肝臓の炎症と発熱について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
肝臓(からだの解毒や栄養の貯蔵を行う臓器)に炎症が起こり、発熱を伴う状態です。多くはウイルスや細菌の感染が原因で、肝臓が腫れたり傷ついたりします。
重要な事実
- 肝臓の炎症は「肝炎(かんえん)」とも呼ばれます。
- 発熱は体が感染と戦っているサインのひとつです。
- 多くは治療でよくなりますが、重症化すると肝臓の機能が低下することがあります。
比較的よくみられる症状です。特にウイルス性肝炎(A型、B型、C型など)は世界中で多くの人がかかります。
どの年齢でも起こりえますが、海外旅行をよくする人、不衛生な環境で生活する人、注射器を共用する人などはリスクが高くなります。
症状
- 高熱(39℃以上)が続く
- 意識がもうろうとする、呼びかけに反応が悪い
- 激しい腹痛で動けない
- 吐血(血を吐く)や下血(黒いタール状の便)がある
- ⚠発熱が3日以上続く
- ⚠皮膚や目が黄色い(黄疸)
- ⚠尿が濃い茶色になる
- ⚠右わき腹の痛みが取れない
一般的な症状
- 発熱(37.5℃以上のことが多い)
- だるさ、疲れやすさ
- 食欲不振、吐き気
- 右上腹部(あばらのすぐ下)の痛みや重苦しさ
- 皮膚や目の白い部分が黄色くなる(黄疸(おうだん))
- 尿の色が濃くなる、便の色が薄くなる
子供の症状
- 発熱に加えて、嘔吐(おうと)や下痢をすることが多い
- 機嫌が悪い、ぐったりする
- ミルクや食事をあまり受けつけない
高齢者の症状
- 発熱がはっきりしないこともあり、代わりに意識がぼんやりしたり、転びやすくなることがある
- 黄疸が出るまで気づかれにくいことがある
- 持病があると重症化しやすい
原因
主な原因
- ウイルス感染(A型・B型・C型・E型肝炎ウイルスなど)
- 細菌感染(肝膿瘍(かんのうよう)など)
- アルコールのとりすぎ
- 薬の副作用(特定の抗生物質や解熱鎮痛薬など)
- 脂肪肝(脂肪が肝臓にたまる)が原因で炎症を起こすこともある
リスク要因
- 生水や生の魚介類を食べる(A型・E型肝炎)
- 感染した人の血液に触れる(B型・C型肝炎)
- 不衛生な環境での生活や旅行
- 大量のアルコールを長期間飲む
- 肥満や糖尿病がある
- 免疫力が低下している(ステロイド使用、HIVなど)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状がある場合
- 黄疸(皮膚や目が黄色い)が出たら、すぐに医療機関を受診してください
定期受診を予約すべき場合:
- 発熱が2~3日続くが、それ以外の症状が軽い場合
- だるさや食欲不振がなかなか改善しない場合
診断
医師が問診(症状や経過、海外渡航歴など)を行い、身体診察(お腹を触る、皮膚や目の色を見る)をした上で、血液検査や画像検査を行います。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(肝機能の数値やウイルス抗体の有無を調べる)
- 腹部エコー(超音波で肝臓の大きさや形を調べる)
- CTやMRI(より詳しい画像診断)
- 肝生検(肝臓の一部を針で採取し、顕微鏡で調べる)は必要に応じて行われます
診察で予想されること
検査結果が出るまでに数日かかることがあります。結果に基づいて、原因に合わせた治療方針が決まります。医師は結果をわかりやすく説明してくれますので、気になることは何でも質問してください。
治療
治療は原因によって異なります。ウイルス性の場合は安静と対症療法が基本で、細菌性の場合は抗菌薬が使われます。原因がアルコールや薬の場合は、それらを中止することが第一です。
自宅でのセルフケア
- 十分な休息と睡眠をとる
- 水分をこまめに補給する(スポーツドリンクや経口補水液もよい)
- アルコールは絶対に控える
- 脂っこい食事や刺激物は避け、消化のよいものを食べる
医療治療
ウイルス性肝炎には抗ウイルス薬が使われることがあります(具体的な薬名は医師が判断します)。細菌性の肝膿瘍には抗生物質の点滴が必要になる場合があります。重症の場合は入院して治療を行います。
手術が検討される場合
肝膿瘍で膿(うみ)がたまった場合は、針や管を入れて膿を出す処置(ドレナージ)が必要になることがありますが、開腹手術はほとんど行われません。
この病気と共に生きる
治療中は安静が第一です。体力が戻るまでは無理をせず、通院や内服をしっかり続けてください。多くの場合、数週間から数ヶ月で回復します。
生活習慣のアドバイス
- 禁酒する(完治後も節酒がすすめられます)
- 規則正しい生活を心がける
- 感染を防ぐため、手洗いを徹底する(特にA型・E型肝炎)
- パートナーや家族がいる場合は、感染予防のために医師の指示に従う
食事と運動
バランスのよい食事(タンパク質、ビタミン、食物繊維を十分にとる)を心がけ、脂肪分や塩分は控えめにしましょう。軽いウォーキングなどは体力が戻ってから徐々に行ってください。
精神的健康と心の健康
病気の経過が長引くと不安やストレスを感じることがあります。周囲のサポートを受け、必要なら医師やカウンセラーに相談しましょう。
予防
はい、多くの肝臓の炎症は予防できます。特にA型・B型肝炎にはワクチンがあり、衛生管理(手洗い、安全な水と食事)も効果的です。
ワクチン
A型肝炎ワクチン、B型肝炎ワクチンが利用可能です。海外旅行前や感染リスクの高い仕事をしている方は医師に相談しましょう。
検診プログラム
肝炎ウイルスの検査(血液検査)は、健康診断や自治体の健診で受けることができます。定期的に受けることをおすすめします。
合併症
治療しない場合
- 慢性肝炎に移行し、長期間肝臓が炎症を起こし続ける
- 肝硬変(肝臓が硬くなり機能が低下する)
- 肝臓がん(肝細胞がん)のリスクが高まる
- 肝不全(肝臓の働きが極端に悪くなり、命に関わる)
長期的な見通し
早期に発見して適切な治療を行えば、多くの場合、肝臓の炎症は改善します。慢性化しても、最新の治療で進行を抑え、健康的な生活を長く続けることが可能です。希望を持って治療に取り組みましょう。
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地域の団体
- 厚生労働省 肝炎対策ページ ↗ · 日本
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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