精巣固定術(オーキオペキシー)
概要
精巣固定術(オーキオペキシー)は、陰囊(いんのう:睾丸を入れる袋)の中にない精巣を、正しい位置に戻して固定する手術です。主に停留精巣(ていりゅうせいそう:精巣が陰囊まで下りてこない状態)に対して行います。
重要な事実
- 停留精巣は男の子の赤ちゃんでは比較的よく見られ、多くは生後6か月までに自然に下りてきます。
- 下りてこない場合は、通常1歳前後までに手術を検討します。
- 手術は精巣を陰囊に固定し、精巣の働きを守り、ねじれやけがのリスクを減らす目的があります。
停留精巣は男の子の赤ちゃんでは比較的よく見られます。正期産では約3〜5%、早産ではもっと多いとされています。精巣固定術も小児外科でよく行われる手術です。
主に新生児から乳幼児の男の子です。早産や低出生体重の子に多く見られます。成人で新たに行われることはまれです。
症状
- 突然の激しい陰囊の痛みや腫れ、吐き気・嘔吐があるときは、精巣捻転(せいそうねんてん:精巣がねじれる状態)の可能性があるため、すぐに119番を呼んでください。
- 陰囊が赤く腫れて強い痛みがあり、発熱を伴うときは、早急に救急外来を受診してください。
- 手術後、傷から大量の出血がある、または膿のような分泌物が多く出るときは、すぐに医療機関に連絡してください。
- ⚠陰囊の痛みや腫れが軽くても続く
- ⚠手術後に傷の赤み・腫れ・膿のような分泌物がある
- ⚠発熱が続く、または吐き気が収まらない
- ⚠おしっこが出にくい、または排尿時に強い痛みがある
一般的な症状
- 陰囊(いんのう)が片側または両側で空っぽに見える
- 陰囊の中に精巣が触れない
- 鼠径部(そけいぶ:足の付け根)にしこりや膨らみがある
- 痛みはなく、健診で初めて気づかれることが多い
子供の症状
- 片方の陰囊が小さく見える、または空っぽに見える
- おむつ替えや入浴のときに、精巣が陰囊にないことに気づく
- 足の付け根に膨らみがあり、泣くと大きくなることがある
- ほとんどは痛みなどの症状がない
高齢者の症状
- 成人ではほとんど無症状で、小児期の手術歴や別の検査で分かることが多いです。成人になって初めて停留精巣が見つかることはまれです。
原因
主な原因
- はっきりした原因は分かっていません
- 胎児の成長過程で精巣が陰囊まで下りるのが途中で止まることが関係すると考えられています
- ホルモンの影響や遺伝、早産などが関係するといわれています
リスク要因
- 低出生体重
- 家族に同じ状態の人がいる
- 他の生殖器の先天異常がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然の激しい陰囊の痛みや腫れがある
- 陰囊が赤く腫れて発熱がある
- 手術後に大量の出血や膿のような分泌物がある
- 吐き気・嘔吐が続き、元気がない
定期受診を予約すべき場合:
- 生まれたときや健診で陰囊が空っぽに見えるといわれた
- 生後6か月を過ぎても精巣が陰囊に下りてこない
- 手術後の傷の治りや腫れが気になる
- 学校や園での運動をいつから再開できるか知りたい
診断
問診と診察で、陰囊や鼠径部をよく見て触れ、精巣の位置を確認します。必要に応じて超音波検査などを行います。
行われる可能性のある検査
- 視診・触診
- 超音波検査(エコー)
- 場合により血液検査やMRI
診察で予想されること
小児科や小児外科・泌尿器科に紹介され、手術の時期や方法を相談します。検査は痛みが少ないものが多いです。
治療
主な治療は手術で、精巣を陰囊に固定します。手術の時期は医師と相談し、通常は生後6か月から1歳半ごろまでに検討されます。
自宅でのセルフケア
- 傷を清潔で乾燥した状態に保つ
- 医師の指示に従って入浴や運動を再開する
- 痛みや腫れが強いときは早めに医療機関に連絡する
- 定期的な診察を受ける
医療治療
手術が中心です。まれにホルモン療法が検討されることがありますが、適応は医師が判断します。具体的な薬の名前や量は、ここではお伝えしません。
手術が検討される場合
精巣が生後6か月を過ぎても陰囊に下りてこない場合、通常は1歳前後までに手術を検討します。両側の場合や合併症がある場合は時期を調整します。
この病気と共に生きる
手術後は数日から数週間で日常に戻ることが多いです。傷の治りには個人差があります。
生活習慣のアドバイス
- しばらくはゆったりした服を着る
- 傷が治るまで激しい運動や自転車は避ける
- 陰囊を強く打たないようにする
- 定期的に健診を受ける
食事と運動
特別な食事制限はありません。バランスのよい食事をとり、医師の許可が出たら少しずつ運動を再開します。
精神的健康と心の健康
保護者の方は不安を感じることがあります。子どもが大きくなって質問してきたら、年齢に合わせて説明しましょう。必要なら小児科医や心理の専門家に相談できます。
予防
停留精巣を完全に防ぐ方法は知られていません。妊娠中の健康管理と、生まれた後の健診が大切です。
ワクチン
この状態を防ぐワクチンはありません。
検診プログラム
日本の新生児健診や乳幼児健診では、陰囊の状態も確認します。気づいたら早めに医師に相談してください。
合併症
治療しない場合
- 精巣の働きが低下し、将来の生殖能力に影響することがあります
- 精巣捻転(ねじれ)の危険が高まる
- 鼠径ヘルニアを合併することがある
- 精巣がんのリスクが少し高まると言われています
- 見た目や心理面で悩むことがある
長期的な見通し
適切な時期に手術を受けることで、多くのお子さんは通常の生活を送れます。将来の生殖能力には個人差がありますが、早期の治療と定期的なフォローが助けになります。心配なことは医師に相談してください。
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最終更新: 2026年11月3日
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