高齢者の股関節痛
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
股関節の痛みは、関節自体やその周りの筋肉、腱などに問題が生じることで起こります。高齢者では、長年の使用による関節のすり減り(変形性股関節症)や、転倒による骨折が主な原因です。適切な対処で多くの場合、痛みを和らげられます。
重要な事実
- 高齢者の股関節痛はとても一般的で、60歳以上の約10人に1人が経験します。
- 原因によって治療法は異なりますが、多くは手術をしない保存療法で改善します。
- 転倒予防は股関節の健康を守る上で非常に重要です。
はい、高齢者の股関節痛は非常に一般的な症状です。特に65歳以上でその頻度が高まります。
主に65歳以上の高齢者に多く見られますが、加齢に伴い誰でも起こりうる症状です。女性の方が男性よりやや多いとされています。
症状
- 転倒後、足に全く体重をかけられないほど痛む
- 股関節が明らかに変形している、または足の長さが違う
- 発熱(38℃以上)を伴う股関節の痛み
- ⚠歩くのが難しい、または全く歩けない
- ⚠痛みが数日以上続き、市販の痛み止めで効かない
- ⚠足にしびれや感覚の低下がある
一般的な症状
- 歩くときや立ち上がるときの股関節の痛み
- 股関節周辺のこわばり(特に朝)
- 股関節を動かすと「カクカク」「ゴリゴリ」と音がする
子供の症状
- 成長痛とは違う、持続的または悪化する痛み
- 足を引きずるような歩き方
- 股関節の腫れや熱感
高齢者の症状
- 安静にしていても続く痛み(安静時痛)
- 朝方のこわばりが30分以上続く
- 転倒後の急な激しい痛みと歩行困難
原因
主な原因
- 変形性股関節症(関節の軟骨が加齢などですり減る)
- 大腿骨頸部骨折(転倒により太ももの骨の付け根が折れる)
- 筋肉や腱の炎症(滑液包炎や腱炎)
リスク要因
- 加齢(65歳以上)
- 肥満(体重が関節に負担をかける)
- 過去の股関節のけがや手術
- 骨粗しょう症(骨がもろくなる)
- 長期間の運動不足による筋力低下
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 転倒後、激痛で動けない、または足を動かせない
- 痛みで夜も眠れない
- 発熱や悪寒を伴う
定期受診を予約すべき場合:
- 股関節の痛みが2週間以上続く
- 朝のこわばりが30分以上続く
- 日常生活(歩行、階段、靴下の着脱)に支障が出ている
診断
医師が問診(いつから、どのような痛みか)と身体検査(動きや圧痛の確認)を行い、必要に応じて画像検査を実施します。
行われる可能性のある検査
- レントゲン検査(骨の形や関節のすき間を確認)
- MRI検査(軟骨や筋肉、骨折の詳細を確認)
- 血液検査(炎症や感染の有無を調べる)
診察で予想されること
検査結果をもとに医師が痛みの原因を説明し、あなたに合った治療計画を立てます。多くの場合、まずは薬やリハビリなどの保存療法から始めます。
治療
治療は原因や症状の程度によりますが、多くの場合、手術をしない保存療法が第一選択です。目標は痛みを和らげ、日常生活の動きを改善することです。
自宅でのセルフケア
- 痛みがあるときは無理をせず安静にする(ただし寝たきりは避ける)
- 炎症がある部分を冷やす(氷のうなどで1回15分程度)
- 体重を適正に保つ(関節への負担軽減)
医療治療
医師の指示のもと、鎮痛薬の内服や外用薬(湿布など)、関節内注射(ヒアルロン酸やステロイドなど)が行われることがあります。また、理学療法(リハビリ)で股関節周りの筋肉を強化し、可動域を改善します。具体的な薬剤名や治療法は医師にご確認ください。
手術が検討される場合
保存療法で十分な効果が得られない場合や、大腿骨頸部骨折などの場合は手術が選択されることがあります。代表的な手術に人工股関節置換術があります。手術の必要性は医師とよく相談して決めましょう。
この病気と共に生きる
股関節の痛みは完全になくならないこともありますが、適切な治療と生活の工夫で日常生活の質を大きく保つことができます。
生活習慣のアドバイス
- 関節に優しい運動(水中ウォーキング、自転車こぎなど)を定期的に行う
- 家の中の段差をなくし、滑り止めマットを敷くなど転倒対策をする
- 杖や歩行器を正しく使い、関節への負担を減らす
食事と運動
バランスの良い食事で骨と筋肉を健康に保ちましょう。特にカルシウム(牛乳、小魚、緑黄色野菜)とビタミンD(きのこ類、魚介類)を意識して摂ると良いです。運動は医師や理学療法士の指導を受けて安全に行ってください。
精神的健康と心の健康
長く続く痛みは不安や気分の落ち込みを引き起こすことがあります。一人で抱え込まず、家族や医師、カウンセラーに相談しましょう。地域の高齢者サロンなどで交流を持つことも気分転換になります。
予防
完全に防ぐことは難しいですが、転倒予防、適度な運動、健康的な体重維持でリスクを大きく減らせます。
ワクチン
股関節痛に直接関係するワクチンはありませんが、高齢者の健康維持のためにインフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの接種が推奨されます。かかりつけ医に相談しましょう。
検診プログラム
骨粗しょう症の検査(骨密度測定)が推奨される場合があります。特に閉経後の女性や骨折のリスクが高い方は医師に相談してください。
合併症
治療しない場合
- 痛みのために歩かなくなり、筋力が低下する
- 転倒しやすくなり、骨折のリスクが高まる
- 長期間の安静で寝たきりになる可能性がある
長期的な見通し
早期に適切な治療を始めれば、多くの場合痛みは改善し、日常生活の活動性を維持できます。治療を続けながら、自分のペースで無理なく過ごすことが大切です。希望を持って取り組みましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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