では自由診療となるため、費用や説明の内容を書面で受け取り、保管しておくことをおすすめします。
治療
たるみへの対処には、手術以外の方法も含めていくつかの選択肢があります。効果の大きさ、持続期間、リスク、費用、そして回復に必要な時間はそれぞれ違います。「何を優先したいか」をはっきりさせると、選びやすくなります。
自宅でのセルフケア
- 毎日の保湿と紫外線対策で、皮膚の乾燥とダメージを減らす
- 禁煙する、または本数を減らす(傷の治りに影響します)
- 急な減量を避け、体重を安定させる
- 十分な睡眠とバランスのよい食事で、皮膚の健康を保つ
- 施術を検討する前に、複数の情報源で内容を比べてみる
- 気になる点はメモにまとめ、相談時に質問できるようにする
医療治療
中心となるのは手術で、顔や首の皮膚を切開し、下の組織ごと引き上げて固定する方法が一般的です。切開の範囲や麻酔の方法(局所麻酔か全身麻酔か)は、たるみの程度や希望、施設の方針によって変わります。手術以外には、皮膚の表面を整えるレーザーなどの治療、注入による治療、糸を使って引き上げる方法などがありますが、効果の出方や持続期間は手術とは異なります。どの方法も一長一短があり、組み合わせを提案されることもあります。具体的な方法や薬剤の選択は、必ず医師の説明と判断に従ってください。
手術が検討される場合
手術は、たるみがはっきりしてきて、手術以外の方法では満足できる変化が期待しにくい場合に検討されます。ただし、喫煙中、持病のコントロールが不十分、出血しやすい状態、感染症にかかっているときなどは、手術を延期したほうが安全なことがあります。年齢だけで決まるものではなく、皮膚の状態、健康状態、そして何より本人の希望と納得が基準になります。
この病気と共に生きる
手術を受けた場合、腫れや内出血は数日から2週間ほどがピークで、その後ゆっくり引いていきます。多くの人は1〜2週間ほどで外出や軽い仕事に戻れることが多いものの、腫れが完全に引いて仕上がりがわかるのは数か月先になるのがふつうです。傷あとのケア、日焼け対策、運動や入浴の再開時期については、手術を受けた施設の指示に必ず従ってください。手術をしない場合も、スキンケアを続けることで肌の印象は変わっていきます。
生活習慣のアドバイス
- 紫外線対策(日傘、帽子、日焼け止め)を習慣にする
- 禁煙、節酒を心がける
- 保湿を毎日の習慣にする
- 急な体重変化を避ける
- 睡眠を十分にとる
- 術後は、指示された期間は激しい運動や飲酒を控える
食事と運動
特別な食事制限は必要ありません。野菜やたんぱく質を含むバランスのよい食事と、無理のない範囲の運動は、皮膚の健康や回復を助けます。手術後は、血の流れをよくするために軽い歩行から再開し、激しい運動や上半身に負荷のかかる運動は、医師の許可が出てからにしましょう。
精神的健康と心の健康
見た目の変化を目的とした手術では、期待と現実のギャップに戸惑うことがあります。術後すぐは腫れで「思っていたのと違う」と感じやすく、気持ちが落ち着かない時期が続くこともあります。また、body image(自分の体に対するイメージ)への不安や、周囲の目が気になる気持ちが生じることもあります。つらさが続くときは、一人で抱え込まず、手術を受けた医師や、心の相談ができる窓口に話してみてください。
予防
加齢による変化そのものを止めることはできません。ただし、紫外線対策、禁煙、保湿、体重を安定させることは、皮膚のゆるみやシワが進む速さをやわらげる助けになります。また、手術を「受けるか受けないか」を急いで決めず、情報を集めて納得してから選ぶことが、後悔を防ぐ一番の予防になります。
検診プログラム
フェイスリフトに関して、定期的に受けるべき検査は定められていません。ただし、肌のほくろやシミの変化が気になる場合は、皮膚科で診てもらうことが大切です。手術を検討する際には、健康状態を確認するための検査が行われます。
合併症
治療しない場合
- 手術をしないことで健康を損なうことはありません。たるみは病気ではありません
- たるみやシワは、自然な加齢とともに少しずつ進んでいきます
- 手術を受ける場合には、腫れ、内出血、感染、傷あと、一時的な感覚の変化や顔の動きにくさなどのリスクがあります
- 結果に満足できない、左右差が気になるといった可能性も、事前に説明を受けます
長期的な見通し
フェイスリフトは、たるみを改善する方法のひとつとして、多くの人にとって選択肢になります。効果は数年続くことが多いものの永久ではなく、その後も自然な加齢は続きます。手術を受けない、あるいは別の方法を選ぶことも、まったく問題のない選択です。大切なのは、自分の目的とリスクを理解したうえで、納得して決めること。迷ったときは、急がずに相談を重ねることが、よい結果への近道になります。
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最終更新: 2026年11月3日
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