疲労の意味するもの
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
疲労(ひろう)とは、休息をとってもなかなか回復しない、強いだるさやエネルギー不足の状態をいいます。誰にでも起こりうる症状ですが、長く続く場合は体や心の病気のサインであることもあります。
重要な事実
- 疲労は病気ではなく、体や心の状態を示す症状(サイン)です。
- 多くの場合、生活習慣の見直しで改善しますが、原因となる病気が隠れていることもあります。
- 長期間(1ヶ月以上)続く疲労は、医師の診察を受ける目安です。
はい、とてもよくある症状です。日本人の約3人に1人が慢性的な疲労を感じていると言われています。
どの年代の人にも起こりますが、働き盛りの成人や子育て中の親、高齢者に多く見られます。
症状
- 突然の激しい胸の痛みや圧迫感がある
- 意識がもうろうとする、または失神した
- 片側の手足が動かない、言葉がうまく話せない(脳卒中の可能性)
- 呼吸が苦しくて息ができない
- 大量の出血がある
- ⚠疲労に加えて、38度以上の熱が続く
- ⚠息切れや胸の痛みがある
- ⚠体重が急に減った(1ヶ月で5%以上)
- ⚠夜中に汗でびっしょりになる(盗汗)
- ⚠皮膚や目が黄色い(黄疸)
一般的な症状
- 体が重くだるい
- 十分な睡眠をとっても疲れが取れない
- やる気が出ない、集中力が続かない
- ちょっとした動きでも息切れする
- 頭痛や筋肉痛がある
子供の症状
- 学校に行きたがらない
- 遊ぶ元気がない、いつもより寝ている
- 食欲がない、体重が増えない
- イライラしたり、泣きやすくなる
高齢者の症状
- 日常の動作(着替え、食事など)がおっくうになる
- 転びやすくなる
- 物忘れがひどくなったように感じる
- 体重が減る、食欲がない
原因
主な原因
- 睡眠不足や不規則な生活リズム
- 貧血(血が足りない状態)
- 甲状腺の病気(甲状腺機能低下症など)
- うつ病や不安障害などの心の病気
- 感染症(風邪、インフルエンザ、COVID-19など)
- 慢性疲労症候群(筋痛性脳脊髄炎)
- がんや自己免疫疾患などの深刻な病気
リスク要因
- 過度のストレス(仕事、人間関係など)
- 栄養バランスの悪い食事
- 運動不足
- アルコールの飲みすぎや喫煙
- 慢性的な睡眠不足(1日6時間未満)
- 特定の薬の副作用(医師に相談してください)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然の強い疲労で日常生活ができない
- 意識がおかしい、呼吸が苦しい
- 胸の痛みや激しい頭痛がある
定期受診を予約すべき場合:
- 疲労が2週間以上続いている
- 日常の活動が以前より明らかに困難になった
- 体重減少、発熱、寝汗などの他の症状がある
- 仕事や学校に行くのがつらい
診断
医師があなたの症状や生活習慣について詳しく話を聞き(問診)、必要に応じて身体診察や検査を行います。特定の病気が疑われる場合は、さらに専門的な検査を勧められることがあります。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(貧血、炎症、甲状腺ホルモン、感染症の有無を調べる)
- 尿検査(腎機能や糖尿病のチェック)
- 心電図(心臓の働きを調べる)
- 睡眠検査(睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合)
診察で予想されること
最初はかかりつけ医(一般内科)を受診するのがよいでしょう。問診では、疲労がいつから、どのように始まったか、ほかの症状はないかなどを詳しく尋ねられます。原因がはっきりしない場合は、専門医(心療内科、内分泌内科など)を紹介されることもあります。
治療
治療は疲労の原因によって異なります。原因となる病気が見つかればその治療を行い、生活習慣が関係している場合は改善のアドバイスを受けます。薬を使う治療もありますが、必ず医師の指導のもとで行ってください。
自宅でのセルフケア
- 睡眠時間をしっかり確保する(大人は7~9時間が目安)
- 規則正しい生活リズムを心がける(同じ時間に寝起きする)
- 適度な運動を習慣にする(ウォーキングなど軽いものでOK)
- バランスの良い食事をとる(特に鉄分やビタミンB群を意識)
- ストレスをためない工夫をする(趣味、リラックス法)
- カフェインやアルコールの摂取を控えめにする
医療治療
原因に応じて、貧血に対する鉄剤の補充、甲状腺機能低下症に対するホルモン補充、うつ病に対する抗うつ薬などが使われることがあります。ただし、薬の選択や用量は医師が個別に判断しますので、自己判断で市販薬を頼らないでください。
手術が検討される場合
疲労そのものを手術で治療することはありません。ただし、疲労の原因となる病気(例:腫瘍など)が見つかった場合、その病気に対して手術が必要になることがあります。
この病気と共に生きる
疲労と上手に付き合うには、自分の体の声を聞き、無理をしないことが大切です。疲れを感じたら休むこと、そしてできることから少しずつ活動を増やしていきましょう。
生活習慣のアドバイス
- 毎日同じ時間に起きる、寝る
- 昼間の短い仮眠(15~20分)を取り入れる
- ストレス解消法を見つける(深呼吸、ストレッチ、音楽など)
- 仕事や家事の合間にこまめに休憩する
食事と運動
食事は3食バランスよく、特に鉄分(赤身の肉、ほうれん草、レバーなど)、ビタミンB群(豚肉、魚、卵)、ビタミンC(果物、野菜)を意識してとりましょう。運動は週に数回、軽いウォーキングから始め、無理のない範囲で続けることが大切です。
精神的健康と心の健康
疲労が長引くと、気分が落ち込んだり、イライラしやすくなることがあります。また、うつ病などの心の病気が疲労の原因であることもあります。感情の変化に気づいたら、一人で抱え込まずに医師や家族に相談してください。つらいときは、24時間対応のこころの健康相談窓口(例:いのちの電話)があります。
予防
完全に予防することは難しいですが、健康的な生活習慣を続けることで疲労のリスクを減らせます。特に睡眠、栄養、運動、ストレス管理が大切です。
ワクチン
感染症による疲労を防ぐため、インフルエンザワクチンや新型コロナウイルスワクチンなど、厚生労働省が推奨するワクチンは検討しましょう。
検診プログラム
定期的な健康診断を受けることで、貧血や甲状腺の病気、糖尿病などの早期発見につながります。職場や市区町村の健康診断を活用してください。
合併症
治療しない場合
- 仕事や学業のパフォーマンス低下
- 人間関係の悪化(イライラしやすくなる)
- うつ病などの精神疾患の発症リスク上昇
- 免疫力の低下による感染症の増加
- 原因となる病気(がん、心不全など)の進行
長期的な見通し
疲労の多くは、原因が特定できれば適切な治療や生活改善で良くなります。たとえ原因がはっきりしない慢性疲労でも、適切な管理とサポートにより症状を和らげ、日常生活の質を高めることは十分可能です。希望を持って、一歩ずつ取り組みましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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