精巣がんのリスクと早期発見のメリット
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
精巣(睾丸)は、男性の体内で精子や男性ホルモンをつくる大切な器官です。精巣にがん(悪性の腫瘍)ができることがあり、これを精巣がんと呼びます。この記事では、精巣がんのリスク要因と、早期発見がもたらすメリットについて、わかりやすく説明します。
重要な事実
- 精巣がんは、比較的まれながんですが、若い男性に多くみられます。
- 早期の精巣がんは、治療効果が非常に高く、治る可能性が高い病気です。
- 定期的に自分の精巣を確認する習慣が、早期発見につながります。
- 片方だけにしこりや腫れを感じたら、早めに医師に相談しましょう。
精巣がんは、日本人男性では全がんの中で約1%とまれですが、20〜30歳代の若い男性に最も多いがんのひとつです。
主に15歳から40歳までの男性に多くみられます。特に、停留精巣(生まれたときに睾丸が陰嚢の外にある状態)の経験がある方はリスクが高くなります。
症状
- 突然、片方の睾丸が激しく痛む(精巣捻転の可能性)
- 睾丸に突然の強い腫れと激しい痛みがある
- 吐き気や嘔吐を伴うほどの強い痛みがある
- ⚠睾丸にしこりや硬い部分を感じる
- ⚠睾丸が腫れてきている、または左右で大きさが違う
- ⚠睾丸や陰嚢の痛み、重い感じが続く
- ⚠原因不明の背中やお腹の痛みがある
一般的な症状
- 片方の睾丸にできる硬いしこり
- 睾丸が腫れる、または大きくなる
- 睾丸に重い感じやだるさ、鈍い痛み
- 陰嚢の中がなんとなく違和感がある
- まれに、背中やお腹、わきの下の痛みやしこり(転移によるもの)
子供の症状
- 思春期前の子どもでは非常にまれですが、睾丸のしこりや痛みがあれば医師に相談してください。
- 停留精巣(睾丸が陰嚢に下りていない状態)は、将来の精巣がんリスクを高めるため、小児期に治療を検討します。
高齢者の症状
- 年配の方でも精巣がんは起こります。腫れやしこり、痛みなどに気づいたら、放置せずに泌尿器科を受診しましょう。
- 前立腺がんなど他の病気との見分けのために、専門医の診察が重要です。
原因
主な原因
- 精巣がんの正確な原因はわかっていませんが、生殖細胞が異常に増殖することが原因と考えられています。
- 遺伝的な要因や、精巣が陰嚢に正しく下りない「停留精巣」がリスクを高めます。
- ケガや性生活は精巣がんの原因ではありません。
リスク要因
- 停留精巣の経験(手術で治療してもリスクは残ります)
- 親族(父親や兄弟)に精巣がんの人がいる
- 過去に精巣がんになったことがある(反対側の精巣にもリスク)
- 精巣が小さい、または萎縮している(精巣形成不全など)
- 不妊症などの精巣機能の問題
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 睾丸にしこりを触れた場合
- 睾丸の腫れや痛みが数日以上続く場合
- 急に激しい痛みがある場合(すぐ救急要請)
定期受診を予約すべき場合:
- 年に一度の健康診断などを利用して、医師に精巣の状態を確認してもらいましょう。
- 気になっていることがあれば、泌尿器科で相談できます。
診断
まずは問診と触診(お腹や精巣を実際に手で診察します)を行い、その後、超音波(エコー)検査で精巣の中を詳しく調べます。さらに血液検査で腫瘍マーカーを確認することもあります。
行われる可能性のある検査
- 視診・触診(医師による診察)
- 超音波検査(陰嚢や精巣のエコー)
- 血液検査(腫瘍マーカーの測定)
- CT検査やMRI検査(広がりや転移の確認)
診察で予想されること
診察は短時間で済むことが多く、痛みを伴うものではありません。もし異常が見つかっても、すぐに治療方針を決めるのではなく、必要に応じて詳しい検査や専門医への紹介があります。診断が確定するまで、一人で悩まずに医師と話し合いましょう。
治療
精巣がんの治療は、がんの種類や進行具合(病期)によって異なります。基本的には、がんを含む精巣を手術で摘出することが標準的な治療です。その後に、追加の治療が必要かどうかを医師が判断します。
自宅でのセルフケア
- 治療中は、医師との約束を守り、体調の変化を記録しましょう。
- 傷の感染を防ぐため、手術後の清潔を保ちましょう。
- 治療後の生活について、気になることは遠慮なく医療者に相談しましょう。
医療治療
手術後、がんの種類や進行度によっては抗がん剤治療や放射線治療などが行われることがあります。それぞれに効果と副作用があるため、医師が患者さんと相談しながら進めます。治療薬の種類や量は個別に決まるため、自分に合った選択をしてください。
手術が検討される場合
精巣がんと診断された場合、多くの場合、まず患側の精巣を摘出する手術(高位精巣摘除術)が行われます。これは、がんが他の臓器に広がるのを防ぐために重要な治療です。
この病気と共に生きる
精巣を片方摘出しても、多くの場合、性機能や精子をつくる能力に大きな影響はありません。もう片方の精巣が十分に機能します。日常生活にも徐々に戻れます。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい生活を心がけ、十分な睡眠をとりましょう。
- 過度な運動は避け、医師の許可が得られたら運動を再開しましょう。
- 手術後は締め付けの少ない下着を選び、圧迫を避けましょう。
食事と運動
バランスのよい食事をとり、野菜や果物を多く含む食生活を意識しましょう。激しい運動は手術後しばらく控えますが、ウォーキングなど軽い運動は循環を促し、気分転換にも役立ちます。
精神的健康と心の健康
がんの診断や治療は、心に大きな影響を与えることがあります。不安や落ち込みを感じるのは自然なことです。パートナーや家族、医療者に気持ちを伝え、必要なら心理的なサポートを求めましょう。
予防
精巣がんを完全に予防する方法はまだありません。しかし、定期的に自己検診を行い、異常に早く気づくことで、早期発見と治療につなげることができます。停留精巣の方は、医師の定期検診を受けましょう。
検診プログラム
症状がなくても、年に一度は医療機関で精巣の状態をチェックしてもらうことをおすすめします。特に停留精巣の既往がある方は、定期的な検診が重要です。
合併症
治療しない場合
- がんが大きくなり、リンパ節や肺、肝臓など他の臓器に転移する可能性があります。
- 転移による症状(痛み、呼吸困難、体重減少など)が現れることがあります。
- 進行すると治療が難しくなりますが、それでも治療の選択肢はあります。
長期的な見通し
精巣がんは、早期に発見されれば、非常に高い確率で治るがんです。たとえ進行していても、現代の治療で多くの方が治癒を期待できます。治療後の生活の質を保つためのサポートも充実しています。希望を持って治療に臨みましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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