いぼ痔(痔核)と吐き気
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
いぼ痔(痔核)とは、肛門の周りにある血管のふくらみ(痔核)が炎症を起こしたり、出血したりする病気です。吐き気は直接の症状ではありませんが、いぼ痔による強い痛みやストレス、または別の消化器の問題が原因で起こることがあります。
重要な事実
- いぼ痔は日本人の約3人に1人が経験する一般的な病気です。
- 吐き気だけがいぼ痔の症状になることはほとんどありません。腹痛や発熱を伴う場合は別の病気の可能性があります。
- いぼ痔が悪化すると、血栓(血のかたまり)ができて激しい痛みを生じ、吐き気を催すことがあります。
- 生活習慣の改善で症状を和らげられ、多くの場合自然に治ります。
はい、いぼ痔はとても一般的です。日本人の約3人に1人が一生に一度は経験すると言われています。吐き気を伴うケースはそれほど多くありませんが、痛みが強い場合に起こることがあります。
いぼ痔はどの年齢でも起こりますが、特に40~60代に多く、妊娠中や出産後、慢性便秘、長時間座りっぱなしの仕事をする人に多く見られます。吐き気は特に強い痛みがある場合や不安が強い場合に起こりやすいです。
症状
- 肛門から大量の出血が止まらない
- 激しい痛みとともに吐き気や嘔吐(おうと)がある
- 意識がもうろうとする、めまいがする
- ⚠いぼ痔のしこりが急に大きくなり、紫色になって激しく痛む(血栓性痔核の可能性)
- ⚠痛みが強く、市販の鎮痛薬でも改善しない
- ⚠発熱や悪寒(おかん)がある
- ⚠吐き気が続き、食事や水分がとれない
一般的な症状
- 肛門の違和感やかゆみ
- 排便時の出血(真っ赤な血が便やトイレットペーパーにつく)
- 肛門の周りのしこりや腫れ
- 痛み(特に排便時や座っているとき)
子供の症状
- 子どもの場合、いぼ痔はまれです。便秘による肛門の切れ目(裂肛(れっこう))のほうがよく見られます。
- 吐き気がある場合は、便秘や胃腸炎など別の原因が考えられます。
高齢者の症状
- 高齢者では、便通の変化や排便時のいきみがいぼ痔の原因になります。
- 吐き気を伴う場合は、便秘薬の副作用や脱水、他の消化器疾患に注意が必要です。
原因
主な原因
- いぼ痔の直接の原因は、肛門周囲の血管に過度の圧力がかかることです。
- 吐き気は、いぼ痔による強い痛みが自律神経を刺激して起こることがあります。
- また、いぼ痔の治療で使われる薬や、便秘薬の副作用として吐き気が出ることもあります。
- まれに、いぼ痔が感染して周囲に炎症が広がると(痔ろう)、発熱と吐き気を伴うことがあります。
リスク要因
- 慢性便秘や下痢
- 妊娠・出産
- 長時間の座位(デスクワーク、長距離運転)
- 肛門に負担をかける習慣(排便時の強いいきみ)
- 食物繊維の不足
- 喫煙(血流を悪くする)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 大量の出血がある
- 痛みが非常に強く、座れないほどの場合
- 吐き気とともに発熱や腹痛がある場合
定期受診を予約すべき場合:
- いぼ痔の症状が1週間以上続く
- 出血が繰り返し起こる
- トイレットペーパーに血がつく程度でも、気になるので受診する
診断
医師が肛門や肛門周囲を見て、触って診断します。多くの場合、特別な機器は必要なく、診察室で数分で診断がつきます。吐き気がある場合は、医師が吐き気の原因を調べるために腹部の診察や問診を行います。
行われる可能性のある検査
- 視診・触診(肛門の外側の診察)
- 肛門鏡検査(肛門の内側を観察する)
- 必要に応じて大腸カメラ(大腸内視鏡検査)で大腸全体を調べることがあります(出血の他の原因を除外するため)
診察で予想されること
診察は痛みを伴うことはほとんどありません。医師はあなたの症状や排便習慣について詳しく聞きます。リラックスして自分の状態を説明してください。吐き気がある場合は、その症状も必ず伝えてください。
治療
いぼ痔の治療は、症状の重さによって異なります。多くの場合、生活習慣の改善と市販の塗り薬などで症状は改善します。吐き気に対しては、その原因に応じて対応します。痛みが強い場合は、鎮痛薬や炎症を抑える薬を医師が処方することもあります(ただし、具体的な薬名はここでは記載しません)。
自宅でのセルフケア
- 食物繊維の多い食事(野菜、果物、全粒穀物)をとり、便を柔らかくする。
- 1日1.5~2リットルの水を飲む。
- トイレで長時間座らない。いきまない。
- 入浴で肛門周囲を温め、血行を良くする。
- 刺激の少ない石鹸で優しく洗い、清潔に保つ。
- 激しい痛みや吐き気があるときは、横になって安静にする。
医療治療
軽度から中等度のいぼ痔には、医師によるゴム輪結紮(ゴムで痔核の根元を縛って壊死させる)や注射療法(硬化療法)などの処置があります。吐き気には、必要に応じて吐き気止めの薬が処方されることがあります。いずれも医師の指示のもとで行います。
手術が検討される場合
重度のいぼ痔や、治療しても改善しない場合、痔核切除術(痔核を切り取る手術)が行われることがあります。血栓性痔核で激しい痛みがある場合も、緊急で切開・除去することがあります。
この病気と共に生きる
普段の生活では、便秘や下痢を防ぐことが大切です。トイレに行くときは便意を我慢せず、いきまないようにしましょう。吐き気があるときは、無理に食事をとらず、消化の良いものを少しずつ食べてください。
生活習慣のアドバイス
- 適度な運動(ウォーキングなど)を習慣にする。
- 長時間座る仕事の人は、1時間に一度は立ち上がって歩く。
- 排便のリズムを整える(毎日同じ時間にトイレに行く習慣)。
- ストレスをため込まない(ストレスは便秘や吐き気の原因になる)。
食事と運動
食事は食物繊維をしっかりとり、脂っこいものや辛いものは控えめに。水分をたっぷり飲む。運動はウォーキングや軽いストレッチが効果的です。激しい運動は避けましょう。
精神的健康と心の健康
繰り返す痛みや見た目への不安、吐き気による不快感で気分が落ち込むことがあります。症状で悩んでいることは医師に伝えましょう。必要ならカウンセリングやメンタルサポートも受けられます。
予防
完全に防ぐことは難しいですが、便秘や下痢を予防し、排便時の負担を減らすことでリスクを下げられます。食事や運動、水分摂取に気をつけましょう。
ワクチン
該当しない
検診プログラム
定期的な検診は特に必要ありませんが、出血が気になる場合や家族に大腸がんの人がいる場合は、大腸カメラの検討を医師に相談すると良いでしょう。
合併症
治療しない場合
- 血栓性痔核(いぼ痔に血のかたまりができて激しい痛みと腫れが出る)
- 貧血(慢性的な出血による)
- 痔ろう(肛門周囲に膿の通り道ができる感染症)
- 吐き気や嘔吐が続くと脱水や栄養不足を起こす可能性がある
長期的な見通し
いぼ痔は、適切な治療と生活習慣の改善によってほとんどが良くなります。吐き気も原因が取り除かれれば治まります。放置すると悪化することもありますが、治療を始めれば多くの場合、数週間から数ヶ月で症状は改善します。気になる症状があれば、早めに医師に相談することで、より良い経過が期待できます。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月30日
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