blood pressure on one side
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
血圧の左右差とは、右腕と左腕で測定した血圧の値が異なる状態のことです。正常な人でも10mmHg程度の差はありますが、15~20mmHg以上の差がある場合は、血管に何らかの問題が潜んでいる可能性があります。この状態は必ずしも病気ではなく、他の症状とあわせて医師が判断します。
重要な事実
- 左右の腕で血圧の差が15~20mmHg以上あると、血管の病気の可能性があります。
- 多くは無症状ですが、めまいや冷え、痛みなどを伴うことがあります。
- 早期発見・早期対応が重要で、放置すると脳卒中や心臓病のリスクが高まることがあります。
血圧の左右差は健康診断などで偶然見つかることがあり、それほど珍しいことではありません。ただし、大きな差がある場合は注意が必要です。
年齢を問わず起こり得ますが、動脈硬化が進みやすい高齢者や、糖尿病・高血圧・脂質異常症がある方に多く見られます。また、若い女性では「血管のけいれん」が原因となることもあります。
症状
- 突然の激しい胸痛や背中の痛み(解離性大動脈瘤の疑い)
- 片側の腕や脚の急な痛み、冷感、しびれ(急性動脈閉塞の疑い)
- 意識を失った、または意識がもうろうとしている
- 急な呼吸困難
- ⚠安静にしていても続く腕の痛みや冷え
- ⚠めまいがひどくて立てない
- ⚠傷や潰瘍がなかなか治らない
一般的な症状
- 自覚症状がないことが最も多い
- 腕や手の疲れ、冷え、しびれ
- 立ちくらみやめまい
- 片方の腕の脈が弱い、または触れにくい
子供の症状
- 成長に伴う血管の異常(大動脈縮窄など)がある場合、頭痛や運動時の息切れが見られることがあります。
- 無症状で学校検診などで見つかることも多いです。
高齢者の症状
- 動脈硬化の進行により、手足の冷えや痛み(特に歩行時のすねやふくらはぎの痛み)、傷が治りにくいなどの症状が出ることがあります。
- めまいやふらつきの原因となることもあります。
原因
主な原因
- 動脈硬化(血管が硬くなり狭くなる)
- 大動脈の疾患(大動脈瘤、大動脈解離など)
- 血管の炎症(高安動脈炎など)
- 血栓(血のかたまり)による動脈の詰まり
- 生まれつきの血管の狭窄(大動脈縮窄症など)
リスク要因
- 脂質異常症(コレステロールや中性脂肪の異常)
- 血管の病気の家族歴
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 左右の血圧差が20mmHg以上ある
- 腕や足の痛み、冷え、しびれが突然現れた
- 胸や背中に激しい痛みがある
定期受診を予約すべき場合:
- 健康診断で血圧の左右差を指摘された
- 腕のだるさや冷えが続く
- めまいや立ちくらみを繰り返す
診断
左右の腕で血圧を複数回測定し、差を確認します。さらに、原因となる血管の病気を調べるために、画像検査などを行います。
行われる可能性のある検査
- 両腕の血圧測定(複数回)
- 首や腕の血管のエコー(超音波)検査
- CT検査(コンピューター断層撮影)またはMRI(磁気共鳴画像)
- 血液検査(炎症や動脈硬化のマーカー)
- 必要に応じて血管造影検査
診察で予想されること
まずは内科または循環器科を受診します。問診のあと、リラックスした状態で両腕の血圧を測ります。追加検査が必要と判断された場合、後日改めて詳しい検査を受けることがあります。検査自体は痛みを伴わないものや、静脈注射による造影剤を使うものなど様々です。
治療
治療は原因となる病気によって異なります。動脈硬化が原因の場合は生活習慣の改善と薬物療法が中心です。血管の炎症や狭窄が原因の場合は、炎症を抑える薬や血流を改善する薬が使われます。重度の狭窄や閉塞がある場合は、カテーテル治療や手術が検討されることもあります。治療は医師と相談して決めていきます。
自宅でのセルフケア
- 禁煙する(喫煙は血管を傷つけます)
- バランスの良い食事と適度な運動で体重管理をする
- ストレスをためないようにする
- 血圧を定期的に測定し、記録をつける
- 医師から処方された薬は指示通りに服用する
医療治療
原因に応じて、血圧を下げる薬やコレステロールを改善する薬、血液をサラサラにする薬、炎症を抑えるステロイド薬などが使われます。必ず医師の処方のもとで服用してください。自己判断で薬をやめたり変えたりしないでください。
手術が検討される場合
大動脈瘤や大動脈解離、血管の重度の狭窄・閉塞など、薬では改善が難しい場合に手術やカテーテル治療(血管内治療)が行われることがあります。
この病気と共に生きる
血圧の左右差があっても、多くの場合は日常生活に大きな制限はありません。ただし、原因となる病気の進行を防ぐために、定期的な通院と自己管理が大切です。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙する
- 適度な運動(ウォーキングなど)を毎日続ける
- 塩分を控えめにする(1日6g未満が目安)
- 十分な睡眠をとる
食事と運動
野菜や果物、魚を多く取り入れ、脂肪の多い肉や加工食品は控えめにしましょう。運動は医師に相談した上で、無理のない範囲で行ってください。特に下肢の動脈に問題がある場合は、痛みが出たら一旦休むなど工夫します。
精神的健康と心の健康
血圧の差があること自体が不安になるかもしれませんが、多くは適切な治療で管理できます。不安な気持ちは医師や家族に話し、必要ならカウンセリングを受けることも検討しましょう。
予防
完全に予防することは難しいですが、動脈硬化を予防する生活習慣(禁煙、適度な運動、バランスの良い食事、適正体重維持)は、血圧の左右差の原因となる血管の病気のリスクを減らします。
ワクチン
該当しません。
検診プログラム
健康診断や人間ドックでの血圧測定(両腕)が重要なスクリーニングです。また、自宅で血圧を測る習慣をつけると、左右差に気づきやすくなります。
合併症
治療しない場合
- 動脈硬化の進行
- 脳卒中(脳梗塞や脳出血)
- 心筋梗塞
- 下肢の壊疽(えそ:組織が腐ること)による切断のリスク
- 大動脈解離や大動脈瘤破裂による致死的な状態
長期的な見通し
血圧の左右差そのものは症状ではなく、あくまでサインです。原因をきちんと調べ、適切な治療を行えば、多くの場合は進行を抑え、合併症を防ぐことができます。早期発見・早期対応が大切ですので、気になる症状があれば遠慮なく医療機関を受診してください。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月20日
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