artery that comes and goes
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
「来たり消えたりする動脈」とは、心臓に血液を送る冠動脈(かんどうみゃく)という血管が一時的にけいれん(スパスム)することです。このけいれんにより血管が狭くなり、胸の痛みや不快感が現れたり消えたりします。この状態を『冠動脈スパスム』または『異型狭心症(いけいきょうしんしょう)』と呼びます。
重要な事実
- 冠動脈スパスムは、動脈硬化(どうみゃくこうか)がなくても起こることがあります。
- 胸の痛みは、安静にしているときや夜間・早朝に現れやすいです。
- 原因のひとつとして喫煙やストレスが関与します。
あまり一般的ではありませんが、見逃されやすい病気です。特に中年以降の男性に多くみられます。
40~70歳の成人に多くみられますが、女性や若い人にも起こることがあります。喫煙習慣のある方やストレスの多い生活を送る方にリスクが高いといわれています。
症状
- 突然の激しい胸の痛みや圧迫感(10分以上続く)
- 痛みとともに呼吸困難、冷や汗、吐き気、めまいがある
- 意識を失いそうになる
- 左腕やあごに鋭い痛みがある
- これらの症状がある場合は、すぐに119番に電話してください。
- ⚠胸の痛みが突然現れたが、数分で治まった
- ⚠胸の不快感が頻繁に起こるようになった
- ⚠安静にしても症状が改善しない
一般的な症状
- 胸の中央や左側に痛みや圧迫感が突然現れる(狭心発作)
- 痛みが数分から10分程度続くことがある
- 痛みが夜中や早朝、または安静時に起こりやすい
- 痛みが肩や腕、あご、背中に広がることがある
子供の症状
- 子どもでは非常にまれですが、幼少期から冠動脈スパスムが疑われる場合は、胸痛や息切れ、運動後の不快感がみられることがあります。
高齢者の症状
- 高齢者では、典型的な胸痛以外に、息切れ、疲れやすさ、めまいなどが主な症状となることがあります。
- 症状が『年のせい』と見過ごされやすいため、注意が必要です。
原因
主な原因
- 冠動脈の内側の筋肉が過剰に収縮すること(スパスム)
- 血管の内壁が傷ついたり、炎症が起こること
- 自律神経のバランスが崩れること
リスク要因
- 喫煙(最も大きなリスク要因)
- 高血圧や脂質異常症(こうしついじょうしょう)
- ストレスや過労
- 寒冷な環境への曝露
- 特定の薬物(覚醒剤など)の使用
- アルコールの過剰摂取
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 胸の痛みが初めて現れた場合
- 痛みがだんだん強くなったり、頻繁に起こるようになった場合
- 痛みとともに息苦しさや冷や汗がある場合
定期受診を予約すべき場合:
- 胸の痛みが出たり消えたりするが、数分で治まる場合
- 健康診断で心電図の異常を指摘された場合
- 家族に心臓病の人がいる場合
診断
医師はあなたの症状や生活習慣を詳しく聞き、心電図や血液検査などの検査を行います。スパスムが疑われる場合は、24時間心電図や冠動脈造影検査(かんどうみゃくぞうえいけんさ)で確認します。
行われる可能性のある検査
- 安静時心電図(しんでんず)
- 24時間ホルター心電図(日常生活の心電図を記録)
- 運動負荷心電図(運動中の心臓の様子を調べる)
- 冠動脈造影検査(カテーテルで血管の中を見る)
- エルゴノビン負荷試験(スパスムを誘発する検査)
診察で予想されること
検査は通常、外来や入院で行われます。カテーテル検査は局所麻酔で行い、痛みはほとんどありません。診断が確定すれば、治療方針について説明があります。
治療
治療の目的は、冠動脈のスパスムを防ぎ、症状を抑え、心筋梗塞などの重い合併症を予防することです。生活習慣の改善と薬物療法が中心です。
自宅でのセルフケア
- 禁煙する(スパスムの最大の原因のひとつ)
- ストレスをできるだけ減らす(リラックス法や趣味を取り入れる)
- 寒い場所を避け、体を冷やさない
- アルコールは適量にする(過剰摂取は避ける)
- 医師の許可なく、市販の薬やサプリメントを服用しない
医療治療
医師は血管を広げる薬(カルシウム拮抗薬や硝酸薬など)を処方します。これらの薬はスパスムを予防したり、発作を抑える効果があります。また、血圧やコレステロールをコントロールする薬を併用することもあります。薬の種類や量は症状や体質に合わせて調整されます。
手術が検討される場合
通常は薬物療法で十分ですが、まれにスパスムが原因で重症の狭心症や心筋梗塞を起こした場合、冠動脈バイパス手術やステント治療が検討されることがあります。これはごく一部のケースです。
この病気と共に生きる
症状の出方には個人差がありますが、多くの人は薬を服用しながら普段通りの生活を送れます。発作のサイン(胸の違和感など)を感じたら、すぐに安静にし、医師から処方された頓服薬(とんぷくやく)を使います。発作が長く続くときは、すぐに医療機関に相談してください。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙を徹底する
- ストレスをためない(深呼吸、軽い運動、趣味など)
- 十分な睡眠をとる
- 過度な飲酒やカフェインの摂取を控える
- 定期的に医師の診察を受ける
食事と運動
心臓に良い食事(野菜、果物、魚、全粒穀物を多くとり、塩分や飽和脂肪酸を控える)を心がけてください。運動は医師の許可があれば、ウォーキングなどの軽い有酸素運動を週に数回行うと良いです。ただし、激しい運動はスパスムを誘発することがあるので注意が必要です。
精神的健康と心の健康
胸の痛みが突然起こるため、不安や恐怖を感じる方が多いです。症状がコントロールできているか心配になることもあるでしょう。そのような感情は自然なものです。医師や家族に気持ちを話したり、必要に応じて心理カウンセリングを受けることも助けになります。
予防
完全に予防することは難しいですが、リスクを減らすことはできます。禁煙、ストレス管理、バランスの良い食事、適度な運動、定期的な健康診断などが役立ちます。
検診プログラム
特に定期的なスクリーニング検査は推奨されていませんが、胸痛の症状がある場合は早めに医療機関を受診することで、早期発見につながります。
合併症
治療しない場合
- 狭心症発作が頻繁に起こるようになる
- 心筋梗塞(心臓の筋肉が壊死する)
- 不整脈(心臓のリズムが乱れる)
- 心臓突然死(まれであるが重大な結果)
- 心不全(心臓のポンプ機能が低下する)
長期的な見通し
適切な治療と生活習慣の改善により、ほとんどの方は症状をうまくコントロールでき、普通の生活を送ることができます。治療を続ければ、重い合併症のリスクは大幅に減ります。希望を持って、医師と協力しながら管理していきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月21日
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