高齢者の肩の痛み
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
肩の痛みは、高齢者の方によく見られる症状のひとつです。加齢に伴い肩の筋肉や腱(筋肉と骨をつなぐ丈夫な組織)が弱くなったり、関節の軟骨(骨と骨の間のクッション)がすり減ったりすることで起こります。代表的な原因として、四十肩・五十肩(凍結肩とも呼ばれます)、腱板(けんばん)断裂(回旋筋腱板の損傷)、変形性肩関節症などがあります。
重要な事実
- 肩の痛みは高齢者の約20~30%が経験するといわれています。
- 適切な治療とリハビリで多くの場合改善します。
- 放置すると動きが制限され、日常生活に支障が出ることがあります。
はい、とてもよく見られる症状です。特に60歳以上の方に多く、加齢による変化や長年の使い過ぎが原因で起こりやすいです。
主に50歳以上の中高年の方に多く見られます。特に、重いものを持ち上げる仕事やスポーツを長年続けてきた方、糖尿病や甲状腺の病気がある方、肩をよく使う方に起こりやすいです。
症状
- 転んで肩を強く打ち、激しい痛みがある
- 腕が動かせない、あるいは腕を動かすと骨が変な形に見える
- 肩の腫れや内出血が急激に広がる
- ⚠安静にしても痛みが2~3日以上続く
- ⚠熱があり、肩が赤く腫れている(感染の可能性)
- ⚠しびれや力が入らないなどの神経症状がある
一般的な症状
- 肩の痛み(動かすときや夜間に強い)
- 肩のこわばり、動きにくさ
- 腕を上げる、後ろに回すなどの動作が難しい
子供の症状
- 子どもの肩の痛みはまれですが、スポーツのやり過ぎや転倒による打撲で起こることがあります。
- 痛みが続く場合は成長期特有の病気の可能性もあるため、早めに医師に相談しましょう。
高齢者の症状
- 朝のこわばりが強く、動かし始めに痛みが出る
- 夜間、寝返りで肩が痛くて目が覚める
- 腕を真横や前に上げるのが困難になる
- 肩を動かすと「ゴリゴリ」という音や感触がある
原因
主な原因
- 腱板断裂(けんばんだんれつ):肩の筋肉の腱が加齢や使い過ぎで切れる
- 凍結肩(とうけつけん):別名「五十肩」。肩の関節包(関節を包む袋)が炎症を起こし固くなる
- 変形性肩関節症:関節軟骨がすり減り、骨と骨が直接こすれる
- 石灰沈着性腱板炎:腱にカルシウムがたまり炎症を起こす
- 肩峰下滑液包炎(けんほうかかつえきほうえん):肩のクッション組織が炎症を起こす
リスク要因
- 加齢(特に50歳以上)
- 長時間のパソコン作業や腕を使う仕事
- 野球やテニスなど肩を繰り返し使うスポーツ
- 糖尿病、甲状腺疾患がある
- 過去の肩のけが
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 肩の激しい痛みや変形がある
- 発熱や腫れがある
- 手や腕のしびれ、脱力がある
- 転倒など大きなけがの直後
定期受診を予約すべき場合:
- 肩の痛みが1週間以上続く
- 腕を上げる、洗濯物を干すなどの日常動作が難しくなった
- 市販の湿布や痛み止めを使っても改善しない
診断
医師があなたの症状や肩の動きを確認し、どの動作で痛みが出るかを調べます。必要に応じて画像検査(レントゲン、超音波、MRIなど)を行い、腱や骨、関節の状態を詳しく見ます。
行われる可能性のある検査
- 問診と身体診察(痛みの場所、動きの範囲を確認)
- レントゲン検査(骨の形や関節の隙間を確認)
- 超音波(エコー)検査(腱や滑液包の炎症をリアルタイムで見る)
- MRI検査(腱や筋肉、軟骨などの細かい状態を調べる)
診察で予想されること
診察は30分~1時間程度です。痛みのため動きが制限されることもありますが、無理に動かすことはありません。検査結果をもとに、あなたに合った治療計画を立てます。
治療
治療は、原因や重症度によって異なります。多くは手術をしなくても、安静やリハビリで良くなります。医師の指導のもと、自分に合った治療を選びましょう。
自宅でのセルフケア
- 痛みがある間は無理に動かさず、安静にする
- 痛みが強いときは氷で冷やす(炎症を抑える)
- 慢性的な痛みには温める(血流を良くする)
- 市販の消炎鎮痛剤(貼り薬や塗り薬)を使う(使用前に医師や薬剤師に相談)
- 簡単なストレッチ(医師や理学療法士の許可を得てから)
医療治療
医師の診断に基づき、消炎鎮痛薬の内服や外用、理学療法(ストレッチや筋力訓練)、関節内注射(炎症を抑える薬を注射)などが行われます。厚生労働省のガイドラインでも、保存療法(手術しない治療)を第一選択としています。
手術が検討される場合
腱板断裂が大きく、保存療法で改善しない場合や、関節症が進行して日常生活に大きな支障がある場合に、手術が検討されることがあります。手術の方法は医師とよく相談しましょう。
この病気と共に生きる
肩の痛みと上手に付き合うには、痛みの原因を理解し、無理のない範囲で動かすことが大切です。痛みが強いときは安静を優先し、徐々にリハビリを進めましょう。
生活習慣のアドバイス
- 重いものは痛みのある腕で持たない
- 高いところの物を取るときは踏み台を使う
- 寝るときは痛くない側を下にする、または枕で腕を支える
- 洗濯物を干す、髪を洗うなどの動作は工夫する
食事と運動
特におすすめの食事はありませんが、バランスの良い食事で筋肉や骨を支える栄養をとりましょう。運動は医師の許可を得た範囲で、無理なくできるストレッチやウォーキングから始めましょう。
精神的健康と心の健康
肩の痛みが続くと、睡眠不足や日常生活の制限からストレスや不安を感じることがあります。気分が落ち込んだり、どうしていいかわからなくなったら、家族や医療機関に相談しましょう。
予防
完全に予防するのは難しいですが、日常生活での注意や運動でリスクを減らせます。肩の柔軟性と筋力を保つことが重要です。
ワクチン
省略
検診プログラム
省略
合併症
治療しない場合
- 肩の動きが制限され、いわゆる「凍結肩」になりやすい
- 筋肉が弱くなり、腕の力が落ちる
- 慢性的な痛みが続き、日常生活に大きな影響が出る
長期的な見通し
適切な治療とリハビリを行えば、多くの場合で症状は改善します。特に、早期に医師の診察を受けることで回復が早まります。あきらめずに、少しずつできることから取り組みましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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