バイオシミラー(バイオ後続品)ってなに?
概要
バイオシミラーは、日本語では「バイオ後続品」と呼ばれます。バイオ医薬品は、生きている細胞を使って作られる薬で、がん、関節リウマチなどの免疫の病気、糖尿病、貧血などの治療に使われています。もとの薬の特許(発明を守る権利)が切れたあと、別の会社が同じ考え方で作った、とてもよく似た薬がバイオシミラーです。生きている細胞から作る薬なので、中身がまったく同じコピーにはできません。そのため「同じ」ではなく「よく似ている」という意味で、この名前がついています。使う前に、もとの薬と比べて効き目や安全面が変わらないかを確かめる試験が行われ、国(厚生労働省)の審査を受けて承認されています。
重要な事実
- バイオシミラーは、特許が切れたバイオ医薬品と「とてもよく似た薬」として、別の会社が作ったものです。
- 生きている細胞から作る薬なので、中身が完全に同じコピーではありません。そこが、化学成分をそろえて作る通常のジェネリック医薬品との違いです。
- 承認の前に、もとの薬と品質・効き目・安全性が大きく変わらないかを確かめる試験が行われ、国の審査を受けています。
日本でも、いくつかのバイオ医薬品についてバイオシミラーが承認され、使われるようになっています。これからも増えていく分野です。使ったことがある人も、これから検討する人もいる、身近になりつつある選択肢だといえます。
バイオ医薬品で治療している人が関係します。たとえば、がんの治療を受けている人、関節リウマチや炎症性腸疾患など免疫の病気の治療を受けている人、糖尿病や腎臓からくる貧血の治療を受けている人などです。子どもから高齢の方まで、幅広い年代で使われることがあります。
症状
- 息が苦しい、ゼーゼーする、のどが詰まる感じがする
- 顔やまぶた、口のまわりが急にはれる
- 全身にじんましんが出て、強いかゆみとともに具合が悪くなる
- 意識がもうろうとする、立っていられない、冷や汗がたくさん出る
- ⚠38℃以上の発熱が続く
- ⚠注射した場所が大きく腫れる、強い痛みがある、膿のようなものが出ている
- ⚠強い吐き気や下痢で、水分がとれない
- ⚠いつもと違う強いだるさが数日続く
一般的な症状
- 注射した場所が赤くなる、腫れる、少し痛む(多くの場合は数日で落ち着きます)
- だるさ、頭痛、微熱など、かぜに似た感じがする
- 薬を使い始めたころや切り替えたあとは、体調の変化に気づきやすくするため、簡単なメモをつけておくと安心です
子供の症状
- 大人と同じように、注射した部位の赤みや腫れ、発熱などが見られることがあります。
- 体の大きさや成長に合わせて量が調整されるため、いつもと違う様子があれば早めに主治医に伝えてください。
- 子どもは言葉で症状をうまく説明できないことがあります。機嫌、食欲、眠り方の変化も大切なサインです。
高齢者の症状
- 高齢の方は、もともとの病気や他の薬の影響で、体調が変わりやすいことがあります。
- 切り替えたあとは、いつもより疲れやすい、食欲がない、といった小さな変化でも早めに相談してください。
- 水分をとる量が減ったり、発熱に気づきにくかったりすることがあるため、まわりの方の声かけも助けになります。
原因
主な原因
- バイオ医薬品は、生きている細胞を培養して作るため、製造に手間と費用がかかります。
- もとの薬の特許が切れたあと、別の会社が同じ考え方で開発したものがバイオシミラーです。
- 治療の選択肢を増やし、医療費の負担を減らすことも、目的の一つとされています。
- 国は、品質・効き目・安全性がもとの薬と大きく変わらないかを審査したうえで承認しています。
リスク要因
- 以前に薬や注射でアレルギーが出たことがある
- 免疫の働きを抑える治療をしている(感染症にかかりやすくなることがあります)
- 複数の薬を飲んでいる・使っている
- 妊娠中、授乳中、またはその可能性がある
- 腎臓や肝臓のはたらきが低下していると言われたことがある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 息苦しさ、のどの腫れ、全身のじんましんなど、アレルギーの強い反応を思わせる症状があるとき(ためらわずに119番へ)
- 高熱が続く、注射した場所が大きく腫れて痛むとき
- 強い吐き気や下痢で水分がとれないとき
- 意識がぼんやりする、尿の量が極端に減るなど、体の様子が明らかにおかしいとき
定期受診を予約すべき場合:
- バイオシミラーに切り替えたあと、体調がいつもと違うと感じるとき
- 薬の効き目が変わったように感じるとき
- 自宅での注射のやり方や保管方法で困っているとき
- 費用や制度のことを知りたいとき(薬局や医療機関の相談窓口で聞けます)
診断
バイオシミラーそのものを「診断」するものではありません。バイオシミラーは、もとのバイオ医薬品と品質・効き目・安全性が大きく変わらないかを調べる比較試験のデータをもとに、国(厚生労働省)の審査を受けて承認されます。あなたの病気の状態は、これまでどおり症状や検査で確認していきます。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(炎症の数値、肝臓・腎臓のはたらき、血糖など)
- 病気の状態を見るための画像検査や内視鏡など
- 注射した部位と全身の体調の観察、副作用の記録
- 必要に応じて、薬に対する免疫の反応(抗体)を調べる検査
診察で予想されること
主治医から、もとの薬とバイオシミラーの違い、期待できること、気をつけたいことの説明があります。納得してから始めることが大切なので、質問は遠慮なくどうぞ。切り替えたあとも、体調を見ながら定期的に確認していきます。
治療
バイオシミラーは、もとのバイオ医薬品の代わりに使う治療薬そのものです。注射や点滴で医療機関で受けるものと、自宅で自分で注射するものがあります。治療の考え方はもとの薬と基本的に同じで、量や回数は主治医があなたに合わせて決めます。
自宅でのセルフケア
- 決められた日に行う(自己注射の場合はとくに)、受け忘れがないようにカレンダーなどに印をつける
- 体調や注射した部位の様子を簡単なメモに残し、受診のときに見せる
- 薬の保管方法は、薬局でもらう説明に従う(冷蔵が必要なものは凍らせないよう注意)
- 使わなくなった注射器や針は、医療機関や薬局の指示に従って捨てる
- 発熱や感染が疑われるときは、自己判断で注射を続けずにまず相談する
医療治療
治療の内容は、もとのバイオ医薬品と基本的に同じ考え方です。医療機関で受ける注射や点滴、自宅で行う自己注射などの形があります。切り替える場合も、量や回数は主治医の指示に従ってください。効果や体調の変化を定期的に確認し、必要に応じて調整していきます。自己判断で始めたりやめたりしないことが大切です。
この病気と共に生きる
注射の日は予定を詰め込みすぎず、少しゆとりをもつと安心です。体調の記録をつけておくと、受診のときに伝えやすくなり、自分でも変化に気づきやすくなります。
生活習慣のアドバイス
- 手洗いやうがいなど、感染症を防ぐ基本の習慣を続ける
- 睡眠をしっかりとり、無理のない範囲で体を動かす
- 発熱や体調の変化があったら、早めに医療機関に相談する
- 薬の保管場所を家族と共有し、紛れがないようにする
食事と運動
特別な食事制限が必要かどうかは、病気や治療によって変わります。主治医や管理栄養士に相談しながら、バランスのよい食事を心がけましょう。運動は、散歩など無理のない範囲から。免疫の働きを抑える治療中は、人混みを避けるなど、その時々に合った工夫も大切です。
精神的健康と心の健康
「知らない薬に変えるのは不安」と感じるのは自然なことです。薬を選ぶことは、体だけでなく気持ちにも関わる話です。不安や迷いがあれば、遠慮なく主治医や看護師、薬剤師に話してください。気持ちがつらい日が続き、眠れない、涙が出る、何も楽しめないといった状態があるときは、一人で抱え込まず、お住まいの地域の保健所や相談窓口、医療機関の相談員などにつながってください。緊急のつらさがあるときは、迷わず119番や救急の受診を考えてください。
予防
バイオシミラーは薬なので、病気を「予防する」という考え方にはなじみません。ただ、困りごとを防ぐことはできます。説明をよく聞き、わからないことをその場で質問し、切り替えたあとは体調の変化を記録して早めに相談する。この3つが、安心して治療を続ける助けになります。
ワクチン
免疫の働きを抑える薬を使っているときは、生ワクチン(弱めた菌やウイルスを使うワクチン)を接種できないことがあります。ワクチンを考えている場合は、接種の前に必ず主治医に相談してください。
検診プログラム
治療中は、定期的な血液検査などで体の状態を確認します。決められた検査を続けることが、変化に早く気づくことにつながります。
合併症
治療しない場合
- 使っている薬を自己判断でやめると、もとの病気が悪化することがあります。
- 注射の部位の感染をそのままにすると、腫れや痛みが広がることがあります。
- 強いアレルギー反応を放置すると、命に関わることがあります。
長期的な見通し
バイオシミラーは、国の審査を受けて承認された選択肢のひとつです。合うかどうかは、使いながら主治医と一緒に確かめていけます。迷ったときは相談する、変化があれば早めに伝える。その積み重ねで、治療を落ち着いて続けていくことができます。
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最終更新: 2026年11月3日
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