排卵痛
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
排卵痛とは、卵巣から卵子が放出される「排卵」の前後に、下腹部に感じる痛みのことです。排卵は月経周期のちょうど真ん中ごろに起こることが多く、痛みもその時期に現れます。多くの場合、一時的で心配のない症状です。
重要な事実
- 痛みは通常、左右どちらか片側の下腹部に現れます
- 痛みは数分から数時間、長くても1〜2日で治まることがほとんどです
- 排卵痛は、妊娠を望める年齢の女性によく見られる症状です
珍しいものではありません。月経のある女性の約5人に1人が経験することがあると言われていますが、実際にはどのくらいの頻度で起こるかには個人差があります。
主に、月経のある年齢の女性に起こります。初めて月経が始まったばかりの若い方から、閉経前の方まで見られます。
症状
- 突然の強い下腹部の痛み
- 痛みと一緒に、めまいや立ちくらみ、冷や汗がある
- 妊娠の可能性があるのに、下腹部に激しい痛みがある
- 意識がぼんやりする
- ⚠痛みが2日以上続く、またはどんどん強くなる
- ⚠38度以上の発熱がある
- ⚠月経時以外に、いつもと違う出血がある
- ⚠排尿や排便の痛みを伴う
一般的な症状
- 片側の下腹部に感じるチクチクする、または鈍い痛み
- 痛みは数分から数時間、長くても1〜2日続く
- 痛みを感じるときに、おりものが増えることがある
- ごくまれに、軽い出血や吐き気を伴うことがある
原因
主な原因
- 排卵の直前に、卵胞(卵子が入っている袋)が急に大きくなって卵巣の表面を引っ張ること
- 卵胞が破れて卵子が飛び出すときの刺激
- 排卵のときに少量の出血が起こり、その血液がおなかの中の膜(腹膜)を刺激すること
リスク要因
- 月経周期が不規則で、排卵の時期がわかりにくい方
- 排卵痛を感じやすい体質の方
- 卵巣や子宮に病気がある方は、痛みの原因をしっかり調べる必要があります
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 痛みが強く、立っていられないほどつらい
- 安静にしていても痛みが治まらない
- 痛みと一緒に発熱やおう吐がある
定期受診を予約すべき場合:
- 排卵のたびに痛みが起こり、生活に支障がある
- 痛みの場所や時期がいつもと違う
- 妊娠の可能性があるが、腹痛が続いている
診断
医師は、まずあなたの症状(痛みの場所、時期、月経周期との関係)を詳しく伺います。そのうえで、超音波検査などで卵巣の状態を確認し、他の病気がないかを調べます。
行われる可能性のある検査
- 基礎体温表(月経周期と排卵の時期を把握するため)
- 超音波検査(エコー)で卵巣や子宮の状態を見る
- 妊娠の有無を確認する尿検査
- 炎症や貧血がないかを調べる血液検査
診察で予想されること
診察では、これまでの月経周期や痛みの様子について質問されます。痛みの時期が排卵と重なっていて、他に異常が見つからなければ、排卵痛と診断されます。必要に応じて、数か月間の症状記録を頼まれることもあります。
治療
多くの場合、排卵痛は特別な治療をしなくても自然に治まります。痛みが強いときは、医師と相談しながら、症状をやわらげる方法を選びます。自己判断での薬の使用は避けましょう。
自宅でのセルフケア
- 痛む部分をカイロや温かいタオルで温める
- 無理をせず、横になって安静にする
- 水分をこまめにとる
- 市販の痛み止めを使うときは、薬剤師に相談して正しく使う
医療治療
診察の結果、痛みが強くて日常生活に支障がある場合は、医師の処方による鎮痛薬や、症状に合わせて漢方薬が検討されることがあります。また、低用量のホルモン剤で排卵を抑えることで、痛みの発生そのものを防ぐ方法もあります。治療を受ける場合は、必ず医師の説明をよく聞き、納得してから始めましょう。
手術が検討される場合
排卵痛そのもののために手術が必要になることはほとんどありません。ただし、痛みの原因が卵巣のう腫や子宮内膜症など、ほかの病気によるものであると分かった場合は、その病気に対する治療として手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
排卵痛は、数時間から1〜2日で自然に落ち着くことがほとんどです。痛みを感じたら、その日はゆっくり過ごすようにしましょう。また、自分の月経周期を記録しておくと、次に痛みが起きる時期を予測しやすくなります。
生活習慣のアドバイス
- 月経周期を手帳やアプリで記録する
- 規則正しい生活と十分な睡眠を心がける
- ストレスをため込まず、リラックスする時間をつくる
食事と運動
普段からバランスのよい食事を心がけ、月経周期で失われやすい鉄分を意識してとるとよいでしょう。運動は、痛みのない日は軽いウォーキングやストレッチなどを継続してください。痛みがある日は激しい運動を避け、体を休めることを優先しましょう。
精神的健康と心の健康
月経周期ごとに痛みを繰り返すと、不安や不快感を感じることもあるかもしれません。しかし、排卵痛は身体の自然な働きのひとつで、多くの場合は心配しなくて大丈夫です。つらいときは無理をせず、周囲の人や医療機関に相談するようにしましょう。
予防
排卵そのものを止めない限り、排卵痛を完全に「予防」することはできません。しかし、自分の月経周期を把握し、痛みが起きやすい時期をあらかじめ知っておくことで、無理な予定を入れず痛みに備えることができます。強い痛みが続く場合は、医師に相談して排卵を抑える治療を選ぶこともできます。
検診プログラム
特に症状がなくても、年に一度は婦人科検診を受けることをおすすめします。排卵痛に似た病気を早期に見つけるきっかけにもなります。
合併症
治療しない場合
- 排卵痛自体が重い病気を引き起こすことはほとんどありませんが、強くて長引く痛みをそのままにしておくと、日常生活の質が下がることがあります
- 痛みの原因がほかの病気だった場合、治療せずにいると症状が進行する可能性があります
長期的な見通し
排卵痛は、月経がある限り、時々起こることがありますが、多くの場合は自然に落ち着きます。また、閉経後には起こらなくなるため、安心してください。自分の体の変化に気を配り、気になる症状があれば早めに医療機関へ相談することが何より大切です。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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