ラジオ波焼灼療法(RFA)ってどんな治療?
概要
ラジオ波焼灼療法(RFA)は、細い針のような電極を体の中に刺し、そこに高周波の電流を流して生まれる熱で、病気の部分を小さく焼いて治療する方法です。ラジオ波とは、私たちがふだん使う電子レンジなどにも使われる高い周波数の電波のこと。メスで大きく切る手術に比べて体への負担が少なく、入院期間が短くてすむことが多いのが特徴です。肝臓のがん、心臓の不整脈、子宮筋腫、甲状腺の良性のしこり、腰や神経の痛みなど、いくつかの病気で使われています。
重要な事実
- 細い針を刺して熱で病変を焼く治療で、切る手術より体への負担が比較的小さいとされています。
- 超音波やCTなどで体の中を見ながら行うため、狙った場所を正確に治療できます。
- 局所麻酔や軽い麻酔で行われることが多く、入院は数日で済む場合もありますが、治療する病気や体の状態によって変わります。
ラジオ波焼灼療法は、肝臓のがんや心臓の不整脈(特に心房細動)の治療として広く行われており、日本でも多くの医療機関で実施されています。子宮筋腫や甲状腺の良性のしこりなど、ほかの病気でも選択肢のひとつになっています。
症状
- 意識がない、または呼びかけへの反応がおかしい
- 呼吸が苦しい、息ができない、唇や顔色が青白い
- 胸を強く締めつけられるような痛みが続く
- 大量に出血している、または出血が止まらない
- けいれんが起きた、突然動けなくなった、ろれつが回らない
- ⚠治療のあとに38度以上の熱が続く、またはどんどん悪化する
- ⚠治療した場所の痛みが日に日に強くなる、腹が硬く張る
- ⚠皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)、尿の色が濃くなる
- ⚠動悸が止まらない、ふらついて立っていられない
- ⚠針を刺した場所から膿(うみ)のようなものが出る、赤く腫れて熱を持つ
一般的な症状
- 動悸(心臓がドキドキする感じ)や脈の乱れ、息切れ(不整脈の場合)
- 健康診断や超音波検査で肝臓の腫瘍が見つかる(肝臓がんの場合)
- 月経の量が多い、レバーのような血の塊が出る、下腹部の張りや痛み(子宮筋腫の場合)
- 首のしこりや飲み込みにくさ(甲状腺の良性結節の場合)
- 腰や背中の長く続く痛み、脚のしびれ(神経や脊椎の痛みの場合)
- 治療を受けたあとに起こる、数日間の発熱・だるさ・治療した場所の痛み(よくある経過です)
子供の症状
- 小児では頻繁に行われる治療ではありませんが、子どもの不整脈の一部で検討されることがあります。
- 子どもの場合は全身麻酔(眠った状態で行う麻酔)で行うことが多く、小児科と専門科が一緒に対応します。
- 本人が症状をうまく言葉にできないことがあるため、顔色・食欲・遊び方の変化に気づくことが大切です。
高齢者の症状
- 高齢の方では、肝臓のがんや心房細動(心臓の脈が不規則になる不整脈)で行われることが多くなっています。
- 年齢だけで決めるのではなく、心臓や腎臓の働き、飲んでいる薬、生活の状態をふまえて治療するかどうかを話し合います。
- 治療後はだるさや食欲低下が長引くことがあるため、家族や地域の支援者と一緒に見守ることが大切です。
原因
主な原因
- 肝臓のがん(肝細胞がんや、ほかの臓器から広がった腫瘍)
- 心房細動など、心臓の脈が乱れる不整脈
- 子宮筋腫(子宮にできる良性のこぶ)
- 甲状腺の良性の結節(首のしこり)
- 腎臓や骨、肺などにできた小さながん
- 三叉神経痛(顔の激しい痛み)や脊椎(背骨)が原因の慢性的な痛み
リスク要因
- 治療の対象となる病気があること自体が、この治療を検討する理由になります。
- 血液が固まりにくくなる薬を飲んでいる、または出血しやすい体質の場合は、治療の時期や方法を調整する必要があります。
- ペースメーカーや体内式の医療機器が入っている場合は、心臓の治療で影響が出ることがあるため事前に伝えることが大切です。
- 妊娠中、または妊娠の可能性がある場合は、治療の時期について医師とよく相談します。
- 治療する場所が血管や腸などの大切な組織に近い場合は、ほかの治療法が選ばれることがあります。
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 治療後に高熱が続く、強い痛みが増す、黄疸が出る、出血が止まらないときは、すぐに医療機関に連絡してください。
- 動悸や息切れが強くなった、胸の痛みがある、意識がもうろうとするときは、救急車(119番)を呼んでください。
- 治療前でも、原因のわからない体重減少、長く続く痛み、脈の乱れがあるときは早めに受診しましょう。
定期受診を予約すべき場合:
- 健康診断で肝臓の数値や腫瘍の疑いを指摘されたとき
- 動悸や脈の乱れを何度も感じるとき
- 月経が重く、生活に支障が出ているとき
- 首のしこりが気になるとき、飲み込みにくさが続くとき
- ラジオ波焼灼療法を勧められ、メリットとリスクを詳しく知りたいとき
診断
ラジオ波焼灼療法そのものは「診断」ではなく治療ですが、行うかどうかを決めるために、まず病気の場所・大きさ・数をくわしく調べます。問診と診察のあと、画像検査や血液検査を行い、治療が適しているか、ほかに向いている方法はないかを検討します。心臓の治療では、心電図で不整脈の種類を確認します。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(肝臓や腎臓の働き、貧血、出血しやすさなどを確認します)
- 超音波検査(エコー)
- CT検査やMRI検査(病変の場所・大きさ・数を調べます)
- 心電図、24時間心電図(ホルター心電図)、心臓超音波検査
- 必要に応じて組織を少し取って調べる検査(生検)
- 治療前の麻酔や体の状態を確認する検査
診察で予想されること
検査の結果をもとに、担当医から治療の方法・期待できること・起こりうるリスク・ほかの選択肢について説明があります。このとき、気になることをメモして質問すると安心です。家族など信頼できる人と一緒に話を聞くと、あとで思い出しやすくなります。治療日が決まったら、食事や飲んでいる薬についての指示(自己判断でやめず、必ず医師の指示に従ってください)を確認しましょう。
治療
ラジオ波焼灼療法は、画像で体の中を確認しながら細い針を病変に刺し、高周波の電流で生まれる熱で病変を焼いていく治療です。局所麻酔(治療する場所だけをしびれさせる麻酔)や、軽く眠る麻酔で行われることが多く、治療時間は数十分から数時間程度です。治療する病気によって入院の長さや当日の流れは異なります。
自宅でのセルフケア
- 治療前は、食事をとってよい時間などの指示を必ず守りましょう。
- 飲んでいる薬(特に血液を固まりにくくする薬)は、自己判断で中止せず、必ず医師の指示に従ってください。
- 治療後は指示された時間だけ安静にし、無理に動き回らないようにしましょう。
- 治療後しばらくは飲酒や激しい運動を控え、体をいたわりましょう。
- 体温を測り、痛みや体調の変化を記録しておくと、受診時に伝えやすくなります。
- 治療した場所を清潔に保ち、医師の指示どおりにケアしましょう。
医療治療
治療の流れは、①画像で病変の位置を確認する、②針を刺す場所を消毒して麻酔をする、③画像を見ながら針を病変に進める、④電流を流して病変を焼く、⑤針を抜いて止血し、しばらく休む、という順番が一般的です。治療した範囲の確認のために、あとで画像検査を行うことがあります。この治療は、手術・薬による治療・カテーテルを使う治療などと組み合わせて選ばれることもあり、担当医は病気の種類や体の状態に合わせて最適な組み合わせを考えます。
手術が検討される場合
病変が大きい、数が多い、血管やほかの臓器に近すぎる、出血しやすい状態である、といった場合には、ラジオ波焼灼療法よりも手術や別の治療法が適していることがあります。また、治療後に思わぬ合併症が起きた場合には、追加の処置や手術が必要になることがまれにあります。どちらが良いかは一概に決められないため、担当医とよく相談してください。
この病気と共に生きる
治療後は、多くの場合数日から1週間ほどでふだんの生活に戻っていきますが、だるさや軽い発熱、治療した場所の痛みがしばらく続くことがあります。無理をせず、体の声を聞きながら少しずつ活動を戻していきましょう。通院が必要な場合は、診察の予定を守ることが再発の早期発見につながります。
生活習慣のアドバイス
- 決まった時間に休み、睡眠を十分にとるようにしましょう。
- 飲酒は医師の指示に従い、治療後しばらくは控えめにしましょう。
- たばこは体の回復や血管の健康に良くないため、禁煙を考えるよい機会になります。
- 体調の変化(熱、痛み、だるさ、食欲)をメモしておくと、診察で伝えやすくなります。
- 治療後の運動や仕事の再開時期は、担当医に確認しましょう。
食事と運動
バランスのよい食事を心がけ、塩分や脂肪のとりすぎに気をつけましょう。肝臓の治療を受けた方は、特に節酒と体重管理が大切です。運動は、治療後の回復に合わせて、散歩など軽いものから始め、少しずつ増やしていくのがおすすめです。痛みや息苦しさがあるときは無理をせず、医師に相談してください。
精神的健康と心の健康
治療を決めるまでの不安、治療後の痛みや疲れ、再発への心配など、気持ちが揺れるのは自然なことです。落ち着かない、眠れない、気分が晴れない状態が2週間以上続くときは、ひとりで抱えずに医師や看護師、家族に話してみてください。つらい気持ちを話すことは、治療を進めるうえでの大切な力になります。
予防
ラジオ波焼灼療法は治療の方法なので、それ自体を予防することはできません。ただし、治療が必要になる原因となる病気は、ある程度予防できます。肝炎ウイルスへの感染を防ぐ、節酒する、肥満や糖尿病を防ぐ、血圧や心臓の病気を管理する、といった日々の積み重ねが大切です。
ワクチン
肝炎ウイルスにはワクチンがあり、日本ではB型肝炎の予防接種が公的な仕組みに含まれています。接種の必要性や時期については、かかりつけ医や自治体の案内で確認してください。
検診プログラム
日本では、自治体による肝炎ウイルス検査や各種のがん検診、特定健診を受けることができます。動悸や脈の乱れが気になる方は、健診の心電図で見つかることもあります。検診の対象や受け方は、お住まいの自治体の案内をご覧ください。
合併症
治療しない場合
- 治療する病気の種類によりますが、肝臓の腫瘍を放置すると大きくなったり広がったりすることがあります。
- 不整脈を放置すると、動悸や息切れが続き、生活の質が下がることがあります。
- 子宮筋腫を放置すると、月経過多による貧血や痛みが続くことがあります。
- 甲状腺の良性の結節は、多くの場合は急に悪化しませんが、大きくなると飲み込みにくさなどを感じることがあります。
- 治療そのものにも、発熱・痛み・出血・感染・やけど・まれに臓器の損傷などのリスクがあり、事前の説明と事後の観察が大切です。
長期的な見通し
ラジオ波焼灼療法は、体への負担を抑えながら病気をコントロールできる治療として、多くの方に選ばれています。治療の効果や経過は病気の種類や状態によって異なりますが、定期的な通院と体調の観察を続けることで、安心して生活を続けている方はたくさんいます。心配なことがあれば、いつでも担当医に相談してください。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康に関する案内は国や地域によって異なります。このページは一般的な教育情報であり、お住まいの地域の指針、薬、診療と一致しない場合があります。心配な点はご自身の医師または医療提供者に相談し、地域の案内がある場合はそれに従ってください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
このトピックを名指しする指針はありません
このページには、このトピックそのものを名指しする健康ガイドラインや臨床の章は引用されていません。このページは一般的な教育と情報のみを目的としています。診断、治療計画、個人への医学的助言ではありません。ご自身の医師に確認し、その指示に従ってください。症状が重い、突然である、または心配な場合は速やかに受診し、緊急時は地域の緊急番号に電話してください。Ruqelo LLC は、この情報に基づく判断から生じる医学上または法律上の結果について責任を負いません。
最終更新: 2026年11月3日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。
Guidance may differ by country or region. Confirm local recommendations with a qualified healthcare provider.