月経過多
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
過多月経(かたげっけい)とは、月経(生理)の出血量が通常より多くなる状態のことです。一般的には、1回の生理で80ミリリットル以上の出血がある場合を指します。出血量が多くなると、貧血(血が足りなくなる状態)を起こしやすくなります。
重要な事実
- 過多月経は女性の約3人に1人が経験するといわれる、よくある症状です。
- 原因によっては治療で改善しやすく、たいていは適切なケアでコントロールできます。
- 出血が続くと貧血や疲れやすさの原因になるため、早めの相談が大切です。
はい、過多月経は非常によくある症状です。多くの女性が一生のうちに一度は経験すると言われています。
主に妊娠可能な年齢(10代後半から50歳くらいまで)の女性にみられます。特に30代から40代の女性に多く、思春期や閉経が近い時期にも起こりやすくなります。
症状
- 出血が止まらず、1時間にナプキン1枚を完全に濡らす状態が2時間以上続く
- 立ちくらみやめまい、冷や汗などの貧血症状が突然現れる
- 意識を失いそうになる
- 激しい腹痛や腰の痛みを伴う
- ⚠生理の出血が重く、普段よりはるかに多いと感じる
- ⚠大きな血栓(親指の先より大きい)が何度も出る
- ⚠生理の出血で夜中に何度も目が覚める
- ⚠めまいや息切れがあり、貧血が疑われる
一般的な症状
- 生理の出血が8日以上続く
- ナプキンやタンポンを1〜2時間おきに交換するほど出血量が多い
- レバー状の大きな血の塊(血栓)が出る
- 生理の出血で夜中に起きてしまう
- 生理の経血量が多くて日常生活に支障が出る
子供の症状
- 初経(初めての生理)から量が多い
- 大きな血の塊が出る
- 生理のたびに強いおなかの痛みがある
高齢者の症状
- 閉経が近づくにつれて出血量が増える
- 生理の間隔が不規則になり、量も変わる
- 生理の出血が1週間以上続く
原因
主な原因
- ホルモンバランスの乱れ(エストロゲンとプロゲステロンのバランスが崩れる)
- 子宮筋腫(子宮にできる良性の腫瘍)
- 子宮内膜ポリープ(子宮の内膜にできる良性のできもの)
- 子宮内膜症(子宮内膜に似た組織が子宮以外にできる病気)
- 甲状腺の問題(甲状腺機能低下症など)
- 血液の病気(血が止まりにくくなる病気)
リスク要因
- 年齢(思春期や40代以降)
- 家族に子宮筋腫や子宮内膜症の人がいる
- ストレスや生活リズムの乱れ
- 抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)の使用
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 出血がひどくて、1時間おきにナプキンを交換する状態が続く
- めまいや立ちくらみがひどい
- 激しい腹痛や腰痛がある
定期受診を予約すべき場合:
- 生理の出血量が多いと感じる状態が何か月も続く
- 生理のたびに大きな血の塊が出る
- 生理期間が長く、生活に支障が出ている
- 貧血の症状(疲れやすい、顔色が悪い)がある
診断
医師があなたの症状や生理の経過について詳しくお聞きし、必要な検査を行って原因を調べます。
行われる可能性のある検査
- 問診(生理の状態や健康状態を詳しく聞く)
- 内診(子宮や卵巣の状態を調べる)
- 血液検査(貧血やホルモンバランス、甲状腺機能を調べる)
- 超音波(エコー)検査(子宮や卵巣の形、筋腫やポリープの有無を調べる)
- 子宮内膜検査(子宮の組織を一部とって調べる)
診察で予想されること
最初は産婦人科を受診します。痛みの少ない検査が多く、リラックスして受けられます。診断には数週間かかることもありますが、原因がわかれば適切な治療を始められます。
治療
過多月経の治療は原因や症状の重さによって異なります。まずは生活習慣の見直しや鉄分の補給などの自己ケアから始め、必要に応じて医師の指導のもとで薬や手術などの治療を検討します。
自宅でのセルフケア
- 生理用ナプキンやタンポンをこまめに交換する
- 鉄分を多く含む食品(レバー、ひじき、ほうれん草など)を意識してとる
- 十分な睡眠と休養をとる
- ストレスをためないようにする
- 生理の記録(アプリや手帳)をつけて、出血量や日数を把握する
医療治療
医師が原因に合わせて治療方法を提案します。一般的には、痛みや出血を抑える薬(非ステロイド性抗炎症薬など)や、ホルモンバランスを整える薬(低用量ピルや黄体ホルモン剤など)、子宮内に装着してホルモンを放出する器具などがあります。どの治療法が適しているかは、年齢や妊娠の希望、症状の程度によって異なります。
手術が検討される場合
薬での治療が効果がない場合や、子宮筋腫やポリープが原因の場合は、手術を検討することがあります。手術には子宮の中の筋腫やポリープだけを切除する方法や、内膜を焼く方法など、さまざまな種類があります。子宮をすべて摘出する手術は最終的な選択肢です。医師とよく相談して決めましょう。
この病気と共に生きる
過多月経があると、生理のたびに不安や疲れを感じることがあります。でも、適切なケアと治療で症状は軽くなります。生理の予定をあらかじめ立てて、ナプキンや鎮痛薬を準備しておくと安心です。
生活習慣のアドバイス
- 生理中は無理をせず、安静を心がける
- 温かいお風呂やカイロでおなかや腰を温める
- 適度な運動(ウォーキングやストレッチなど)で血行を良くする
- 睡眠時間をしっかり確保する
食事と運動
鉄分を多く含む食品(レバー、赤身の肉、ほうれん草、大豆製品など)と、ビタミンC(鉄の吸収を助ける)を一緒にとるよう心がけましょう。貧血予防に役立ちます。激しい運動は避け、ゆったりとした運動(ヨガや散歩など)を取り入れると、ストレス軽減にもなります。
精神的健康と心の健康
過多月経による出血量の多さや痛みは、気分の落ち込みや不安を引き起こすことがあります。それは自然な反応です。自分の気持ちを家族や友人に話したり、医師に相談することで気持ちが軽くなることがあります。もし強いストレスや不安を感じたら、心の健康の専門家に相談することも選択肢の一つです。
予防
すべての過多月経を予防できるわけではありませんが、健康的な生活習慣(バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠、ストレス管理)を続けることで、ホルモンバランスを整え、症状を軽くできる可能性があります。肥満の方は減量が効果的な場合もあります。
検診プログラム
過多月経の原因となる子宮筋腫や子宮内膜症を早期に見つけるために、年に1度の産婦人科検診(子宮頸がん検診や超音波検査)を受けることをおすすめします。
合併症
治療しない場合
- 鉄欠乏性貧血(鉄分が不足して血が薄くなる状態)が進行し、疲れやすさや息切れ、めまいが続く
- 貧血が重度になると、動悸や頭痛、集中力の低下を引き起こす
- 出血が長期にわたると、日常生活の質(QOL)が低下する
長期的な見通し
過多月経の多くは、適切な治療で症状が改善します。原因がはっきりしている場合も、治療法はたくさんあります。焦らず、医師と相談しながら自分に合った方法を見つけていきましょう。たとえ症状が続いても、適切な管理で快適に過ごすことができます。
サポートを探す
地域の団体
- 産婦人科診療所・病院 · 日本全国
- 厚生労働省 過多月経に関する情報 ↗ · 日本
相談窓口
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。
Guidance may differ by country or region. Confirm local recommendations with a qualified healthcare provider.