片方の精巣(睾丸)のしこりと男性ホルモンについて
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
男性ホルモン(テストステロン)は、主に精巣(睾丸)で作られています。この精巣の片側に、しこりや腫れを感じることがあります。この記事では、その症状の意味、考えられる原因、受診の目安についてやさしく説明します。
重要な事実
- 精巣のしこりの多くは良性(がんではない)ですが、医師の診察が必要です。
- 睾丸がんは早期に発見すれば治療しやすく、治る可能性が高い病気です。
- 痛みがないしこりでも、必ず医療機関で確認してもらいましょう。
- 突然の激しい痛みは緊急のサインです。すぐに救急車を呼んでください。
精巣のしこりは、男性によく見られる症状のひとつです。多くは心配ない原因ですが、中には治療が必要なものもあります。
思春期から50歳までの男性に多く見られますが、どの年齢でも起こり得ます。特に20~30代の若い男性では、睾丸がんのリスクが高くなります。
症状
- 突然の激しい精巣の痛み
- 精巣が急に腫れる、または位置が高くなる
- 吐き気や嘔吐を伴う激しい痛み
- 交通事故などによる陰部の外傷
- このような症状は精巣軸捻転(精索がねじれる)の可能性があります。数時間以内の治療が必要です。直ちに119番に電話してください
- ⚠新たに触れるしこりや腫れがある
- ⚠発熱を伴う陰嚢の痛みや腫れ
- ⚠排尿時の痛みやおりもの(尿道分泌物)がある
- ⚠これらは感染症や腫瘍の可能性があるため、当日中に泌尿器科を受診してください
一般的な症状
- 片方の精巣に小さなしこりを触れる
- 精巣が腫れて重く感じる
- 陰嚢の痛みや圧迫感
- 痛みがないことも多い
子供の症状
- 子供の場合は、痛みのない片側の陰嚢の腫れが、水がたまる(陰嚢水腫)や鼠径ヘルニアであることがあります
- 子供でも急な痛みは緊急の可能性があります
- いずれの場合も小児科または泌尿器科の受診が必要です
高齢者の症状
- 高齢男性では、精巣のしこりは精液のう胞(精液がたまったのう胞)やヘルニアなど良性のことが多いですが、がんの可能性もゼロではありません
- 前立腺の薬の影響で乳房が張るなど、男性ホルモンの変化が現れることもあります
- 気になる変化は、泌尿器科で相談しましょう
原因
主な原因
- 精液のう胞(精巣上体にできる液体のう胞)
- 陰嚢水腫(精巣を包む袋に水がたまる)
- 精索静脈瘤(精巣周辺の静脈のこぶ)
- 精巣上体炎(精巣の後ろの管が炎症を起こす)
- 鼠径ヘルニア(脚の付け根の弱い部分から腸が飛び出す)
- 精巣腫瘍(良性と悪性の両方がある)
リスク要因
- 生まれつき精巣が陰嚢に下りていない(停留精巣)
- 家族に睾丸がんの既往がある
- 年齢(20~40歳に多い)
- 精子を作る機能の障害(不妊症)
- 陰嚢へのケガ(稀)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然の激しい痛みや吐き気がある
- 精巣が急に腫れて高く上がったような感覚がある
- 上記はいずれも精巣軸捻転の可能性があるため、すぐに救急車を呼んでください
定期受診を予約すべき場合:
- しこりに触れる(痛みがなくても)
- 陰嚢の腫れや重だるさが続く
- 片方だけ乳房が張る、または痛む(ホルモン異常の可能性がある)
- 2週間以内に泌尿器科を受診しましょう
診断
泌尿器科の医師が、問診(症状や病歴を尋ねる)と触診(触って確認する)を行います。必要に応じて、陰嚢の超音波検査(エコー)で、しこりの性質を調べます。
行われる可能性のある検査
- 陰嚢超音波検査(エコー)
- 血液検査(腫瘍マーカーやホルモン値を確認)
- 尿検査(感染症の有無)
- 必要に応じてMRI検査
診察で予想されること
超音波検査は痛みを伴わず、10~15分程度で終わります。検査当日に画像の結果が分かることが多く、医師から詳しい説明を受けた後、治療方針が決まります。
治療
治療は原因によって異なります。良性の水のう胞や水腫なら経過観察でよい場合があります。感染症なら薬で治療します。腫瘍が悪性の場合は、手術を中心とした治療が行われます。
自宅でのセルフケア
- 日常のサポーターやトランクスで陰嚢を支えると楽になることがあります
- 痛みや腫れが強いときは、冷たいタオルで冷やす
- 激しい運動は診断がつくまで控える
- 気になる変化をメモして医師に伝える
医療治療
精巣上体炎などの感染症の場合、医師が適切な抗生物質を処方します。ホルモンに関連する症状なら、ホルモン値を整える治療を医師が提案します。どの薬も医師の指示に従って服用してください。
手術が検討される場合
悪性腫瘍(がん)と診断された場合は、患側の精巣を摘出する手術が標準的な治療です。また、精索捻転の場合は、緊急手術で精巣を救うことができます。
この病気と共に生きる
治療後は、自分の体の変化に注意を向け、月に1回を目安に精巣の自己検診を行いましょう。鏡の前で陰嚢を観察し、片手で精巣を優しく転がすようにして、しこりや痛みがないか確認します。
生活習慣のアドバイス
- 入浴時に自己検診する習慣をつける
- 陰部を締め付ける下着を避け、通気性の良いものを選ぶ
- ストレスをためない工夫を取り入れる
- 禁煙・節酒を心がける
食事と運動
特別な食事療法はありませんが、バランスの良い食事と適度な運動は免疫力を保ち、全身の健康に役立ちます。過度な運動は避け、痛みがある場合は休みましょう。
精神的健康と心の健康
「がんかもしれない」という不安は、とても自然なことです。気持ちを一人で抱え込まず、パートナーや友人、医師に話しましょう。必要なら、心のケアの専門家の助けを求めることも選択肢です。
予防
精巣のしこりのすべてを予防することはできません。しかし、自己検診を習慣にすることで、異常を早く見つけ、早期治療につなげることができます。
ワクチン
精巣がんを直接予防するワクチンはありません。
検診プログラム
特定の検診制度はありませんが、月に1回の自己検診が推奨されます。気になる症状がある場合は、ためらわずに医療機関を受診してください。
合併症
治療しない場合
- 精巣軸捻転を放置すると、精巣の血流が絶たれ壊死(組織が死ぬ)して摘出が必要になることがあります
- 悪性腫瘍を放置すると、リンパ節や他の臓器に転移する可能性があります
- 感染症を放置すると、精巣の炎症が広がり不妊の原因になることもあります
長期的な見通し
良性のしこりは自然に消えることもあり、心配しすぎる必要はありません。仮に睾丸がんであっても、早期発見すれば治癒率は非常に高いです。きちんと治療すれば、多くの男性が普段と変わらない生活を送っています。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。