音響波療法(体外衝撃波療法)
概要
音響波療法は、体の外から音の波(衝撃波)をあてて、痛みのある腱(けん=筋肉と骨をつなぐ丈夫なひも)や靱帯(じんたい=骨と骨をつなぐ組織)に働きかける治療法です。機械を皮膚の上から当てるだけで、針を刺したり切ったりしません。日本では「体外衝撃波療法」と呼ばれることが多く、整形外科などの外来で、長く続く腱の痛みに対して行われることがあります。ここで大切なのは、これは「病気の名前」ではなく「治療法の名前」だということです。どの痛みに使うかは、診察と検査の結果をもとに医師が判断します。
重要な事実
- 音の波を体の外から当てる、切らない治療です
- 主に、数週間以上続く腱や靱帯の痛みに対して検討されます
- 効果の感じ方や必要な回数には個人差があり、すべての方に同じように効くわけではありません
整形外科の外来で行われることのある治療で、海外では比較的よく使われてきました。日本でも設備のある医療機関で行われていますが、すべての病院にあるわけではないため、希望する場合は受診先に確認が必要です。
主な対象は大人です。かかとの裏の痛み(足底腱膜炎)、ひじの外側の痛み(テニス肘など)、肩の腱にカルシウムがたまる石灰性腱炎など、長引く腱の痛みで悩む方に検討されます。子どもにはほとんど行われません。
症状
- 突然の激しい胸の痛み、息苦しさ、冷や汗が出る
- 意識がもうろうとする、倒れて反応がない
- 治療を受けた部位が急に大きく腫れ、耐えられないほどの痛みがある
- ⚠治療した部位が赤く腫れて熱をもち、発熱がある
- ⚠皮膚が破れて膿(うみ)が出ている、出血が止まらない
- ⚠痛みで足をつけず、歩けない状態が続いている
- ⚠手足のしびれや、力が入らない感じがある
一般的な症状
- かかとの内側や足の裏が痛む。特に朝の第一歩が痛い
- ひじの外側が痛み、物を持つ・にぎる動作で悪化する
- 肩を上げると痛む、夜になって痛みが強くなる
- 使い始めや、同じ動作を続けたあとに決まって痛くなる
- 数週間以上続く、重くだるい感じの痛み
原因
主な原因
- 同じ負荷がくり返しかかり、腱や靱帯に小さな傷が積み重なる
- 血の流れが悪くなり、治りにくい状態が続く
- 腱の中にカルシウムが沈着する(石灰性腱炎)
- 加齢による組織の弾力や水分の低下
リスク要因
- 同じ動作を長時間続ける仕事やスポーツ
- 足に合わない靴、硬い床の上での長時間の立ち仕事
- 糖尿病、喫煙、肥満(いずれも血の流れに影響します)
- 中年以降の年齢
- 急に運動量を増やした、休まずに使い続けた
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 治療した部位が赤く腫れて熱をもち、発熱がある(感染の可能性があります)
- 皮膚に傷ができて膿が出る、出血が続く
- 痛みが急に強くなり、動かせない
- しびれや力が入らない感じがある
定期受診を予約すべき場合:
- 同じ場所の痛みが2〜3週間以上続いている
- 朝の第一歩や使い始めに、決まって痛む
- 自分でできるケアを続けてもよくならない
- 痛みのせいで仕事・家事・睡眠に支障が出ている
- 音響波療法を希望するが、どの医療機関で受けられるか分からない
診断
まず問診と診察で、痛む場所、いつからか、どんな動きで悪くなるかを確認します。必要に応じて画像検査を行い、腱の状態や、別の病気が隠れていないかを調べます。音響波療法を行うかどうかは、診断の結果と、これまでの治療の経過をふまえて決めます。
行われる可能性のある検査
- レントゲン(X線)検査:骨の状態やカルシウムの沈着をみます
- 超音波(エコー)検査:腱の腫れや断裂の有無をみます
- MRI検査:必要に応じて、より詳しく組織を調べます
- 血液検査:炎症や他の病気の可能性を調べることがあります
診察で予想されること
診察は10〜20分程度のことが多く、痛む場所を動かしながら確認します。検査の結果は、その場で分かるものと、後日になるものがあります。治療の説明を受けたら、効果の見込み、通院回数、費用、注意点を遠慮なく質問してください。
治療
治療の中心は、痛みの出にくい体の使い方に整えながら、必要に応じて音響波療法などを組み合わせることです。音響波療法では、皮膚の上にゼリーをぬって機械を当て、音の波を当てます。数分程度で終わることが多く、通院で行われます。痛みの感じ方や効果には個人差があり、複数回行うこともあります。
自宅でのセルフケア
- 痛みの出る動作を減らし、使いすぎに注意する
- 冷やす・温めるのうち、自分に合う方法を試す
- 靴の中敷きやクッションで負担をやわらげる
- 無理のない範囲のストレッチで、硬くなった筋肉をゆるめる
- 痛みが強い日は無理をせず、しっかり休む
医療治療
医療機関では、まず手術をしない方法(保存的治療)が選ばれます。安静、装具やテーピング、リハビリ(運動療法)、物理療法などを組み合わせ、それでも改善しない場合に音響波療法が検討されます。痛み止めの薬が使われることもありますが、種類や量は医師の判断で決まります。自分で判断して薬を増やしたり、治療法を選んだりせず、必ず医療機関に相談してください。
手術が検討される場合
手術をしない治療を数か月続けても改善せず、日常生活に大きな支障がある場合には、手術が検討されることがあります。手術が必要かどうかは病状によって異なります。音響波療法は、そうした選択肢を考える前の段階で試されることの多い治療です。
この病気と共に生きる
痛みと上手につきあうコツは、「痛みが強くなる前に休む」ことです。作業を小分けにしたり、道具を工夫したりするだけでも負担は変わります。良くなったり悪くなったりをくり返すことも多いので、一喜一憂しすぎず、記録をつけながら調整していきましょう。
生活習慣のアドバイス
- 同じ姿勢や同じ動作を長時間続けず、こまめに休む
- 足に合った靴を選び、必要なら中敷きを使う
- 睡眠をしっかりとり、疲れをためない
- 禁煙を心がける(血の流れが良くなります)
- 痛みの出ない範囲で、体を動かす習慣を保つ
食事と運動
バランスのよい食事は、からだの回復を助けます。運動は、痛みの出ない範囲で少しずつ行い、急に強度を上げないことが大切です。ウォーキングやストレッチなど、続けやすいものを選びましょう。どの程度動いてよいか迷うときは、医師やリハビリの担当者に相談してください。
精神的健康と心の健康
長引く痛みは、気分の落ち込みや不安、眠りにくさにつながることがあります。それは弱さではなく、痛みが続くときによくある反応です。つらさを一人で抱え込まず、家族や友人、かかりつけ医に話してください。気持ちがとてもつらいときや、自分を傷つけたい気持ちがわいたときは、すぐに医療機関や地域の相談窓口に連絡し、緊急であれば119番に電話してください。
予防
音響波療法そのものを「予防する」という考え方はありません。ただし、治療の対象になるような腱の痛みは、日々の体の使い方やケアによって起こりにくくすることができます。
ワクチン
この治療に関係するワクチンはありません。
検診プログラム
特定の検査で早く見つけるタイプの病気ではありませんが、痛みが長引く場合は早めに整形外科などで相談することが大切です。
合併症
治療しない場合
- 痛みが長引き、仕事や家事、睡眠の質に影響が出る
- 動かさないことで筋肉が弱り、動きが制限される
- 腱の一部が切れる(断裂)ことがある
- 痛みをかばうことで、別の場所に負担がかかる
長期的な見通し
多くの方は、手術をしない治療と生活の工夫を組み合わせることで、少しずつ痛みがやわらいでいきます。音響波療法はその選択肢のひとつです。良くなる速さには個人差がありますが、あせらず、医療機関と相談しながら進めていくことができます。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康に関する案内は国や地域によって異なります。このページは一般的な教育情報であり、お住まいの地域の指針、薬、診療と一致しない場合があります。心配な点はご自身の医師または医療提供者に相談し、地域の案内がある場合はそれに従ってください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
このトピックを名指しする指針はありません
このページには、このトピックそのものを名指しする健康ガイドラインや臨床の章は引用されていません。このページは一般的な教育と情報のみを目的としています。診断、治療計画、個人への医学的助言ではありません。ご自身の医師に確認し、その指示に従ってください。症状が重い、突然である、または心配な場合は速やかに受診し、緊急時は地域の緊急番号に電話してください。Ruqelo LLC は、この情報に基づく判断から生じる医学上または法律上の結果について責任を負いません。
最終更新: 2026年11月3日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。
Guidance may differ by country or region. Confirm local recommendations with a qualified healthcare provider.