長く続く乾癬(かんせん)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
乾癬は、免疫の働きに異常が起こって皮膚が赤くなり、銀白色のフケのようなかさかさしたものができる病気です。長く続くことが多く、よくなったり悪くなったりを繰り返します。ほかの人にうつることはありません。
重要な事実
- 乾癬はうつらない皮膚の病気です。
- 長く続きますが、適切な治療で症状を抑えることができます。
- 皮膚だけでなく、関節に炎症が起こることもあります。
- ストレス、感染症、けが、たばこ、お酒などで悪化することがあります。
乾癬は、日本では比較的多く見られる皮膚の病気です。海外では100人に数人が経験するともいわれています。
乾癬はどの年齢でも起こりえますが、多くは20代〜30代で初めて症状が現れます。子どもや高齢者にも見られます。
症状
- 全身の皮膚が急に真っ赤になって熱が出る
- 全身に小さな膿(うみ)のふくらみがたくさんできる
- 呼吸が苦しい、意識がうすれるなどの症状がある
- ⚠皮膚の赤みが急速に体の広い範囲に広がっている
- ⚠膿(うみ)のような水ぶくれができて痛みが強い
- ⚠皮膚の感染症が疑われる(熱、腫れ、痛みの急な悪化)
一般的な症状
- 皮膚に赤い盛り上がった発疹(はっしん)ができる
- その上に銀白色のうろこ状のかさぶたが付く
- かゆみや痛みを伴うことがある
- ひじ、ひざ、頭皮(ふけのように見える)、おしり、爪などに現れやすい
- 爪が分厚くなったり、小さなくぼみができたりすることがある
子供の症状
- 頭皮やおむつが当たる部分に赤い発疹が現れやすい
- かゆみが強く、夜眠れないことがある
- 風邪や感染症の後に突然症状が現れることもある
高齢者の症状
- 皮膚が薄くなっているため、傷つきやすく治りにくい
- ほかの病気や薬の影響で症状が見えにくいことがある
- 関節の痛みやこわばりを伴いやすい
原因
主な原因
- 免疫の働きに異常が起こり、皮膚の新しくできるスピードが速くなりすぎることで発疹ができる
- 遺伝的な要素が関係している
- ストレス、皮膚のけが、のどなどの感染症、急な薬の変更、気候の変化などがきっかけになることがある
リスク要因
- 家族に乾癬の人がいる
- たばこを吸う
- お酒を飲みすぎる
- ストレスが多い
- 関節の症状が出やすい体質
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 全身に赤みや発疹が急に広がった
- 発疹が化膿している、または強い痛みがある
- 発疹の上に小さな膿のぶつぶつがたくさんできた
定期受診を予約すべき場合:
- 皮膚の赤みやかさつきが数週間以上続く
- かゆみが強く日常生活に影響がある
- 爪の変形や関節の痛みがある
- 市販の保湿薬などでよくならない
診断
医師が皮膚の状態を診て、問診を行います。多くの場合、目で見た所見と症状の経過から診断できます。
行われる可能性のある検査
- 皮膚の一部を採取して顕微鏡で調べる皮膚生検(皮膚組織検査)
- 関節の症状がある場合、レントゲンや超音波検査
- 乾癬に伴う病気の有無を調べる血液検査
診察で予想されること
診察では、いつから症状が出たか、どこにできたか、かゆみや痛みの程度、ほかの病気の治療歴や薬の使用歴などを聞かれます。必要に応じて皮膚の一部(ひとかけら)を採取する検査が行われることがありますが、痛みは軽く、すぐに終わります。
治療
乾癬を完全に消す薬はまだありませんが、症状をしっかり抑えて、きれいな肌の状態を長く保つことができる治療法がいくつもあります。治療は症状の範囲や重症度、生活の状況に合わせて、段階的に考えられます。
自宅でのセルフケア
- 皮膚を保湿してかさつきやかゆみを和らげる
- 爪でかきむしらず、冷やしたり、やさしく押さえたりする
- 頭皮用のやさしいシャンプーや保湿剤を使う
- 落ち着いているときから、刺激の少ないスキンケアを心がける
- 禁煙は非常に効果的です。お酒は控えめにしましょう
医療治療
病院では、塗り薬、光線療法(紫外線を皮膚に当てる治療)、内服薬、注射薬などが症状に応じて組み合わせられます。最近では、免疫の働きを調整する生物学的製剤(せいぶつがくてきせいざい)というタイプの薬も使われることがあります。どの治療にもメリットと注意点があるため、医師とよく相談して決めることが大切です。
手術が検討される場合
乾癬自体に対して手術が必要になることはほとんどありません。ただし、関節が破壊された場合や、皮膚の感染症などに対して外科的な処置が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
乾癬は長く付き合うことが多い病気です。毎日の生活では、肌を清潔に保ち、保湿を続けることが大切です。爪は短く切り、かゆみが強いときは冷たいタオルで冷やすなどの工夫をしましょう。
生活習慣のアドバイス
- ストレスをためすぎない(趣味、深呼吸、散歩など)
- 規則正しい生活と十分な睡眠を心がける
- たばこはやめる、お酒は控えめにする
- 肌を強くこすらない、傷つけないようにする
- 天候や季節の変化に合わせて保湿を意識する
食事と運動
バランスのよい食事と無理のない運動は、体重管理と全身の健康に役立ちます。肥満は乾癬を悪化させることがあるため、野菜や魚を中心にした食生活と、早歩きなどの軽い運動を毎日続けるのがすすめられます。
精神的健康と心の健康
見た目に変化が出るため、人目が気になったり、かゆみや痛みで仕事や家事に集中できなかったりすることがあります。つらい気持ちは無理に我慢せず、医師や薬剤師、家族や友人に話すことも大切です。
予防
乾癬そのものを完全に予防する方法はまだありません。ただし、ストレスや感染症、けがなどの悪化のきっかけをできるだけ避け、規則正しい生活を心がけることで、症状の出る回数や強さを減らすことができます。
ワクチン
特にはありません。もし他の病気の予防接種を受ける場合は、かかりつけの医師に相談してください。
合併症
治療しない場合
- 関節の炎症(関節リウマチに似た状態)が進み、関節が変形・痛みが続く
- 心臓病や脳卒中、動脈硬化のリスクが高まる
- 糖尿病などのメタボリック症候群を引き起こしやすい
- 皮膚の症状が広範囲に及び、生活の質が大きく下がる
長期的な見通し
乾癬は長く続く病気ですが、いまは多くの治療法があり、症状を上手にコントロールしている人は大勢います。完全に消えることはまれですが、適切な治療と生活の工夫で、症状を目立たなくし、普段の生活を元気に送ることは十分可能です。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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