電気的カルディオバージョン(心拍を整える電気ショック治療)
概要
電気的カルディオバージョンは、乱れた心臓のリズムを正常に戻すために、胸に貼った電極から短い電気ショックをあてる治療です。心房細動(心臓の上の部屋が細かく震え、脈が不規則になる不整脈)や心房粗動などでよく行われます。処置は病院で、眠りを浅くする薬(鎮静)を使いながら行うことが多く、手術のように胸を切るものではありません。
重要な事実
- 病院で行う予定された処置で、多くは数分から十数分で終わります。
- 処置中は鎮静を使って、痛みや不快感を和らげます。
- 不整脈の原因を調べたり、血栓(血のかたまり)がないか確認したりしてから行います。
- 一度で正常なリズムに戻っても、再発することがあるため、経過観察や生活習慣の見直しが大切です。
心房細動などに対する一般的な治療法のひとつで、日本でも広く行われています。
症状
- 以下の症状があれば、すぐに119番に連絡してください。
- 意識を失う、または意識がもうろうとする
- 胸の強い痛みが続く
- 息が苦しくて話せない、唇が青くなる
- 顔の片側が下がる、腕が動かない、言葉が出にくい(脳卒中のサイン)
- 速い動悸が続き、めまいや失神がある
- ⚠新しく始まった動悸や脈の乱れ
- ⚠息切れやむくみが悪化している
- ⚠めまいで日常生活に支障がある
- ⚠処置後に発熱、胸の痛み、息苦しさ、出血が気になる
一般的な症状
- この治療が必要になる不整脈では、次のような症状がみられます。
- 動悸(心臓がドキドキする、脈が速いと感じる)
- 息切れ、階段や歩行で疲れやすい
- 胸の不快感
- めまい、ふらつき
- 脈が不規則に感じる
子供の症状
- 小児ではまれですが、先天性の心臓病などがある場合に不整脈が起こることがあります。
- 赤ちゃんでは、ミルクを飲みにくい、元気がない、息が速い、機嫌が悪いなどの形で気づかれることがあります。
高齢者の症状
- 高齢者では動悸を感じにくく、息切れ、疲れやすさ、ふらつき、転倒、食欲低下などで気づかれることがあります。
- 持病の薬や脱水、感染症がきっかけになることもあるため、いつもと違う様子に注意しましょう。
原因
主な原因
- 心房細動や心房粗動などの不整脈
- 高血圧、心臓弁膜症、心不全などの心臓の病気
- 甲状腺機能亢進症などのホルモンの病気
- 飲酒、脱水、電解質の乱れ、感染症、睡眠時無呼吸症候群
- 加齢やストレス、過労
リスク要因
- 心臓病の既往
- 睡眠時無呼吸症候群
- 多量の飲酒
- 甲状腺の病気
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 失神した、意識が遠のいた
- 胸の強い痛み、息苦しさがある
- 脳卒中のサインがある
- 脈が非常に速く、ふらつきや冷や汗がある
- 血液を固まりにくくする薬を飲んでいて、出血が止まらない
定期受診を予約すべき場合:
- 動悸や脈の乱れが続く
- 疲れやすい、息切れが増えた
- 足のむくみがある
- 電気的カルディオバージョンを受ける予定で、不安や質問がある
- 処置後の回復について相談したい
診断
まず問診と診察を行い、心電図で不整脈の種類を確認します。心臓の超音波検査や血液検査などで、原因や血栓のリスクを調べます。必要に応じて、一日中心電図を記録する検査や、食道から心臓を詳しくみる超音波検査を行うことがあります。
行われる可能性のある検査
- 心電図(安静時・必要なら長時間記録)
- 心臓超音波検査(心エコー)
- 血液検査(甲状腺、腎臓、電解質、貧血など)
- 胸部レントゲン
- 経食道超音波検査(血栓がないか確認する場合)
- Holter心電図(24時間など)
診察で予想されること
処置の前に、医師から説明と同意の確認があります。多くの場合、前日の夜から食事を控えるなどの指示があります。処置当日は鎮静を使って電極を貼り、短い電気ショックを行います。処置後はしばらく休んでから、当日か翌日に帰宅できることが多いです。
治療
電気的カルディオバージョンは、乱れた心臓のリズムを整える治療のひとつです。同時に、不整脈の原因となる病気の治療や、脳卒中を防ぐための血液を固まりにくくする薬、生活習慣の見直しなどが組み合わされます。
自宅でのセルフケア
- 医師の指示どおりに薬を飲む(自己判断で中止しない)
- 処置前後の食事や水分の指示を守る
- 飲酒を控え、カフェインのとりすぎに注意する
- 脱水を避け、十分な睡眠をとる
- 自宅で脈や症状を記録する
- 処置後は指示に従って運転や激しい運動を控える
- 帰宅時は誰かに付き添ってもらうなど、安全を確保する
医療治療
治療には、心臓のリズムを整える薬、脈の速さを抑える薬、血栓を防ぐ薬などが使われることがあります。薬の種類や量は、年齢、腎臓の働き、出血のリスクなどに合わせて医師が決めます。電気的カルディオバージョンでリズムが戻らない場合や再発を繰り返す場合には、カテーテルアブレーションなどの別の方法が検討されます。
手術が検討される場合
電気的カルディオバージョンは手術ではなく、胸を切る処置ではありません。ただし、繰り返す不整脈に対しては、カテーテルアブレーションなどの手技が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
処置後は、少し疲れや皮膚の赤みが出ることがありますが、多くは数日で落ち着きます。脈の状態や体調の変化を記録し、定期的な通院を続けましょう。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙する
- 飲酒は控えめにする、または医師に相談する
- 適正体重を保つ
- 睡眠時無呼吸症候群があれば治療する
- 血圧や血糖値を管理する
- ストレスをためず、休息をとる
食事と運動
塩分や脂肪のとりすぎに注意し、野菜や魚、全粒穀物を取り入れたバランスのよい食事を心がけましょう。運動は、医師に相談しながら、ウォーキングなど無理のない範囲から始めます。めまいや息切れがあるときは無理をせず、主治医に相談してください。
精神的健康と心の健康
不整脈や処置に対して不安を感じることは自然なことです。不安が強いときや気持ちがつらいときは、一人で抱え込まず、かかりつけ医や地域の相談窓口に相談してください。緊急の場合は119番に連絡してください。
予防
すべての不整脈を完全に防ぐことは難しいですが、血圧や体重の管理、禁煙、飲酒を控えること、睡眠時無呼吸症候群の治療などでリスクを下げられることがあります。
ワクチン
心臓病のある人は、かかりつけ医と相談のうえ、インフルエンザや肺炎などのワクチンを検討しましょう。
検診プログラム
動悸や脈の乱れがあるときは、早めに医療機関で心電図を確認してもらいましょう。高血圧や糖尿病などの持病がある人は、定期的な健康診断を受けましょう。
合併症
治療しない場合
- 脳卒中のリスクが上がる
- 心不全が悪化することがある
- 動悸や息切れで日常生活がつらくなる
- 心臓の機能が低下することがある
長期的な見通し
電気的カルディオバージョンは、多くの人で心臓のリズムを一時的に整えることができます。再発することもありますが、原因の治療や生活習慣の見直し、定期的な通院で安定を目指せます。心配なことがあれば、早めに医療者に相談してください。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康に関する案内は国や地域によって異なります。このページは一般的な教育情報であり、お住まいの地域の指針、薬、診療と一致しない場合があります。心配な点はご自身の医師または医療提供者に相談し、地域の案内がある場合はそれに従ってください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
このトピックを名指しする指針はありません
このページには、このトピックそのものを名指しする健康ガイドラインや臨床の章は引用されていません。このページは一般的な教育と情報のみを目的としています。診断、治療計画、個人への医学的助言ではありません。ご自身の医師に確認し、その指示に従ってください。症状が重い、突然である、または心配な場合は速やかに受診し、緊急時は地域の緊急番号に電話してください。Ruqelo LLC は、この情報に基づく判断から生じる医学上または法律上の結果について責任を負いません。
最終更新: 2026年11月3日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。
Guidance may differ by country or region. Confirm local recommendations with a qualified healthcare provider.