めまいとその原因
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
めまい(ふらつき)とは、自分や周りがぐるぐる回っているように感じたり、体がふわふわと浮いているように感じる症状のことです。めまい自体は病気ではなく、体の何らかの問題を知らせるサインです。原因はさまざまで、多くは一時的で深刻ではありませんが、中には注意が必要な場合もあります。
重要な事実
- めまいはよくある症状で、多くの人が一生に一度は経験します。
- 内耳(耳の奥の平衡感覚をつかさどる部分)の問題が原因になることが多いです。
- めまいの原因が軽いものでも、転倒などのケガにつながることがあるので注意が必要です。
- めまいが続く場合は、かかりつけ医や耳鼻科、脳神経内科などで相談しましょう。
はい、とてもよくある症状です。特に65歳以上の方では約3割が経験すると言われています。
どの年齢層でも起こり得ますが、高齢者やストレスの多い方、睡眠不足の方に多く見られます。また、内耳の病気は20~40代の女性に多い傾向があります。
症状
- 突然の激しいめまいとともに、ろれつが回らない、片側の手足が動かない、顔がゆがむ(脳卒中の可能性)
- めまいと同時に強い頭痛がある
- めまいで意識を失った(失神)
- 胸の痛みや息苦しさを伴うめまい
- ⚠めまいが数時間以上続く、または何度も繰り返す
- ⚠めまいとともに聴力が急に低下した
- ⚠めまいで歩けない、立っていられない
- ⚠めまいとともに高熱や強い吐き気がある
一般的な症状
- ぐるぐる回るような回転性のめまい
- ふわふわ浮いているような浮動性のめまい
- 立ちくらみ(立ち上がったときや姿勢を変えたときに起こるめまい)
- 吐き気や嘔吐を伴うめまい
- 耳鳴りや耳の詰まった感じ
子供の症状
- 小児ではめまいを「頭がくらくらする」「気持ち悪い」と表現することが多い
- 発熱や乗り物酔いが原因になることがよくある
- 激しい遊びの後に起こることもあるが、長く続かない
高齢者の症状
- 高齢者では回転性よりもふらつきや立ちくらみが多い
- 転倒リスクが高まるため、特に注意が必要
- 血圧の変動や薬の副作用が原因になることがある
原因
主な原因
- 内耳の病気(良性発作性頭位めまい症、メニエール病、前庭神経炎など)
- 血圧の変動(立ち上がる時に血圧が下がる起立性低血圧)
- 心臓のリズムの異常(不整脈)
- 脳の血流不足(一過性脳虚血発作など)
- ストレスや不安、過呼吸
- 貧血や脱水
- 薬の副作用
- 片頭痛(めまいを伴うこともある)
リスク要因
- 高血圧や糖尿病などの生活習慣病
- 長時間の立ち仕事や座りっぱなし
- 睡眠不足や疲労
- ストレスが多い生活
- 耳の病気の既往
- 特定の薬の使用(血圧の薬、抗うつ薬など)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状がある場合
- めまいが数日続く、または悪化する場合
- めまいのせいで日常生活に支障が出ている場合
定期受診を予約すべき場合:
- めまいがたまに起こるが、気になる場合
- めまいが原因で転倒しそうになったことがある場合
- めまいと一緒に耳鳴りや難聴がある場合
診断
医師は問診でめまいの詳しい状況(いつから、どのように、どんなときに起こるか)を聞き、必要に応じて以下のような検査を行います。診断には、原因を特定するために時間がかかることもあります。
行われる可能性のある検査
- 血圧測定(立位と臥位での血圧の変化を調べる)
- 聴力検査(内耳の機能を調べる)
- 平衡機能検査(目や体のバランスを調べる)
- 血液検査(貧血や感染症、電解質異常を調べる)
- 心電図(不整脈がないかを調べる)
- MRIやCT(脳の異常がないかを調べる)
診察で予想されること
最初はかかりつけ医(一般内科)を受診すると良いでしょう。医師が必要と判断すれば、耳鼻咽喉科や脳神経内科など専門医を紹介されることがあります。めまいの記録(いつ、どのくらい、何をしていたとき)をつけておくと診断の助けになります。
治療
治療は原因によって異なります。多くの場合は自然に良くなることもありますが、原因に合わせた治療を行います。薬の使用は医師の指示に従ってください。めまいの診断がつけば、症状に合わせたリハビリテーション(平衡訓練)が行われることもあります。
自宅でのセルフケア
- めまいが起きたら、安全な場所に座るか横になって休む
- 急に立ち上がらず、ゆっくり動作する
- 水分を十分に取る(脱水を防ぐ)
- カフェインやアルコールを控える
- 睡眠をしっかりとる
- ストレスをためないようにする
医療治療
医師はめまいの原因に応じて、内耳の炎症を抑える薬や吐き気を抑える薬、血行を改善する薬などを処方することがあります。また、良性発作性頭位めまい症に対しては、耳石を元の位置に戻す理学療法(頭位治療)が行われることがあります。これらの治療は医師の判断のもとで行われ、自己判断での薬の使用は避けてください。
手術が検討される場合
手術が必要になることはまれですが、内耳の病気(メニエール病など)で薬物治療が効かない場合や、原因が脳の動脈瘤など深刻な場合に検討されることがあります。
この病気と共に生きる
めまいが続く場合でも、日常生活で注意すれば安全に過ごせます。転倒防止のために家の中の障害物を減らし、手すりを設置するなどの工夫をしましょう。めまいが起きそうなときは、無理をせず休むことが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい生活を心がけ、十分な睡眠を取る
- ストレス管理(リラックス法や趣味など)
- めまいの日記をつけて原因を探る
- 運転や高所作業は症状が落ち着くまで控える
食事と運動
栄養バランスの良い食事を心がけ、特に貧血予防のために鉄分やビタミンB12を多く含む食品(レバー、ほうれん草、魚など)を摂ると良いでしょう。ただし、特定の食品がめまいに効くというエビデンスは限られています。運動は医師と相談しながら、バランス訓練(例:ゆっくりとした歩行や簡単なヨガ)を始めてみても良いかもしれません。激しい運動はめまいを誘発する可能性があるので注意が必要です。
精神的健康と心の健康
めまいが続くと不安やストレスを感じることがあります。また、めまいと不安は互いに影響し合うことがあります。気持ちが落ち込んだり、強い不安を感じる場合は、遠慮なく医師に相談してください。必要に応じて心理的なサポートも受けられます。
予防
すべてのめまいを予防することはできませんが、生活習慣の改善でリスクを減らせる場合があります。特に、急な動作を避けること、十分な水分を取ること、ストレスをためないことが効果的です。
ワクチン
特になし
検診プログラム
めまいを予防するための特定のスクリーニング検査はありませんが、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の管理は間接的にめまいの予防につながります。定期的な健康診断を受けることをおすすめします。
合併症
治療しない場合
- 転倒による骨折や頭部外傷(特に高齢者でリスクが高い)
- 日常生活の質の低下(外出を避けるようになるなど)
- 心理的な問題(不安症やうつ状態)
- 基礎疾患(脳卒中など)の進行
長期的な見通し
ほとんどのめまいは、原因が特定できれば適切な治療や生活の工夫で改善します。良性発作性頭位めまい症は自然に治ることも多く、メニエール病も治療でコントロール可能です。たとえ原因がはっきりしなくても、症状に合わせた対処法が身につけば、普段の生活に戻ることが十分可能です。あきらめずに医療機関に相談しましょう。
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- 厚生労働省 めまいに関する情報 ↗ · 日本
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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