運動後におこりやすい「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
蜂窩織炎(ほうかしきえん)とは、皮膚の深い層に細菌が入り込んで起こる感染症です。運動中にできた小さな傷や、すりむき、水ぶくれなどから細菌が入ることで、皮膚が赤く腫れて熱を持ち、痛みを伴います。
重要な事実
- 蜂窩織炎は、細菌が皮膚の傷口から入って起こる感染症です。
- 運動による小さな傷や、あせも、水虫などから発症することがあります。
- 早く治療すれば、多くの場合は数日でよくなります。
- 重症化すると全身に影響が出るため、症状が広がる場合はすぐに医療機関を受診してください。
- 「セルライト(脂肪のたるみ)」とは全く別の病気です。
蜂窩織炎は、日本でも比較的よくみられる感染症です。特に運動や野外活動で皮膚を傷つけた後、注意が必要です。
年齢を問わず誰でも発症する可能性があります。ただし、糖尿病、リンパの流れが悪い方、免疫力が低下している方、高齢者、小さいお子さんは、より重症化しやすくなります。
症状
- 赤みが急速に広がる
- 高熱(38度以上)や激しい悪寒がある
- 呼吸が速くなる、息苦しい
- 脈が速くなる、めまい、意識がもうろうとする
- 激しい痛み、皮膚が黒ずむ、水ぶくれが広がる
- ⚠赤みや腫れが数時間ごとに広がっている
- ⚠痛みが強くなり、動かせない
- ⚠発熱がある
- ⚠糖尿病など持病があり、傷口が赤い
一般的な症状
- 皮膚が赤くなる、赤みが広がる
- 皮膚が腫れて熱を持つ
- 触れたり押したりすると痛む
- 患部がつっぱる感じや、だるい感じがある
- 発熱や悪寒(おかん)が出ることもある
子供の症状
- 赤みや腫れに加えて、ぐったりする、機嫌が悪い、泣き続ける
- 食べられない、母乳やミルクを飲まない
- おむつ替えなどで足を触ると嫌がる
高齢者の症状
- 症状が急に進行しやすい
- 意識がぼんやりする、混乱が見られる
- 発熱がなくても、痛みや腫れが強くなることがある
原因
主な原因
- 運動中にできた切り傷、すり傷、水ぶくれなどから細菌(主に連鎖球菌や黄色ブドウ球菌)が皮膚の奥に入る
- 靴ずれやマメを破った後、清潔にしていないと感染しやすい
- 虫刺されをかきこわす
- 足の指の間の水虫(白癬)から細菌が入る
リスク要因
- 糖尿病、腎臓病、肝臓病などの持病
- 脚のむくみやリンパ浮腫(リンパの流れが悪い状態)
- 免疫力が低下している(がん治療後、ステロイド使用中など)
- 皮膚の乾燥やアトピー性皮膚炎などで皮膚のバリアが弱い
- 高齢者や乳幼児は抵抗力が弱いため注意が必要
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 赤みが1〜2時間で広がる
- 悪寒や高熱がある
- 傷口から膿や異臭のある液が出る
- 激しい痛みがあり動かせない
定期受診を予約すべき場合:
- 運動後、傷が赤く腫れてきたが1日以内なら
- 軽い熱があり、患部が少し痛むが全身状態は安定している
- 以前、蜂窩織炎になったことがある方
診断
医師が皮膚の見た目、赤みの範囲、痛み、体温などを確認して診断します。多くの場合は診察だけで診断できます。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(白血球や炎症反応の確認)
- 傷口の分泌物や膿の培養検査(細菌の種類を調べる)
- 症状によっては超音波検査で皮膚の奥の状態を確認する
診察で予想されること
診察では、赤みをなぞって広がりを確認したり、痛みの具合を聞かれたりします。必要に応じて血液検査をしますが、多くの場合は外来での治療で済みます。
治療
蜂窩織炎の治療は、細菌をやっつける抗菌薬(抗生物質)が中心です。症状の程度に合わせて、飲み薬や点滴で治療します。自宅でできるケアを併用すると回復が早くなります。
自宅でのセルフケア
- 患部を高く上げて安静にする(特に足の場合は心臓より高くする)
- 患部を冷やして腫れや痛みを和らげる
- 傷を清潔に保ち、医師が指示したガーゼや包帯で保護する
- 十分に水分を取って休む
- 皮膚をこすらない、かきこわさない
医療治療
抗菌薬を内服または点滴で使用します。症状の重さに応じて、最初は点滴で治療し、その後飲み薬に切り替えることもあります。医師の指示に従って、自己判断で薬をやめないことが大切です。
手術が検討される場合
膿がたまって膿瘍(のうよう)になった場合は、切開して膿を出す処置をすることがあります。非常にまれですが、組織が壊死(えし)する場合は外科的な処置が必要になることもあります。
この病気と共に生きる
蜂窩織炎の治療中は、安静が第一です。赤みや腫れがひいても、しばらくは皮膚が敏感なことがあるので、過度な運動は避け、体を清潔に保ちましょう。
生活習慣のアドバイス
- 完治するまで激しい運動、プール、長風呂は避ける
- 傷口がふさがるまで清潔に保つ
- 保湿を心がけて皮膚の乾燥を防ぐ
- 爪を短く切り、引っかき傷を予防する
- 足を洗ったら指の間までしっかりふく
食事と運動
バランスのよい食事と水分補給を心がけてください。たんぱく質やビタミンを含む食事は皮膚の修復に役立つといわれます。運動は、医師の許可が出るまで控え、回復してから徐々に再開しましょう。
精神的健康と心の健康
見た目の赤みや腫れが続くと、不安になったり気分が落ち込んだりすることもあるかもしれません。蜂窩織炎は適切に治療すれば多くの場合完治します。焦らず、医師や家族、友人に相談しながら過ごしましょう。
予防
はい、多くの場合は予防できます。運動時は擦り傷を避けるために長袖や長ズボン、適切な靴を選びましょう。小さな傷でもすぐに水道水で洗い、清潔なバンドエイドやガーゼで保護することが大切です。
ワクチン
蜂窩織炎を直接予防するワクチンはありませんが、破傷風ワクチンは汚染された傷の感染症予防に重要です。ケガをした際に、定期的な予防接種を受けているか医師に確認しましょう。
検診プログラム
糖尿病や末梢動脈疾患のある方は、毎日足を観察し、小さな傷や皮膚の変化を見逃さないことが予防になります。
合併症
治療しない場合
- 感染が広がり、リンパ管炎やリンパ節炎を起こす
- 血液中に細菌が入り、敗血症を起こすことがある
- 皮膚の組織が壊死(えし)する壊死性筋膜炎に進行する危険がある
- 膿瘍(のうよう)ができて膿がたまる
長期的な見通し
蜂窩織炎は、早期に適切な治療を受ければ、多くの場合数日から2週間でよくなります。赤みや腫れが引いても、しばらくは再発しやすいことがあります。医師の指示に従い、体を休めて経過をみることが大切です。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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