インフルエンザのような症状(発熱・だるさ・咳)
概要
「インフルエンザのような症状」とは、特定の病名ではなく、急な発熱、寒気、体のだるさ、咳、のどの痛みなどがまとまって現れる状態を指します。かぜ、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症など、多くのウイルス感染症でよく似た症状が出るため、症状だけでは原因を区別できません。多くは数日から2週間ほどで自然に良くなりますが、重症化することもあるため、症状の経過をよく見ることが大切です。
重要な事実
- 発熱・だるさ・咳・のどの痛みなどが同時に現れる状態で、原因はいくつか考えられます
- 多くの場合は安静と水分補給で回復しますが、肺炎などの合併症に注意が必要です
- 高齢者・小さな子ども・妊娠中の方・慢性疾患のある方は重症化しやすいため、早めの相談が勧められます
とてもよくある症状です。季節を問わず、特に冬場に多くみられます。多くの方は数日〜2週間程度で回復します。
誰にでも起こります。特に、65歳以上の高齢者、5歳未満の子ども、妊娠中の方、喘息・糖尿病・心臓病・腎臓病などの慢性疾患がある方、免疫のはたらきが弱い方は、重症化しやすいとされています。
症状
- 呼吸が苦しい、息ができない、話すのがつらい
- 唇や顔色が青白い、紫色をしている
- 意識がない、呼びかけに答えない、ぐったりしている
- けいれんが起きた
- 胸を強く押さえるような痛みがある
- 水分がまったくとれず、おしっこが出ない(強い脱水)
- ⚠高い熱が3日以上続く、または一度下がった熱がぶり返す
- ⚠症状が急に悪くなった
- ⚠息切れがあり、横になるとつらい
- ⚠水分はとれているが、おしっこの量が明らかに少ない
- ⚠妊娠中の方、慢性疾患のある方、高齢者に発熱が出た
- ⚠小さな子どもの機嫌が悪く、飲み物を飲まない、ぐったりしている
一般的な症状
- 急な発熱(38度以上になることも)
- 寒気・ふるえ
- 体のだるさ・疲れやすさ
- 筋肉痛・関節痛
- 咳(乾いた咳が多い)
- のどの痛み
- 鼻水・鼻づまり
- 食欲がない、においや味を感じにくい
- 吐き気・下痢(子どもや一部の大人)
子供の症状
- 大人より高い熱が出やすい
- ぐったりして元気がない、遊ばない
- 機嫌が悪い、泣き止まない
- 嘔吐や下痢を伴いやすい
- 水分をとらず、おしっこの量が減る(脱水のサイン)
- 呼吸が速い、息を吸うときに胸がへこむ
- 耳の痛み(中耳炎を合併することがあります)
高齢者の症状
- 熱が高くならないことがあり、症状が目立ちにくい
- 元気がない、ぼんやりする、話がかみ合わない
- 食欲が落ちる、水分をとらない
- 転びやすくなる、立てなくなる
- もともとの持病(心臓病・糖尿病・呼吸器の病気など)が悪化する
- 肺炎を合併しやすい
原因
主な原因
- ウイルスによる感染(インフルエンザウイルス、かぜウイルス、新型コロナウイルスなど)
- その他の感染症(細菌による肺炎、咽頭炎など)
- まれに、感染症以外の原因(アレルギー、薬の影響、その他の病気)で似た症状が出ることがある
リスク要因
- 人が多く集まる場所にいる(学校・職場・公共交通機関など)
- 冬など気温が低く乾燥する季節
- 手洗い・換気が十分でない
- 睡眠不足や栄養の偏り、疲れがたまっている
- 65歳以上の高齢、5歳未満の子ども、妊娠中
- 喘息・糖尿病・心臓病・腎臓病などの慢性疾患
- 免疫のはたらきが弱くなる治療を受けている
- たばこを吸う
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 呼吸が苦しい、息が浅い、顔色が悪い
- 意識がもうろうとしている、会話がかみ合わない
- けいれんがあった
- 高熱が続く、または一度良くなってから急に悪化した
- 水分がとれず、おしっこが半日以上出ていない
- 妊娠中の方、高齢者、慢性疾患のある方に発熱が出た
- 小さな子どもの元気がなく、飲み物を飲まない
定期受診を予約すべき場合:
- 熱や咳が3〜4日たってもよくならない
- 症状は軽いが、長引いていて生活に支障がある
- 症状の原因を知りたい、受診の必要性を相談したい
- 症状が良くなったり悪くなったりを繰り返す
診断
まず問診と診察で、症状の出方、経過、持病、周囲での流行状況などを確認します。症状の組み合わせだけでは原因を特定しにくいため、必要に応じて検査が行われます。検査をするかどうかは、症状の重さ、基礎疾患の有無、地域の流行状況などをふまえて医師が判断します。
行われる可能性のある検査
- 問診・診察(体温、のど、肺の音、呼吸の状態などを確認)
- 鼻やのどの粘膜をとる迅速検査(インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスなど)
- 血液検査(炎症の程度や脱水の有無をみる)
- 胸部レントゲンや画像検査(肺炎が疑われるとき)
- 尿検査(脱水や腎臓のはたらきを確認するとき)
診察で予想されること
検査は数分から十数分で結果が出るものが多いですが、検査をしない場合もあります。検査結果が出なくても、症状と経過から診断し、治療方針を決めることがあります。結果について不安があれば、診察時に医師にたずねてみましょう。
治療
治療の中心は、体を休めて回復を助けることです。原因となっているウイルスによっては、医師が必要と判断した場合に治療薬が検討されます。症状の重さ、年齢、持病、妊娠の有無などによって方針が変わるため、自己判断で市販薬を重ねて使ったり、家族の薬を分けてもらったりせず、医師や薬剤師に相談してください。
自宅でのセルフケア
- できるだけ安静にし、仕事や学校は無理をせず休む
- こまめに水分をとる(水、お茶、経口補水液など)
- 部屋を加湿し、換気をこまめに行う
- 消化のよい食事を少量ずつとる
- 体温と症状を記録しておくと、受診のときに役立つ
- 咳やくしゃみのときはマスクやティッシュで口を覆う
- 症状が良くなるまで、人との接触をなるべく減らす
医療治療
医療機関では、症状の経過をみながら、熱や咳、のどの痛みなどをやわらげるための選択肢が検討されます。原因となるウイルスが特定できた場合は、そのウイルスに応じた治療が検討されることがあります。細菌感染が疑われる場合には、別の治療方針がとられることがあります。どの治療を選ぶかは、年齢・症状・持病・妊娠の有無などで変わるため、医師の説明をよく聞き、わからないことは質問しましょう。薬を使う場合も、名前や量は必ず医師・薬剤師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
通常、かぜやインフルエンザのような症状で手術が必要になることはありません。ただし、肺炎や膿瘍(うみがたまる状態)など合併症が起きた場合には、別の治療が必要になることがあります。
この病気と共に生きる
症状がある間は、無理をせず「休むこと」を最優先にしてください。発熱が続く間は入浴を控え、ぬるいタオルで体を拭く程度にすると安心です。家族と過ごすときは、タオルやコップを分け、手洗いをこまめに行いましょう。症状が良くなってきたら、少しずつ日常の活動に戻していきます。
生活習慣のアドバイス
- 十分な睡眠をとり、疲れをためない
- 手洗い・うがいを習慣にする
- 部屋の換気と適度な湿度を保つ
- バランスのよい食事を心がける
- 喫煙を避け、受動喫煙にも気をつける
- 流行期は人混みをできるだけ避ける
- 体調がすぐれないときは早めに休む
食事と運動
食事は、スープ、おかゆ、うどん、果物など、のどごしがよく消化のよいものを少量ずつとりましょう。水分はのどが渇く前にこまめに補給してください。回復してきたら、軽い散歩などから始め、息苦しさや強い疲れを感じたらすぐに休みます。激しい運動は、症状が完全に落ち着いてから少しずつ再開すると安心です。
精神的健康と心の健康
高熱やだるさが続くと、不安になったり、気分が落ち込んだりすることがあります。人との接触を減らすことで孤独を感じることもあるかもしれません。そんなときは、電話やメッセージで家族や友人とつながること、無理に気持ちを抑え込まないことが大切です。つらさが続くときは、医療機関や地域の相談窓口に相談してください。気持ちがとてもつらいときや、自分を傷つけたい気持ちが浮かぶときは、ためらわず身近な人や専門の相談窓口、緊急の連絡先に助けを求めてください。
予防
完全に防ぐことは難しいですが、手洗い、換気、人混みを避けること、十分な睡眠と栄養などで、感染のリスクを下げることができます。流行期には、症状のある人との距離をとることも大切です。
ワクチン
インフルエンザワクチンや新型コロナウイルスワクチンなど、季節や地域に応じて受けられるワクチンがあります。接種を検討する際は、年齢や持病、妊娠の有無などをふまえ、かかりつけ医や地域の保健センター、自治体の案内で最新の情報を確認してください。
検診プログラム
特定の症状に対する決まったスクリーニング検査はありません。ただし、症状があるときや流行期に心配なときは、地域の医療機関や相談窓口で受診の必要性を相談できます。
合併症
治療しない場合
- 肺炎(特にお年寄りや小さな子ども、慢性疾患のある方で注意)
- 気管支炎や中耳炎、副鼻腔炎
- 脱水症状(水分がとれないとき)
- もともとの持病(心臓病、糖尿病、喘息など)の悪化
- まれに、心筋炎や脳症などの重い合併症
長期的な見通し
多くの方は、数日から2週間ほどで症状が落ち着き、元の生活に戻ることができます。咳やだるさが少し長引くこともありますが、少しずつ回復していくのがふつうです。症状の経過を見守りながら、心配なときは早めに医療機関に相談してください。
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最終更新: 2026年11月3日
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