繰り返す鼻血
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
頻回(ひんかい)の鼻血(はなぢ)とは、何度も繰り返し鼻から出血することです。鼻の中の血管が切れて出血します。ほとんどは自然に止まりますが、頻繁に起こる場合は医師に相談すると安心です。
重要な事実
- 鼻血の大部分は鼻の前の方(キーゼルバッハ部位)から出ます。
- 小児から高齢者まで誰にでも起こりえます。
- 多くは深刻な病気の兆候ではなく、適切な対処で改善します。
はい、非常に一般的です。一生に一度は誰でも鼻血を経験しますが、頻回に起こる人は全体の数%程度とされています。
小児(特に2〜10歳)、高齢者、乾燥した環境に住む方、血圧が高い方、血液をサラサラにする薬を服用している方に多く見られます。
症状
- 両方の鼻の穴をしっかり押さえても20分以上出血が止まらない
- 大量の出血で意識がぼんやりする、めまいがする、顔色が青白い
- 血を吐く(飲み込んだ血を吐き出す)、または黒い便が出る
- 呼吸が苦しい
- ⚠頻回に鼻血が出て止まりにくい
- ⚠血液をサラサラにする薬(ワルファリンなど)を服用している
- ⚠他の部位(歯茎、あざなど)からも出血しやすい
- ⚠鼻血に加えて頭痛や発熱がある
一般的な症状
- 片方の鼻の穴から出血する(両方のこともあります)
- 血液がのどに流れ込むことがある(飲み込むと吐き気を感じることも)
- 出血する前に鼻の中がヒリヒリする感じがある
子供の症状
- 多くの場合、鼻の前の方からの出血で、量は少ない
- 鼻をほじったりぶつけたりして起こりやすい
- 数分で自然に止まることが多い
高齢者の症状
- 鼻の奥からの出血(後方性鼻出血)が増えるため、のどに血が流れ込みやすい
- 出血量が多く止まりにくいことがある
- 血圧や血液をサラサラにする薬の影響を受けやすい
原因
主な原因
- 空気の乾燥(暖房や冷房で鼻の粘膜が乾く)
- 鼻をほじる、強くかむ、ぶつけるなどの刺激
- アレルギー性鼻炎や風邪による鼻粘膜の炎症
- 高血圧(特に高齢者の後方性鼻出血に関係)
- 血液をサラサラにする薬(抗凝固薬・抗血小板薬)
- 鼻の中の腫瘍やポリープ(まれ)
リスク要因
- 乾燥した気候や室内環境(冬場やエアコンの使用)
- 頻繁な鼻づまりや鼻水(アレルギー、副鼻腔炎)
- 鼻の形が曲がっている(鼻中隔弯曲)
- 血液の病気(血友病など)や肝臓の病気
- 強い血圧の変動
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状がある場合はすぐに119番へ
- 出血が止まらずに意識がもうろうとする
- 鼻血を繰り返し、貧血(顔色が悪い、疲れやすい)が疑われる
定期受診を予約すべき場合:
- 週に1回以上の頻度で鼻血が出る
- 軽い刺激でも鼻血が出やすくなった
- 鼻血以外にも出血しやすい(歯茎の出血、あざができやすいなど)
- 血圧が高いと指摘されたことがある
診断
医師はあなたの症状や病歴を詳しく聞き、鼻の中を観察します。
行われる可能性のある検査
- 鼻鏡検査(鼻の入り口から中を見る)
- 内視鏡検査(細いカメラで鼻の奥まで調べる)
- 血液検査(貧血や出血傾向がないか確認)
- 血圧測定
診察で予想されること
医師はいつからどのくらいの頻度で鼻血が出るのか、どのくらい止まりにくいのか、服用している薬や他の症状について質問します。鼻の中を観察するときは少し不快かもしれませんが、痛みはほとんどありません。必要に応じて内視鏡検査や血液検査が行われます。
治療
治療は出血の程度と原因によります。ほとんどの鼻血は自宅で対処できますが、頻回で困る場合や止まりにくい場合は医療機関での処置が必要です。
自宅でのセルフケア
- 出血したら落ち着いて座り、前かがみになります
- 鼻の柔らかい部分を親指と人差し指で強くつまみ、10〜15分間そのまま保ちます(口で呼吸)
- 氷や冷たいタオルを鼻の付け根にあてると血管が収縮しやすくなります
- 出血が止まった後は、鼻を強くかんだりほじったりしないようにします
医療治療
医師は出血している血管を焼き固める処置(焼灼)や、鼻の中にガーゼやスポンジを詰める処置(鼻パッキング)を行うことがあります。また、出血を抑える薬剤を鼻の中に塗ったり噴霧したりする方法もあります。いずれも医師が個別の状態に合わせて選択します。
手術が検討される場合
パッキングなどの処置でも止まらない場合は、内視鏡を使って出血している血管をクリップで留めたり、電気で焼いたりする手術が行われることがあります。
この病気と共に生きる
頻回の鼻血と上手に付き合うためには、鼻の粘膜を乾燥から守り、刺激を避けることが大切です。鼻血が出たときは慌てずに正しい止血方法を実践しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 室内の湿度を50〜60%に保つ(加湿器や濡れタオルを置く)
- 鼻の入り口にワセリンなどを薄く塗って保湿する(医師に相談してから)
- 鼻をかむときは片方ずつ優しく行う
- 鼻をほじらない、指を入れない(小児には爪を短く切る)
- 重い物を持ち上げるなど、頭に血が上る動作を避ける
食事と運動
食事は特に制限はありませんが、血液をサラサラにする薬を服用している方はビタミンKを多く含む食品(納豆・緑黄色野菜など)を急に大量に摂らないように注意してください(医師に相談)。適度な運動は血圧のコントロールに役立ちますが、激しい運動の直後は鼻血が出やすくなることがあるので、無理のない範囲で行いましょう。
精神的健康と心の健康
鼻血が頻繁に出ると、いつ出血するか不安になったり、外出を控えてしまうことがあります。特に血を見るのが苦手な方は強いストレスを感じるかもしれません。そうした気持ちは自然なことです。必要なら医師や家族に相談してください。
予防
完全に予防するのは難しいですが、日常生活の工夫で頻度を減らせることが多いです。鼻の粘膜を乾燥から守り、刺激を避けることが効果的です。血圧が高い方は適切にコントロールすることも重要です。
合併症
治療しない場合
- 貧血(慢性的な出血で赤血球が減る)
- 誤って血液を吸い込んでむせる(特に高齢者)
- 鼻の感染症(鼻パッキングを長く入れている場合)
- 重度の後方性鼻出血による呼吸困難(まれ)
長期的な見通し
ほとんどの頻回の鼻血は、適切な自己ケアや簡単な医療処置で改善します。原因がはっきりしている場合は、その原因を治療することで再発を抑えられます。全体的に見ると、頻回の鼻血は多くの場合、健康に大きな影響を与えるものではありません。安心して医師と相談しながら対策を続けてください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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